人気マンガ「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦さんと「北斗の拳」の原哲夫さんが8日、六本木ヒルズ(東京都港区)で開催中の「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展VOL.1」内のイベント「レジェンドトークショー」に登場した。2人は1980~90年代のジャンプ黄金期について編集部の裏話や作品の内幕などを語った。
ウナギノボリ
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トークショーは、「週刊少年ジャンプ」(集英社)の歴史を振り返る企画展「創刊50周年記念 週刊少年ジャンプ展VOL.1創刊~1980年代、伝説のはじまり」の一環で開かれた。荒木さんと原さんは冒頭からそろって「編集者に本当にひどい目に遭っています」と切り出し、親しい間柄だからこそ話せる思い出話を語り合った。
原さんが「北斗の拳」のときの担当編集は、ジャンプの元編集長で現在はコアミックス社長の堀江信彦さん。堀江さんについて原さんは「普段は優しいです。でも僕の仕事が遅いので、オーラがラオウみたいになる(笑い)。『(原稿は)何でここまでしかできないんだよ』と机をバーンとたたく。そういうのは怖かったです」と振り返った。
また原さんは「編集者がマンガ家同士のライバル心をあおる」と冗談めかしながら、自身の憧れのマンガ家を「ちばてつや先生。あと大友克洋さんは、ものすごく影響を受けた。大友さんが吉祥寺に住んでいると聞いて、家を探しに行ったけれど見つけられるわけがなかった。吉祥寺って意外と広い」と話して、観客を笑わせていた。
荒木さんのデビュー時の担当編集は、「ハイスクール!奇面組」や「まじかるタルるートくん」などを手掛けた椛島良介さん。海外旅行があまり好きでない荒木さんは、椛島さんから強力に押されて、気が進まないながらもエジプトに足を運んだが、「それがマンガに生きた」と話した。また荒木さんは「江口(寿史)先生みたいなマンガを描いたとき、(編集者から、まねのような作品は)絶対に描くなよと怒られた。なので他のマンガのスキマを縫うようにしてアイデアを出していった」と話し、それが「ジョジョの誕生につながった」と明かした。
そのほか、マンガを持ち込むときに小学館の巨大ビルにひるみ、隣にある小さいビルの集英社に持ち込んだこと、マンガを持ち込んだ人が、編集者に「つまらないから作品をシュレッダーにかけろ」と言われて泣いているのを見て自分はどうなるのか怖かったこと、荒木さんが集英社の会議室で“缶詰状態”になったとき、「キン肉マン」の作者・ゆでたまごもいたなどのエピソードを明かした。
「週刊少年ジャンプ展」は現在、「キン肉マン」や「ドラゴンボール」「キャプテン翼」などの作品の原画が展示されている。六本木ヒルズ内の森アーツセンターギャラリーで、10月15日まで。一般2000円、中高生1500円、4歳から小学生までは800円。
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