ワルデマル・ボンゼルスの児童文学「みつばちマーヤの冒険」(1912年)を基にフルCGでアニメ化した劇場版アニメ「みつばちマーヤの大冒険」(アレックス・ステイダーマン監督)が3日に公開される。ミツバチのマーヤがさまざまな経験を通じ成長していく物語で、日本では75年に初アニメ化。その後、82年に続編「新みつばちマーヤの冒険」が制作された。今作は2014年にドイツなどで製作され、外の世界に飛び出したが連れ戻され牢屋に入れられたマーヤが、女王蜂の座を狙う陰謀に立ち向かう姿を描く。主人公・マーヤの声を春名風花さん、親友のウィリー役を野沢雅子さん、女王付きの従者・クロウリー役を落合福嗣さん、フィリップ役を小林裕介さん、スズメバチのスティング役を柿原徹也さんが務め、ゲスト声優としてスギちゃんとダンディ坂野さんも出演している。
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みつばちのマーヤ(声・春名さん)は外の世界が見たくて、教育係の言うことを聞かず巣を飛び出す。草原で出会ったバッタのフィリップ(声・小林さん)からこの世の素晴らしさを教わり、マーヤはもっと冒険したいと思うが巣に戻され、女官長のバズリーナ(声・西墻由香さん)にお仕置きの牢屋に入れられてしまう。しかしマーヤは女王蜂(声・沢田敏子さん)の座を奪おうとするバズリーナの陰謀を目撃してしまい……というストーリー。
原作は出版から100年以上が経過した現代でも、世界中の子供たちから愛され続けるドイツ文学の傑作で、日本でもアニメ版が大ヒットするなど子供のころに見ていた世代の人にとっては思い入れの強い作品だろう。フルCGアニメとして描かれているマーヤは躍動感と生命力にあふれ、背景となる草原や空もキラキラと美しく、ストーリーを盛り上げている。出会いや冒険を経験する中でマーヤが次第に成長していく姿は感慨深く、ストーリーを追いながら泣いたり、笑ったりと素直に楽しめる。ヒット当時のアニメを知る人にとっては、1975年の最初のアニメでウィリー役を担当した野沢さんが同じ役を約40年ぶりに演じていることは特に感慨深いだろう。子供はもちろん、大人が見ても忘れかけていた童心がよみがえり、すがすがしい気分にひたることができる。3日から全国の109シネマズ限定で公開。(遠藤政樹/フリーライター)
<プロフィル>
えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。
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