樹木希林:河瀬直美監督に“自己流”エール カンヌ受賞は「どっちでもいい」

映画「光」の初日舞台あいさつに登場した樹木希林さん(右)と水崎綾女さん
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映画「光」の初日舞台あいさつに登場した樹木希林さん(右)と水崎綾女さん

 女優の樹木希林さんが27日、東京都内で永瀬正敏さん主演の映画「」(河瀬直美監督)の初日舞台あいさつに出席。同作はフランスで開催中の「第70回カンヌ国際映画祭」のコンペティション部門に選出されており、樹木さんは現地で結果を待つ河瀬監督に“自己流”のエールを送った。

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 舞台あいさつには、永瀬さんと河瀬監督も仏・カンヌからスカイプで参加した。劇中の音声ガイドの「声」で出演した樹木さんは「ナレーションをやったんですが、タダ」と明かし、「これで最後だから、もう『困った時の樹木希林はなしよ!』とお断りしましたが、宣伝部に言われて来ました」と語って会場を沸かせた。

 樹木さんは「賞はいただけるに越したことはないんでしょうけど、脚光を浴びた瞬間に人の心は一変しますから。そこから花開く人もいれば、ダメになる場合もある」と持論を語り、「永瀬さんは賞で一喜一憂する人じゃない。河瀬さんはもともと勘違いしているところがあるから、へこたれない」と分析。「賞をもらおうが、もらわないことがあろうが、変わらず、コツコツと河瀬さんのいい映画を作っていただければ。私は、どっちでもいいと思ってる」とエールを送った。

 河瀬監督は「賞は問題じゃないと言っていただけたことに、ぐっと来るものがある。これからも映画を真摯(しんし)に作り上げていくところに光がある、と実感できた」と喜び、「カンヌはいつも進化して、人類に新しいメッセージを投げる。その最終のコンペティションの19本の中の1本にしていただいたことはとてもうれしく思いますし、映画がまた好きになった」と笑顔を見せた。

 永瀬さんは「監督は撮影寸前にトラブルがあって、体調も崩された。そういう苦労を見せずに映画を作って、しかも、僕をカンヌに連れて行ってくださった」と河瀬監督をねぎらい、「皆さんに『光』が届きますように」と観客に呼びかけていた。

 「光」は、視力を失いかけているカメラマン・雅哉(永瀬さん)とバリアフリー映画のモニター会で音声ガイドを作成する美佐子(水崎綾女さん)が、衝突しながらも互いへの理解を深めていくラブストーリー。舞台あいさつには、水崎さん、神野三鈴さん、藤竜也さんも出席。同映画祭の結果は、現地時間28日の夕方に発表される。

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