新海誠監督:「君の名は。」大ヒットの理由を分析 宮崎駿監督の“新作”にも言及

トークショーに登場した「君の名は。」の新海誠監督
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トークショーに登場した「君の名は。」の新海誠監督

 大ヒット中の劇場版アニメ「君の名は。」を手がけた新海誠監督が19日、東京都内で、プロデューサーの川村元気さんとともにトークショーを行った。2人は巻き戻して見ることができない“不可逆性”という映画の特徴を挙げ、新海監督は「現在進行形で上映されている映画のアドバンテージってまさにそこで、戻せない。その世界に入り込まないと楽しめない。もしかしたらそういう構造があるから、『君の名は。』も1000万人以上の人が映画館に行こうとしてくれたのかなという気がします」と大ヒットについて分析した。

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 今後の計画について聞かれた新海監督と川村さんは、先日、NHKの番組で、2013年に長編アニメの制作からの“引退宣言”をした宮崎駿監督が、長編への復帰に向けて意欲を燃やしている姿が放送されたことにも言及。新海監督は「(公開が)同じ年にならないことを願うばかりですよね、新作に関しては」と笑いながら、次回作について「具体的にはまだ白紙。アニメは製作期間がかかるので、少しでも作画期間を潤沢に取ろうとして、じゃあ脚本は来年夏までかな、とか逆算すると……だんだん首が締まってきた感じです」と胸中を明かし笑いを誘った。

 また、自身の作品への評価の受け止め方について、新海監督は「仕事柄、うれしいこともうれしくないこともいっぱい言われて、全部ネットで可視化された。(作品は)みんな自分の全存在を懸けて作っているから、(悪口は)存在を否定されるような重みはある」と吐露しつつ、「(悪口を)言わずにいれない、という気持ちにさせられたんだ、コミュニケーションできたんだ、と。僕も次に何か作品で返そう、そんな気持ちにはなります。だから嫌な言葉からも背中を押されているという感覚はあります」と前向きに語っていた。

 トークショーは新海監督の映画の原作小説となる「小説 君の名は。」(角川文庫)と川村さんが4日に発売した新刊「四月になれば彼女は」(文藝春秋)の刊行を記念して開催。200人が参加した。

 「君の名は。」は、1000年ぶりとなる彗星(すいせい)の来訪を1カ月後に控えた日本を舞台に、山深い田舎町に暮らす女子高生・三葉と東京で暮らす男子高生の瀧が、入れ替わってしまう……というストーリー。主人公・瀧を俳優の神木隆之介さん、ヒロイン・三葉の声を女優の上白石萌音さんが演じており、累計興行収入は14日時点で184億9000万円まで達している。

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