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注目映画紹介:「幼な子われらに生まれ」浅野忠信×新人女優 血のつながらない父娘の対峙にヒリヒリ

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映画「幼な子われらに生まれ」のワンシーン(C)2016「幼な子われらに生まれ」製作委員会

 浅野忠信さんと田中麗奈さんが出演し、血のつながらない家族の葛藤を描いた映画「幼な子われらに生まれ」(三島有紀子監督)が、26日からテアトル新宿(東京都新宿区)ほかで公開される。つまずきながら、家族になろうとする不器用な大人たちと子供たちの物語。浅野さん演じる父親が血のつながらない思春期の長女と対峙(たいじ)するシーンでは、父娘のヒリヒリした心理が巧みに映し出されている。

 商社の営業マンの田中信(浅野さん)と専業主婦の妻・奈苗(田中さん)は再婚同士。一緒に暮らす2人の娘は奈苗の連れ子だ。新しい生命を授かった2人だったが、信は迷っていた。思春期の長女・薫(南沙良さん)との関係はギクシャクしており、たびたび反抗的な態度をとられ、良い父親になろうと必死になるほどうまくいかずに悩んでいた。その上、会社では出向を命じられ、仕事も煮詰まる。そんな折、薫は別れた父親に会いたいと言い出して……という展開。

 原作は、直木賞作家・重松清さんの同名小説。「共喰い」(2013年)などの脚本家、荒井晴彦さんが重松さんと映画化の約束をし、「少女」(16年)などを手がけた三島監督がメガホンをとった。手土産を片手に精いっぱい良い父親になろうと頑張る信と、今の家族の幸せを手離すまいと、つらい過去を振り切って明るく振る舞う奈苗。反抗的な長女と無邪気な次女。幸せの象徴のようなニュータウンのマンションを舞台に、家族4人の“現在”が、即興のせりふも加えてドキュメンタリー的な撮影方法で撮られ、さらに元妻、元夫とのドラマも展開する。

 家族の団らんのひとときも、信の努力は長女の薫には届かず、薫は薫で一人浮いている。父親としてどうしたらよいのか葛藤する信と、思春期ゆえに容赦ない言葉をぶつけてしまう薫のやりとりに、リアルな緊張感が漂う。雑誌「nicola」の専属モデルであり、今作で女優デビューを飾った南さんの体当たりの演技を、浅野さんが大人の包容力で受け止めている。

 また、奈苗の元夫役を宮藤官九郎さんが好演。ギャンブルに溺れた男を人間味たっぷりに演じている。そのほか、過去にDVを受けた経験のある奈苗役・田中さんと、信の元妻役・寺島しのぶさんの熱演も見逃せない。(キョーコ/フリーライター)

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