高畑勲監督:海外製作のジブリ最新作に太鼓判 当初は不安も「見事乗り越えた」

スタジオジブリ長編最新作「レッドタートル ある島の物語」の完成披露舞台あいさつに登場した(右から)高畑勲アーティスティック・プロデューサー、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督、鈴木敏夫プロデューサー
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スタジオジブリ長編最新作「レッドタートル ある島の物語」の完成披露舞台あいさつに登場した(右から)高畑勲アーティスティック・プロデューサー、マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督、鈴木敏夫プロデューサー

 劇場版アニメ「かぐや姫の物語」などで知られる高畑勲監督が1日、東京都内で行われたスタジオジブリ長編最新作「レッドタートル ある島の物語」(マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット監督)の完成披露舞台あいさつに登場。アーティスティック・プロデューサーとして参加している高畑監督は、マイケル監督の作品は大好きとしつつ、初の長編となる今作について「(これまでマイケル監督は)ほとんどひとりで作ってきた。(長編は)チームでやらないといけない。できるんだろうかとか、不安があった」と当時の心境を吐露。それでも、「最終的には見事に乗り越えた。(マイケル監督とスタッフに)大変素晴らしい仕事をしてくれてありがとうと言いたい」と語った。

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 また、高畑監督の助言を受けることを条件に長編に挑戦したというマイケル監督は「(高畑監督は)長編アニメーションにおける豊かな経験をお持ちの方。初めて挑戦するにあたって、高畑さんのご意見を聞けたら作品のためになるのは明らかでした」とその理由を説明。高畑作品の魅力については「(自身の作品と)共通に感じたのは、繊細さ。勝手ながらそれに親近感を覚えております」と語った。

 「レッドタートル」は、「岸辺のふたり」でアカデミー賞短編アニメーション映画賞を受賞するなど高い評価を得たマイケル監督の構想10年、製作8年という長編初監督作品。嵐の中で海に放り出されて無人島にたどり着いた男が、必死に島からの脱出を試みるが、見えない力によって何度も島に引き戻される。絶望的な状況の男の前に、ある日、一人の女が現れ……というストーリー。アニメは主にフランスで製作された。第69回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で特別賞を受賞したほか、第41回トロント国際映画祭の「映画祭ディスカバリー」部門への出品も決定している。17日公開。

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