人気グループ「Hey!Say!JUMP」の山田涼介さんの主演映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」(廣木隆一監督)が公開中だ。人気作家・東野圭吾さんの同名小説が原作で、養護施設育ちの矢口敦也、小林翔太、麻生幸平の3人は、かつて街の人たちが悩み相談をすることで知られたナミヤ雑貨店に忍び込み、過去からの悩み相談の手紙に返事を書きながら、雑貨店の秘密や相談者と自分たちの共通点に気付いていく物語。敦也役は山田さん、翔太役は俳優の村上淳さんと歌手のUAさんの息子の村上虹郎さん、幸平を、俳優の佐藤浩市さんの息子の寛 一郎さんが演じている。ナミヤ雑貨店の浪矢店主役で西田敏行さんも出演。年齢や境遇が似ている村上さんと寛 一郎さんの2人に聞いた。
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――お互いの第一印象は?
村上さん 第一印象はおとなしい人。結構、周りに俳優で共通の知り合いがいるんですよ。だから話には聞いていて、「無口なやつだけど、いいやつだから、よろしく」って先輩たちに言われていたんです。仲間意識は持ちつつ、無口だっていうから、あえて僕もしゃべらないでいこうと思って、自分からはしゃべらなかったんです。あいさつの「おはようございます」くらい言って。そうしたら逆に話しかけてくれて、うれしかったです(照れ笑い)。
寛 一郎さん 同じです。共通の知り合いがいたので、虹郎の話は「面白いやつだよ」っていうことは聞いていたんです。自分からしゃべるのは難しかったんですけれど、「おはようございます」ってパッと目を合わせたときに、すごく力強い目で見てくるんですよね。この目力、うるさいなと思いつつ(笑い)。
村上さん うるさい(笑い)。
寛 一郎さん 僕も「仲良くしてやってくれ」と知り合いから言われていたんですけれど、僕自身も仲良くしたかったので、自分から話しかけました。
――どんな話をしたんですか。
寛 一郎さん 共通の知り合いの話題です。あの人、知ってるでしょ、みたいな。
村上さん そこは、覚えてない(照れ笑い)。あえてリハーサルを3日間やったんです。1日で5時間くらいやれば済むことを、3日に分けて、毎朝電車に乗って(現場に)行くっていう、集うということにたぶん意味があったと思うんだけど、毎回、帰り道に飯食って。山田(涼介)君はそのころちょっと忙しかったから。(ロケ地の)大分に行ってから山田君ともみんなでご飯に行きましたけど、僕ら2人は毎日帰り道に一緒に帰って、ご飯を食べてました。だから早めに(良い)関係性はできました。
――今作の出演が決まった際の率直な感想は?
寛 一郎さん 同じ年のこういう若い人たちと一緒にできるというのはすごく僕にとって刺激となるし、まだ2本目でしたからうれしかったです。撮影を楽しみにしていました。
村上さん 廣木監督の作品は3度目なんです。また廣木組に呼んでもらえてすごく光栄ということと、僕はジャニーズの方と共演するのが初めてだったんです。山田君と撮影するのがすごく楽しみだったし、宣伝なども含めていろんなことを盗めたらいいなあと思いました。
そして西田(敏行)さんとの共演が大きかったです。僕からすると“レジェンド”なので。西田さんといえば、僕は「タイガー&ドラゴン」のドラマが大好きで、そのイメージそのままの方でした。
――原作と台本を読まれていかがでしたか。
寛 一郎さん 原作の小説を読ませていただいて、本当に面白くて。台本は内容は同じものなんですけれど、またちょっとがらりと変わっていてすごく新鮮ですごく面白かったです。
――“時空を超えて”という部分は、どういうふうに表現すると思いましたか。
寛 一郎さん 時空は……難しいですね。それこそ体験したことがないので、それは役の彼らもそうなので。でも意識はしていなかったです。
村上さん 僕は東野さん作品って少し雰囲気が暗いイメージがあったんです。WOWOWの(ドラマWの)「変身」で人間の奥深いドロドロした部分を描いているイメージがある中で、「ナミヤ~」って明るいイメージというか。その中にそれぞれの悲劇があるんですけれど。東野さん、なんでこんなの書けるのっていう驚きがまず原作からあったんです。
僕ら3人も決してただのワルではなくて、悲劇の中の一人一人ではあると思うんです。孤児というところは僕もやっぱり分からない部分でもあるし、一人一人については原作と脚本の中に描かれていないので、監督と話し合って、それぞれ3人には(設定が)あるんです。ストーリーテラーというか、(過去に)舞い込んでしまった3人組っていう概念のようなものというか、そこがすごく面白かったんですけれども、脚本で読んだときには。これ、(自分たちに)できるのかなって。最初は不安もありました。
――山田さんは年が少し上ですが、山田さんの印象は?
