佐藤浩市&江口洋介:“石つぶて”で芝居初共演 男同士の“駆け引き”

5日から放送の「連続ドラマW 石つぶて ~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~」に出演する佐藤浩市さん(左)と江口洋介さん
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5日から放送の「連続ドラマW 石つぶて ~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~」に出演する佐藤浩市さん(左)と江口洋介さん

 俳優の佐藤浩市さんが主演し、江口洋介さんと共演するWOWOWの「連続ドラマW 石つぶて ~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~」が5日、スタートする。ドラマは、2001年に発覚し、政官界を揺るがした外務省機密費詐取事件が題材となっており、佐藤さんは前代未聞の外務省事件に挑む捜査二課の刑事・木崎睦人を演じ、江口さんは木崎と相反しながらも、共に捜査を進める上司の斎見晃明を演じる。佐藤さんと江口さんに役どころや撮影中のエピソードなどを聞いた。

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 ◇佐藤「楽しみ」 江口「胸を借りて思い切りやる」

 以前から、プライベートで親交があったという佐藤さんと江口さんだが、芝居での共演は初めてだという。取材した9月末の時点で佐藤さんは、江口さんとの撮影について「これから、がっつりとやり合っていくところなんです。どういうふうになっていくか楽しみにしているところ」と意気込みを語っていた。

 一方、江口さんは「そう言っていただけるのはうれしいですね。(佐藤さんと)“がっつり”としたお芝居ができるのは、そうそうありませんから。これだけパンチの効いた題材はほかではありません。莫大(ばくだい)な量のセリフと格闘する日々です。佐藤さんのセリフの間のコンマ何秒の世界を突き詰めていく、そのせめぎ合い、譲るのか、譲らないのか、ここは張るのか引くのか、といったことができる。僕にとって大きな刺激になると思います。胸を借りて、思い切りやらせていただこうと思います」と力強く語る。

 ◇刑事ドラマの変異に感慨も

 ドラマは、元プロ野球読売巨人軍の代表兼GMで、現在はノンフィクション作家として活動する清武英利さんの著書「石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの」(講談社)が原作。警視庁捜査二課に属する“石つぶて”たちが、外務省機密費詐取事件の真相を追う姿を描く。

 佐藤さんは「しっかりとした背骨がある話に枝葉が付いている。ほかの事件が登場することもなく、題材となった事件のみを見せるという制作側の覚悟を感じるドラマ。(事件に関わった)実在する方々、清武さんも含めて(その覚悟を)感じてもらえると思う」と話す。

 さらに、「映画、ドラマを問わず、30年前までは町中で刑事が拳銃を撃つ作品が多くありました。視聴者はそこにリアリズムを求めていなかったと思います。刑事こそヒーローという刑事像に誰も(魅力を)感じなくなった。捜査一課、マル暴(暴力団担当の部署)、外事警察、県警というような生活感がある中での刑事像が求められるようになり、非常に特化した事件を扱う捜査二課にスポットが当たるようになってきた。映画やドラマで(こういう題材を)やるようになったんだなという感慨というか、時代を感じます」としみじみ。

 江口さんも「映像化するにあたって、デフォルメしている部分もあるし、ドラマにしていかなければいけないという部分もあり、ある種、違う要素を入れていく作業でもありますけど、基にあるものは絶対にぶれさせないということは意識しています」と熱く語る。

 ◇2人が大切にしてきた「正義感」とは…

 ドラマにちなみ、2人に大切にしてきた「正義感」について聞いた。佐藤さんは「作品を作るときに日和(ひよ)ることはありますし、『しょうがない』と自分にエクスキューズをするときもある。物を作っている以上、その上でのうそ、芝居上でのうそがないようにしたいですね。自分の中の意地というか意識を忘れてはいけない」と話す。「プライベートでは、友達とお酒を飲みに行く、友人とゴルフ旅行だよとか(家族に)うそをつくシチュエーションがない(笑い)。お陰様で、そういうことに神経を使わずに済んでいます」と笑顔を見せた。

 江口さんも「日ごろ、そんなに正義感を意識してないですよ(笑い)。ドラマや映画の中では、そういう正義感がある役をたくさん演じてきました。自分の中でどうすれば納得がいき、どうすれば見ている人に本当っぽく見えるのかとか、意地みたいなものはありますけどね」と明かす。

 佐藤さんは今作について、「撮影スケジュールはドラマなんだけど、画(え)の撮り方は映画です。ワンカットずつ大切に撮影していますので、お楽しみに」と見どころを語る。佐藤さんと江口さんが演じる“石つぶて”の刑事たちが、正義感をみなぎらせながら前代未聞といえる外務省機密費詐取事件の真相を暴く姿に期待したい。5日から毎週日曜午後10時にWOWOWプライムで放送。全8話で第1話は無料放送。

 <佐藤浩市さんのプロフィル>

 1960年12月10日、東京都出身。80年にNHKドラマ「続・続 事件 月の景色」で俳優デビュー。「青春の門」(81年)で映画初出演を飾り、第24回ブルーリボン賞新人賞を受賞。82年公開の「青春の門 自立編」で映画初主演を果たす。最近のドラマ出演作はスペシャルドラマ「LEADERS2」(17年)。映画は「64-ロクヨン-前編/後編」(16年)、「花戦さ」(17年)などに出演。18年3月公開の映画「北の桜守」にも出演する。

 <江口洋介さんのプロフィル>

 1968年1月1日生まれ、東京都出身。87年に映画「湘南爆走族」で俳優デビュー。最近のドラマ出演作は「しんがり」(2015年)、「オトナ女子」(15年)、「はじめまして、愛しています。」(16年)、「黒革の手帖」(17年)など。映画は、「るろうに剣心」シリーズ(12、14年)、「脳男」(13年)、「天空の蜂」(15年)、「人生の約束」(16年)などに出演。

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