マンガ質問状:「スローモーションをもう一度」付き合う前のドキドキを 80年代の資料集めに苦労も

加納梨衣さんの「スローモーションをもう一度」1巻のカバー
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加納梨衣さんの「スローモーションをもう一度」1巻のカバー

 話題のマンガの魅力を担当編集が語る「マンガ質問状」。今回は、アイドルなど1980年代カルチャー好きの現代の高校生の恋を描いた加納梨衣さんの「スローモーションをもう一度」です。「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)編集部の今野真吾さんに作品の魅力を聞きました。

ウナギノボリ

 --作品の魅力は?

 恋愛は“付き合う前”が一番楽しいように思います。よく一緒に遊んだりしてお互い相手のことをいいなと思っているんだけど、まだ告白はしていなくて、お互い、あっちは自分のことをどう思っているんだろうと気になっている……。その、ドキドキして甘酸っぱい感じがとてもよく出ているマンガです!

 また、テーマは“歌やアイドルなどの80年代カルチャー”になっていまして、知っている人にとってはニヤニヤできる描写が満載です! もちろん、知らない人も全く問題なく楽しめる内容になっています!

 --作品が生まれたきっかけは?

 加納先生のツイッターを見たことがきっかけです。先生はツイッターで時々、レトロなグッズなどを紹介するアカウントのツイートをリツイートしていました。加納先生の口からそういったものが好きという話は、ついぞ聞いたことがなかったのですが、そのツイートを見た僕が「レトロなものが好きなんですか?」と聞いたところ、「実はそうなんです……」と言われまして、そこから企画がスタートしました。

 その後、主人公を具体的にどういったキャラクターにするか、打ち合わせをしていたのですが、ある時、「高校の時にすごくマイナーなバンドが好きで、そのことをクラスメートと共有できず、寂しかった」という話題が出まして、そこから一気にキャラが固まっていきました。

 --編集の際、苦労した点、面白かったエピソードを教えてください。

 毎回打ち合わせに臨む前に“キュンとする初恋あるある”を考えるのですが、かなり苦労しています。自分が初めて恋をした小学4年生の時のピュアな気持ちを思い出すことは、難しい……。また、加納先生としては、当時のものを作画する際に使う資料集めはかなり苦労なされているみたいですね。入手が難しいものもかなりあるので……。

 --今後の展開は?

 具体的な展開はヒミツなのですが、、毎回 読者の胸をキュンキュンさせられるよう頑張ります!

 --読者へ一言お願いします。

 こういった趣味を持つ高校生2人が出会うことは、奇跡のような確率だと思います。でも、奇跡は人生に一度くらいは起こるのではないか、と僕は思います。読者の皆さまに、「自分もこれからこういう出会いがあるかもしれないなー、それを信じて明日ももろもろ頑張ろー!」と思っていただけたらうれしいです。奇跡的な出会いをした大滝くんと薬師丸ちゃん。2人の恋を、応援どうぞよろしくお願いいたします!

 ビッグコミックスピリッツ編集部・今野真吾

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