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青木志貴の魔王式随想:ゲーム実況で開けたミライ

アニメ コラム ゲーム
自宅でゲームを楽しむ青木さん

 人気ゲーム「アイドルマスターシンデレラガールズ」の二宮飛鳥役などで知られる新人声優の青木志貴さん。自身を「ボク」と呼ぶ“ボクっ娘”で、“魔王”のニックネームで「League of Legends」などのオンラインゲームをがっつりやり込むコアゲーマーという異色の経歴も併せ持つ青木さんが、その独自の視点で自身の歩みやさまざまな思いを語ります。

 ◇

 こんにちは。今年の秋は皆様どのように過ごされていますか? ボクは仕事以外は安定のおうちでひきこもってゲームざんまいなのですが、食べることは大好きなのでたまにはおいしいものを食べに小旅行に行きたいな~なんて考えたりもします。思っても、なかなかおうちから出ることはないんですけどね……(笑い)。

 さて今回はそんな「ゲーム」についてのお話です! 皆さんはゲームって好きですか? ボクにとってのゲームは、もはやただの娯楽のひとつではないんですよね。ゲームといってもテレビゲームやカードゲーム、ボードゲームなどなどさまざまなものがありますが……。主にボクの人生に大きく影響した「テレビゲーム」について。ゲームが好きで、ゲームがあったからこそ、今のボクがあるのです。

 生まれて初めてゲームというものに触れたのは多分、ボクが3歳くらいの頃だと思います。アルバムにゲームをしている写真が残っていたのですが、本当にプレーできていたかは置いといて……。既にその頃にはコントローラーを握っていました。

 初めて遊んだゲームは「スーパーマリオワールド」。1990年、ボクが生まれた年に発売されたスーパーファミコンと同時に発売されたソフトです。一番最初に遊んでいたゲームがマリオなのに、今でもマリオはあまり上手ではないのですが……(笑い)

 それから幼い頃の記憶にあるのが、同じくスーパーファミコンのソフト「ストリートファイター2」や「スーパーマリオカート」。それらのゲームの記憶には全て兄という存在が大きく関わっていました。ゲーム好きは親の影響か?と聞かれることが多いのですが、父も母もテレビゲームは全くしないんです。母に至ってはむしろゲームに良くないイメージを持っていたと思います。

 そんな家庭環境でここまでゲームにのめり込むきっかけになったのは、やはり兄の存在でした。ボクがゲーマーである前に、兄もまた廃ゲーマーだったわけです(笑い)。これもまたゲーマー兄妹あるあるだと思うのですが、兄が誕生日のプレゼントなどでゲーム機やソフトを買ってもらうので、自分も便乗してゲームをただで遊べるわけですね!(おさがりなので兄がゲームクリアした後になるのですが……)。兄のお陰で、ボクも立派な(?)ゲーマーとして育ちました!

 ただ、幼い頃の記憶に残る兄とのゲームの思い出は、スト2などの対戦ゲームではボコボコにされ、ゴエモンやカービィなどの協力して進めるゲームではミスるたびに怒られ、ドラクエではひたすらレベル上げをさせられるだけの機械にされたなど、なんとも悲しい思い出ばかりです……(笑い)。

 そんなこんなでスーファミからニンテンドー64、ゲームキューブ、プレイステーションなどなど……。新しいハードが出るたびに購入し、遊んできました。やはり兄の影響が大きいので、遊ぶゲームソフトも女の子向けのものよりは男の子が好むようなゲームが好きだったりします。そしてその頃はまだ、大好きなゲームが仕事につながるなんて全く考えてなかったんですよね。

 ボクの中で、ゲームが趣味、娯楽という境界線から一歩外へ飛び出したきっかけは、はやりの「ゲーム実況」でした。芝居や歌のお仕事がしたくて、15歳でひとり上京してきたものの、現実はそううまくいかず……。20歳になって、生活するのがいっぱいいっぱいの状況で養成所などに通うお金もなく……。

 どうしようかな~、もう諦めるしかないのかな~、人生やり直せたらな~、なんて悩みながら悲観的にただ生きているだけの毎日。そんな中、たまたま動画投稿サイトで人気が出ていたゲーム実況動画というものを見て、なんとなく、本当にただの暇つぶしとしてボクもゲーム実況を始めてみたんですね。

 「有名になりたい」とか、「いろんな人に見てもらいたい!」とかそういった感情は一切なく、今の自分にはゲームしかないし、ただ「面白そうだな~」というだけで。「バイオハザード4」のナイフ縛り動画や、「モンスターハンターフロンティア」で裸装備縛り配信など、いわゆる「縛りプレー」と言われるものが最初でした。動画投稿や生放送は当時未知の世界だったのですが、これが想像以上に楽しく……! しかもありがたいことに、たくさんの人が見に来てくださるようになったんですね。自分のゲームプレーをわざわざ見に来てくれる人たちがいると思わなかったのでそれがまたうれしくて、すっかりゲーム実況にハマってしまったわけです(笑い)。

