今週シネマ:17日公開の映画「怒り」「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」「レッドタートル」…

映画「怒り」のワンシーン (C)2016「怒り」製作委員会
1 / 1
映画「怒り」のワンシーン (C)2016「怒り」製作委員会

 今週末に公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。17日は、渡辺謙さんや宮崎あおいさん、妻夫木聡さんら日本映画界屈指の俳優たちが競演する映画「怒り」(李相日監督)、スティーブン・スピルバーグ監督が手掛けた初のディズニー映画「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」、スタジオジブリの長編最新作「レッドタートル ある島の物語」(マイケル・デュドク・ドゥ・ビット監督)が公開される。

あなたにオススメ

 「怒り」は、吉田修一さんの同名小説を李監督が映画化した作品で、吉田さんの小説を李監督が映像化するのは、2010年公開の「悪人」以来2作目。1年前に八王子で起きた夫婦殺人事件の犯人が整形し逃亡を続ける中、千葉、東京、沖縄に、素性の知れない若者が現れる。未解決の殺人事件に、身元不詳の3人の若者。それぞれの場所で、それぞれの人たちが信じる力を試されていく……というストーリー。渡辺さんは、娘の幸せを願うあまりオロオロするばかりの父親に徹し、妻夫木さんは本当の愛に気付き始めるゲイの男になり切り、松山ケンイチさん、綾野剛さん、森山未來さんは、いい意味で存在感を打ち消し、広瀬すずさんも物語の前半と後半でまったく異なる表情を見せるなど、俳優たちの役への没入感がすさまじい。音楽は坂本龍一さんが担当している。

 「BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」は、映画「チャーリーとチョコレート工場」(2005年)の原作者で知られるロアルド・ダールさんの児童小説を映画化した作品。養護施設育ちの少女ソフィーと、夜ごと子供たちに「夢」を届ける優しい巨人、BFG(ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)の友情と冒険の物語。英ロンドンの児童養護施設で暮らす10歳の少女ソフィー(ルビー・バーンヒルさん)は、ある夜見たこともない巨人(マーク・ライランスさん)に「巨人の国」に連れていかれる。最初は恐れていたソフィーだったがBFGの優しさに触れ、次第に打ち解けていく……というストーリー。脚本は昨年他界したメリッサ・マシスンさん、音楽はジョン・ウィリアムズさんが担当している。

 「レッドタートル ある島の物語」は、2000年に公開された「岸辺のふたり」でアカデミー賞短編アニメーション映画賞をはじめ高い評価を得たマイケル監督の長編初監督作品。嵐の中、荒れ狂う海に放り出された男が九死に一生を得て無人島にたどり着き、島からの脱出を試みるが、見えない力で何度も島に引き戻されてしまう。絶望的な状況に置かれた男の前に、ある日、一人の女が現れ……というストーリー。全編を通してせりふがないなど画期的な作品で、美しい映像と音楽とともに描き出される世界観とストーリーに引き込まれていく。第69回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門で特別賞を受賞。

 そのほか、17日は大今良時さんのマンガが原作の劇場版アニメ「聲の形(こえのかたち)」(山田尚子監督)、孤高の作家・佐藤泰志さん原作の「海炭市叙景」(2010年)「そこのみにて光輝く」(14年)に続く3部作の最終章となる「オーバー・フェンス」(山下敦弘監督)などが公開される。

アニメ 最新記事