佐々木蔵之介さんや深田恭子さんらが出演してヒットした「超高速!参勤交代」(2014年)の続編「超高速!参勤交代リターンズ」(本木克弘監督)が10日から公開される。弱小貧乏藩の湯長谷藩が宿敵の老中・松平信悦による逆襲を受けて、今度は城もピンチに! 江戸から故郷へと急ぐさまを、前作よりもスケールアップした戦いを交えながら描いていく。
ウナギノボリ
10年前の朝ドラ「花子とアン」 当時の吉高由里子インタビュー
享保20(1735)年。無理難題の参勤を無事に済ませた湯長谷藩主の内藤政醇(佐々木さん)らは参勤から1カ月たって帰りの旅費を用意するため、各自で得意技を披露しながら銭を稼いだ一行は、牛久宿で政醇とお咲(深田さん)の祝言を開く。ところが、湯長谷で一揆が起きたという知らせが入り、あと2日で一揆を収束させなければ藩がつぶされることになるという。それは前回、彼らに敗北した老中の松平信祝(陣内孝則さん)による陰謀だった……という展開。
小さな藩が幕府を相手に闘う姿が小気味よいエンターテインメント作の続編。今回も芝居のうまい役者が顔をそろえ、リラックスして見ることができる。佐々木さんの優しい殿様はハマリ役。殿が故郷や民を思う気持ちと、人々の温かさを軸に据え、老中の仕返しがパワーアップした。行きの2倍速で帰らねばならなく、故郷へと急ぐ一行に指名手配書が出回り、謎の刺客が襲い掛かり、さらに城も抑えられたり……とピンチにつぐピンチ! 道中だけでなく、故郷での一揆もあり、アクションも増え、前作とはまた違った見応えのある作品に仕上がっている。
おなじみのお猿・菊千代も大活躍。故郷では土地を必死に守る農民や、参勤交代に出向いた夫を待つ妻たちが力を結集している姿も頼もしい。そして、前作にも増して悪役がいい味を出している。弱小藩との戦いを盛り上げてくれるのは、濃いメークで不敵な笑みを浮かべる陣内さんや怪しげな中尾明慶さんら芸達者な役者たち。豪華キャストが再結集し、脚本は前回に引き続き、土屋章宏さんが手がけた。主題歌は斉藤和義さんの「行き先は未来」。10日から丸の内ピカデリー(東京都千代田区)ほかで公開。(キョーコ/フリーライター)
<プロフィル>
キョーコ=出版社・新聞社勤務後、映画紹介や人物インタビューを中心にライターとして活動中。趣味は散歩と街猫をなでること。9月の公開作ではミシェル・ゴンドリー監督の新作「グッバイ,サマー」(10日公開)が好き。
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