テレビ試写室:「黒い十人の秋山」 ロバート秋山が1人10役で殺人事件の容疑者に

「黒い十人の秋山」(C)テレビ東京
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「黒い十人の秋山」(C)テレビ東京

 ドラマからドキュメンタリー、バラエティー、アニメまで、さまざまなジャンルのテレビ番組について、放送前に確認した記者がレビューをつづる「テレビ試写室」。今回は、お笑いトリオ「ロバート」の秋山竜次さんが1人10役に挑んだスペシャルドラマ「黒い十人の秋山」(テレビ東京系)だ。

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 秋山さんが最新鋭のクリエーターを紹介するという名目で個性的な人物にふんする「クリエイターズ・ファイル」。このドラマは、これまで秋山さんが演じてきたさまざまなクリエーターが登場し、孤島のホテルで発生した殺人事件の容疑者となるミステリーだ。

 嵐の夜、孤島のホテルで客の本庄一朗(滝藤賢一さん)が殺された。容疑者は、オペラ歌手・冴島響一郎、トータル・ファッション・アドバイザー・YOKO FUCHIGAMI(すべて秋山さん)ら停電の間に出入りした10人の宿泊客。かつて連続殺人事件を追うも迷宮入りしてしまった苦い経験を持つ刑事の桐島さなえ(仲里依紗さん)と部下の取手健(満島真之介さん)は、ホテル従業員でさなえの従姉の桐島ケイ(堀内敬子さん)とともに捜査を進めるが、全員にアリバイがあった。さらにホテルのオーナー大城武史(山内圭哉さん)にも疑惑の目が向けられる……。

 「いちばんのおしゃれは裸」が決めぜりふのYOKO FUCHIGAMIをはじめ、秋山さんが演じるクリエーターが多数登場するということで、コメディーのような気持ちで見始めたのだが、ふたを開けてみると意外?にもちゃんとした本格ミステリーだった。とはいえ秋山さんが演じているクリエーターたちは、やはりしぐさやせりふが個性的でついつい笑ってしまう。

 仲さんをはじめとした秋山さん以外のキャストも実力派ぞろいで、そんな実力派たちがコントのテンションではなく、あくまでもドラマとして大まじめに演じているからこそのおかしさ、面白さがあるのもポイント。見る方としてもどういうテンションで見ればいいのかちょっと迷ったりもしたが、ドラマとしてよくできているのは間違いのないところだ。

 「クリエイターズ・ファイル」がなければ生まれなかった企画だろうし、そういった意味で唯一無二のドラマ。登場人物の半数以上が秋山さんというシチュエーションは面白さと同時に、ホラー作品のような何ともいえない怖さも感じる。いろいろな受け取り方ができる意欲作だ。26日午後11時半から放送。

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