元SMAPの3人が出演する四つの短編によるオムニバス構成の映画「クソ野郎と美しき世界」(4月6日公開)で、草なぎ剛さんが出演し「爆笑問題」の太田光さんが監督するエピソード「光へ、航る」が14日にクランクインし、撮影の模様がマスコミに公開された。草なぎさんは「愛すべき仲間たちと映画を作れるので本当に楽しい。タイトル通り、いろいろはちゃめちゃですけど、最後はいいもの、温かいものを持って帰ってもらえるような映画だと思います」と笑顔を見せ、「フルスロットルで駆け抜けて最高の作品を作りますので期待していてください!」とメッセージを送った。
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埼玉県内で行われた撮影では、草なぎさん演じるオサムと女優の尾野真千子さん演じる妻の夫婦による終盤のシーンや、息子・航(ささきゆうたさん)と妻がキャッチボールするシーンを収録。大きな声を張り上げてキャッチボールをする尾野さんは、実は「初めて」と本人が言うように野球経験がなかったが、監督&脚本を担当した太田さんも「練習でも最初からきれいに投げられて、本当にやったことないんですかというぐらい。びっくりした。勘がいいんですね」と絶賛した。
撮影の合間に草なぎさん、尾野さん、太田さんが取材に応じた。クランクインした心境を、太田さんは「ほとんど撮り終えた気分です(笑い)。重要なシーンは全部終わったので、あとはもう成功を確信しています」とジョークを交えて切り出し、「天気にも恵まれて、日本の映画史上に残る名シーンが早くも一発目で撮れちゃったので、もう自分はいなくてもいいんじゃないかな、と。全米が泣くと思います」と笑いを誘うほど、手応えを感じている様子だった。
聞いていた草なぎさんも、「尾野真千子ちゃんという可愛い少女、現実に天使が舞い降りたぜみたいに、きらびやかな日光を浴びた(髪の)キューティクルがとてもすてきだなと」とちゃめっ気たっぷりに話し、「先ほど撮ったシーンは本当、映画を見たときに、『なるほど。さすが太田監督は天才だな』って言わしめるシーンになっているんじゃないかなと思います。全米も泣きます(笑い)。最高でした」と絶賛する。
太田監督の印象について、草なぎさんが「僕らも歌を書いてもらったり、(太田さんは)本も書いていたりして、芸術的なセンスは抜群な方で、優しい方だなと思っていますが、その裏返しだったりするところがある」と切り出し、「バラエティーでは接していますが、監督しての太田さんは初めて。リハーサルから監督の顔になっていると感じたので、すごく楽しみです」と期待をにじませる。
しかし、「撮りたい画(え)も、(太田さんが)自分でめちゃくちゃへたくそなコンテを描いていて、僕が見た中では監督史上、一番へたくそなコンテを描かれる監督(笑い)」と暴露するも、「ほとんど棒と丸で描いてあるコンテなんですけど、それはそれで味わい深いものがあり、ちょっと予想がつかないところもありつつ、監督の顔をしている太田さんだったりとかするので、興味が尽きないです」とフォローも忘れない。
笑いながら「へただった」とうなずいた尾野さんは、「ストレートに芝居のことを話してくれて、自分の考えというものを伝えてくれるので、芝居としてもどういうことをやりたいというのがすごくよく分かり、やっていても楽しい」とたたえ、「(本業の)映画監督という人たちとはまた違った世界観をお持ちだと感じたので、それは自分の中にちゃんと取り入れていきたいなと思いました」と刺激を受けていることを明かす。
「うれしいですね」と照れくさそうにする太田さんは、「僕はいつも(相方の)田中(裕二さん)としかやっていなくて、コントをやるとき田中は何もできない。尾野さんは打てば響くというか、言う前から予想以上のことをやってくれるので、やっぱり女優さんってすごいと改めて感心しています」と尾野さんの印象を語る。
草なぎさんについては、「剛くんはSMAPのころから、よく知っているというか。あっSMAPって言っていいのかな(笑い)。さっき少し撮っただけで、こういっては失礼だけど、剛くんの表情がすごく大人になったんだな、カッコいいなっていう」としみじみと振り返り、「尾野さんは尾野さんで子役とのシーンを上手にリードするし、剛くんは剛くんで尾野さんをうまく少女に戻してくれる。自分が演出するとかいうレベルじゃないんだなと思いました」と感心する。
映画「クソ野郎と美しき世界」には、稲垣吾郎さん、香取慎吾さんが出演するエピソードもあり、草なぎさんは「もともと始まりが3人で『映画やりたいな』って話していたので、いい意味で刺激し合って、(稲垣さんと香取さんの)2人に負けないというか、2人もそう思っていると思う」と明かし、「今まであまり見たことがないような、いろんなエンターテインメント性が含まれている作品になるんじゃないかなって思うし、本当に映画好きの方が集まって作っている映画だな、と」と充実感をにじませる。
今後も関東近郊で撮影が続くが、「吾郎さんと慎吾ちゃんの作品も気になるし、最後またエピソード4で話がつながっていくというのも素晴らしい。いい仲間と一緒に作っている映画という感覚なので、出来上がりがそれぞれ楽しみです」と話すと、太田さんも「見終わった後、すがすがしい感じになると思う。さっき撮っていたのは終盤の方のシーンですが、自分の中では映画を見終わった感じ、名画を見たなという感じなので、期待できるというか、これから撮るシーンもこの感じでうまくいくという手応えがある。私にとって“過去最高の自信作”です(笑い)」と独特の表現で自信をのぞかせた。
映画は、稲垣さん出演の「ピアニストを撃つな!」(園子温監督&脚本)、香取さん出演の「慎吾ちゃんと歌喰いの巻」(山内ケンジ監督&脚本)、草なぎさん出演の「光へ、航る」(太田光監督&脚本)、「新しい詩(うた)」(児玉裕一監督&脚本)の四つのエピソードで構成。浅野忠信さん、満島真之介さん、馬場ふみかさんらも出演する。
(取材・文・撮影:遠藤政樹)
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