注目映画紹介:「夜空はいつでも最高密度の青色だ」新人・石橋静河と池松壮亮が都会に生きる若者を繊細に表現

「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」のワンシーン(C)2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会
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「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」のワンシーン(C)2017「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」製作委員会

 俳優、石橋凌さんと女優、原田美枝子さんの娘で新人の石橋静河さんと、映画に引っ張りだこの池松壮亮さんがダブル主演の映画「夜空はいつでも最高密度の青色だ」(石井裕也監督)が、13日から東京で先行上映後、27日から全国で順次公開される。現代詩集として異例の累計売り上げ2万7000部を記録した最果タヒさんの同名詩集の映画化。東京の片隅で生きづらさを抱える男女の恋愛模様が、さまよい歩く街の風景と共に切なく映し出される。

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 日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞作「舟を編む」(2013年)の石井監督が、詩から得た感情の映画化に挑戦した。看護師の美香(石橋さん)は東京の女子寮で1人暮らし。患者の死に囲まれて、孤独と不機嫌を抱えながら生きていた。夜はガールズバーでアルバイトをしている。建設現場で日雇い労働をする慎二(池松さん)は古いアパートで1人暮らし。ある夜、同僚とガールズバーへ行った慎二は、そこで美香と出会い……というストーリー。

 大勢の人が互いに無関心に行き交う都会での、ひんやりとした孤独。ほかのみんなとは違うという感覚。生きづらさを抱えながらも、信じるものを求め続ける美香と慎二。不器用に近寄っていく関係を、演技派の池松さんとフレッシュな石橋さんが繊細に演じている。共演に松田龍平さん、市川実日子さん、田中哲司さん、三浦貴大さんら存在感のある役者がそろった。

 池松さんは「ぼくたちの家族」(14年)、「バンクーバーの朝日」(同)に続いて石井作品に出演。「デスノート Light up the NEW world」をはじめ、出演作が昨年10作の池松さんは、今作で左目がほとんど見えない青年という難しい役柄を通して、見えない未来への不安をリアルに演じ切った。

 石橋さんは映画初主演。昨年「ファンケル カロリミット」のCMで注目を浴びた石橋さんは、出演作「PARKS パークス」が先月公開されたばかりで、今後の活躍に期待が募る。

 今作は2月開催のベルリン国際映画祭フォーラム部門で公式上映された。13日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)、ユーロスペース(東京都渋谷区)で先行上映。27日から全国で順次公開。(キョーコ/フリーライター)

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