 そうしているうちに、ニコニコ生放送での公式放送にゲームプレーヤーとして呼んでいただけるようになり、ゲームをプレーすることでお給料がいただける世界というものを知り、もっとゲームを通していろいろなお仕事ができたらいいなと思っていたところに舞い込んできた「ファミ通三代目ゲーマーズエンジェル」のオーディション情報。オーディション情報を教えてくれたのは、ボクのゲーム実況を見に来てくれるリスナーさんでした。受かるかどうかなんてわからないけど、やらなきゃ始まらないと思って応募し、何度もオーディションを経て合格の連絡をいただいたときは、「もっとゲームのいろんなお仕事ができるんだ!」ととてもうれしかったです。そうして「ゲーム」という存在が趣味から仕事へと変わっていきました。

 たくさんのゲーム番組に出演させていただけるようにはなったものの、やはり小さい頃からの夢だった「声優」という職業には遠く……。それでもやっぱり声優というお仕事を諦めきれずにジタバタしていた頃、ファミ通さんを通してゲームの声優のお仕事のお話をいただいたんです! 「神様と運命覚醒のクロステーゼ」というPS3で発売されたゲームでした。どきどきしながらオーディションを受け、ありがたいことに「十六夜フェレス」という、とても可愛らしいけど悪役の親玉的な重要なポジションのキャラクターのCVを担当させていただけることになりました。

 ゲーマーズエンジェルでなければできなかった声優としての初仕事。そしてその声優としての初仕事がゲームキャラクターの声で、やはりゲームというものに深い縁を感じました。今でも声優としての実力はまだまだ未熟なのですが、今プレーして自分の芝居を聞くと何もかも、うわあああああああ!!下手くそおおおおおおってなります……(笑い)。こんな自分にすてきなキャラクターを頂けて、声優としてお仕事を頂けて、本当に感謝です……。デビュー作、思い出深い作品になりました。

 ゲーム実況から始まった、ボクのゲーマーとしてのお仕事。ゲーム実況は楽しいことばかりではなく、つらかったこともたくさんあってゲーム実況なんか始めなければよかったと思ったことが何度もありました。

 それでも、ゲーム実況をしていなければ、リスナーさんからゲーマーズエンジェルのオーディション情報を教えてもらえなかった、知ることもなかった。ゲーム実況をしていて、応援してくださるリスナーさんがいなければゲーマーズエンジェルのオーディションに受かることもなかった。そしてゲーマーズエンジェルになれなかったら、声優としてのお仕事ができないままだったと思います。

 つらいこともたくさんあったけど、ボクは一切後悔していません。この過程がなければ、今のボクは存在していないのですから。全部必要なことだったんです。だから、何と言われようと、きっと自分が選んできた過去を否定するようなことは言わないと思います。(役者としてまだまだ未熟な面はしっかりと謙虚に受け止めて精進します!)。それに、ゲーム実況はやめてないし、これからものんびりと続けていくつもりですよ!(笑い)

 いろいろ端折りましたが(笑い)、こうした経緯があって、ボクの人生は、「ゲーム」から始まって「ゲーム」で構成されているわけなのです。ゲーム業界もどんどん進化し、盛り上がりを見せ、今ではテレビやネットで「プロゲーマー」という職業についてたくさん紹介されるようにもなりました。

 ゲームに携わる職業がどんどん増え、認められるだけでなく、ゲームというコンテンツは本当に大きな力を持っていると実感しています。現実とゲームの世界の境界線が徐々に薄くなってきている今、そしてこれからもっと発展していくであろうゲームという世界。これから生まれる人たちがそれらを体験できることが本当にうらやましく、進化するゲームを体験したいがために長生きしたい、おばあちゃんになってもゲームができたらすてきだなあと心から思います(笑い)。

 そして、好きだけど下手だったり、苦手なゲーム、得意なゲーム、さまざまなゲームジャンルがありますが、これからもたくさんのゲームをプレーし、得意ジャンルでは腕を磨いて、「声優としてだけではなく、ゲームプレーヤーとしてもゲームの素晴らしさを伝えるお仕事ができるように」、これをひとつの目標として、ゲーマー人生を歩み続けたいと思います!

 ◇プロフィル

 あおき・しき=1月14日生まれ。162センチ、AB型。「アイドルマスターシンデレラガールズ」の二宮飛鳥役など。声優、タレントと多方面で活動中。ゲーマーとしても「魔王」の愛称を持つコアゲーマー。

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