寛 一郎さん 僕は、意外と静かな方だなと思って、ちゃんといい意味で壁があって。あまりべらべらしゃべる人は僕もあまり好きじゃないので、その分、接しやすかったですね。
村上さん 山田君は現場での集中の持続力がすごかった。なんであんなにずっと集中しているんだっていう。僕はやるときと抜くときが結構はっきりしているというか、バッと抜くときは抜いて、やるときはもちろんやるっていう人なので、(山田さんは)ずっと集中しているという感じでした。
もちろん、他愛のない話は控室でしてたんですが、僕ら2人は控室でぽかんと口を開けて寝ているのに。彼はずっと集中していて悟りに入っているみたいな。だんだん仲良くなっていくうちに寛 一郎と山田君が同じゲームをやっているという共通の話題を見つけちゃって、僕だけ仲間外れという(笑い)。仲が悪いわけじゃないんだけど(笑い)、2人がゲームの話をしているときは、僕は本を読んでいるっていう。
――なんのゲームですか。
寛 一郎さん プレイステーション4の「ダークソウル」です。
村上さん めっちゃ難しいらしいです。
――3人の場面で独特の空気感を出すために意識したことは?
寛 一郎さん 2人がキャラクターに合わせた感じで接してきてくれるので僕は幸平でいられて、やりやすかったですね。意識したことは僕はあまりないんですが、2人と役としてコミュニケーションを取ることで自分のキャラクターができました。(自身が演じた)幸平は3人の中で一番バカ(笑い)、というか素直でストレートで一生懸命なところが持ち味だと思っています。
村上さん 僕は、正直、台本を読んでいて、敦也と幸平はキャラクターが見えるんですよ。でも(自身が演じる)翔太が不明瞭だったから、どういう立ち位置で、気持ちで敦也や幸平に接している分からない、というかいろいろやり方があるなと思って。
衣装合わせに行ったときに、衣装の担当の方と廣木監督が用意してくださったのが全身黒でブーツのライダースのゴリゴリのハードロックみたいな格好だったんです。あっ、これじゃないと思ったんです(笑い)。台本には、丸光園(3人が暮らした施設)に3人で行くときに、めっちゃこわもてで育ちの悪そうな3人なのに、子供たちには優しくて向かい入れられるという。そのギャップを見せたいというのがあって、それで翔太は革ジャンじゃないなと思って。監督に再度ご相談して、(本番の)ああいう服装になったんです。(あれにしたことで)今回、僕はこの翔太はこっちだと思って、しっくりきましたね。
<村上虹郎さんのプロフィル>
むらかみ・にじろう 1997年3月17日生まれ、東京都出身。2014年公開の映画「2つ目の窓」(河瀬直美監督)で映画初出演、初主演を果たす。主な出演作に映画「ディストラクション・ベイビーズ」(16年、真利子哲也監督)、「武曲 MUKOKU」(17年、熊切和嘉監督)、ドラマ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」(15年)、連続ドラマ「仰げば尊し」(16年)などがある。最近公開の作品に「二度めの夏、二度と会えない君」(9月1日公開、中西健二監督)、「AMY SAID エイミー セッド」(9月30日公開、村本大志監督)がある。
<寛 一郎さんのプロフィル>
かん いちろう 1996年8月16日生まれ、東京都出身。父は俳優の佐藤浩市さん、祖父は俳優の三國連太郎さん。2017年、映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」で俳優デビュー。同作で「釣りバカ日誌」シリーズで三國さんと縁の深い西田敏行さんと共演した。17年にアニメで話題の作品を実写映画化した「心が叫びたがってるんだ。」(熊澤尚人監督)にも出演。「菊とギロチン-女相撲とアナキスト-」(瀬々敬久監督、公開日未定)にも出演している。
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