2024年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「虎に翼」のスピンオフドラマ「山田轟法律事務所」が、3月20日午後9時半から総合で放送される。放送に先がけ、脚本を担当する吉田恵里香さんが、スピンオフで描きたかったこと、脚本に込めた思いを語った。
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「虎に翼」は、日本初の女性弁護士で、後に裁判官を務めた三淵嘉子さん(1914~84年)をモデルとしたオリジナルストーリーで、伊藤沙莉さんがヒロインの猪爪寅子を演じた。「山田轟法律事務所」は、寅子の親友・山田よね(土居さん)と轟太一(戸塚純貴さん)による山田轟法律事務所の設立の知られざるエピソードが描かれる。よねと轟のバックストーリーをふんだんに盛り込み、弁護士の視点から「虎に翼」の世界を描く。
スピンオフの制作が決まったのは2025年の初頭だったという。吉田さんは「スピンオフが作られるということは、その作品自体が応援されたり、誰かに支持を得ていないと無理だと思うので、本編が終わって1年半ぐらいたつのに、ずっと応援してくれている方々のおかげだなあと感謝しかないです。作品と誠実に向き合っていたら、こんなにうれしいことが起こるんだな、自分の作家としての姿勢が間違っていなかったなというのを、強く感じました」と振り返る。
スピンオフの主人公によねを選んだ理由については、「『虎に翼』は、どの登場人物もスピンオフを書きたいつもりで作ったので、どのキャラクターでも書けたと思いますが、その中でも寅子とある意味で対となる登場人物は、よねと花江(森田望智さん)でした。『虎に翼』はリーガルエンターテインメントですので、その魅力がより強く出るのは、よねかなと思いました」と説明する。
「あとは、よねと轟の活躍を、私自身も見たかったというのもあります。よねと轟は本編でも比較的描かれている人物ではありますが、寅子が知らない、イコール視聴者が知らないところを書くことに意味があるなと。戦後直後、混乱の最中の2人がタッグを組むに至るまでに、実はよねが手を差し伸べる前にはこういうことが起きていたんだよ、ということを書きたかったんです」
本作は72分のスペシャルドラマという形式で制作され、戦後に“パンパン”と呼ばれた女性たちや部落差別など、重いテーマとも真正面から向き合っている。
「長い尺でお話を見せるというのは『虎に翼』ではなかったことなので、いい経験ができたなと。例えば、15分×5本だったとすると、もっとポジティブな、ポップなところから描いていたと思うんです。そうすると、その部分で描けなかったことがたくさんあった気がして。本編で取りこぼしてしまった部分を書きたいという気持ちが強かったので、この長尺でよかったなと思っています」
本編では、ストーリーの構成上、寅子の人生では描けなかったエピソードもたくさんあったという。吉田さんは「そこをきちんと描きたいという思いがありました。憲法14条を掲げている作品なので、生活のために体を売る女性たちなど、取りこぼしていたものをどれだけスピンオフに入れられるかというのは自分に課した課題でした」と明かす。
「よねから見た憲法14条の話にしなきゃいけないとも思いました。寅子は大好きですが、恵まれている“ドマジョリティー”の人間なので、そこからは見えないものもあるでしょうし、やっぱり憲法14条の重みが違うだろうなと思ったので。だから、そこはよねに思いをはせて書きました」
センシティブなテーマを取り扱う上で、当時の文化や情勢について徹底的に調べたという。
「当時のいわゆるパンパンと呼ばれていた女性たちを描くときに、強く世の中を生きたかっこいい女性とか、すごくポジティブにコーティングして、苦い部分を見せない描き方がすごく多いなと思っていて。いわゆるセックスワーカーの方とか性にまつわることが軽くなっていってしまうことに、自分は手を貸したくないというか……。そういう意味で誠実でいたかったので、いろいろと調べました」
吉田さんはスピンオフに次いで「虎に翼」が映画化されることにも触れ、「悲しいですが、社会があまり平和じゃないというか、平等とかけ離れているからこそ、たくさん応援してもらえて、映画化に至ったのかなと思っています。そういう意味で言うと、被差別部落の方のエピソードは、どうしてもスピンオフに入れたかったんです」と明かす。
「憲法14条に支えられ、それによって権利を得てきた背景がある方々だと思っているので、どうしても書きたいという気持ちがありました。とは言え、終わっていない話というか、現在でも続いていることなので、その描き方がすごく難しくて。専門家の方にお知恵をいただいて、相談して作ったところはあります。『虎に翼』でなければ書けない、少なくとも私だけの力で書いても、企画が通らなかったと思います。ですので、どう描くかはチームみんなですごく悩んだ部分でしたが、それをノーと言わない『虎に翼』チームが私は好きです」
最後に、「もちろん面白く楽しんでもらうことが大前提ではありますが、エンタメの力を私は信じて日々書いているので、今しんどい思いをしている人に寄り添えたり、何か声を上げたりする力になれたらいいなと思っています」と思いを語る。
「スピンオフも少し先ですし、映画はもっと先ですが、それまで健康でなるべく心削らずに、声を上げられる時は上げ合っていけたらいいなと思っています。放送を楽しみに待っていてもらえたらうれしいです」と視聴者にメッセージを送った。
高石あかりさん主演のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ばけばけ」(総合、月~土曜午前8時ほか)は、第21週「カク、ノ、ヒト。」を放送。2月24日の第102回では……。
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