スタジオポノック:8月に3編の短編アニメを劇場公開 「メアリと魔女の花」の米林監督らが参加

劇場版アニメ「ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-」(C)2018 STUDIO PONOC
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劇場版アニメ「ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-」(C)2018 STUDIO PONOC

 劇場版アニメ「メアリと魔女の花」(米林宏昌監督)のスタジオポノックが、「ポノック短編劇場」と冠して3作の短編劇場版アニメ「ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-」を8月24日に公開することが27日、明らかになった。同日、東京都内で開かれた会見で同社の西村義明プロデューサーが明かした。

ウナギノボリ

 3編は「カニーニとカニーノ」(米林監督、15分)、「サムライエッグ」(百瀬義行監督、15分)、「透明人間」(山下明彦監督、14分)となり、オープニング&クロージング(5分)の映像と合わせて公開される、声優はオダギリジョーさん、尾野真千子さん、田中泯さんが務める。音楽は中田ヤスタカさんと村松崇継さんが担当する。

 西村プロデューサーは、「(スタジオジブリの)高畑勲と宮崎駿がアニメーションの豊かさを信じて作ってきたように僕らも信じてやっていかなくては」と新たな決意を語った。今回短編にしたのは「何も恐れずに作ろう、と。短編だから描ける内容を作ったときに価値のある映像ができるのではないかと思った」と理由を説明している。

 先日、宮崎監督が短編「毛虫のボロ」を発表したが、西村プロデューサーは宮崎監督について、「僕らが短編を作っていることは知っているけれど、それについて何か言われたことはない。『毛虫のボロ』は傑作に決まっている。短編作るのに一番影響を与えてくれたのは高畑勲。宮崎さんの『アニメーションはもっと豊かなもの。作り手のくだらない意見を表明するだけの道具にしてはいけないんだ』という言葉にも影響を受けた」と語った。

 今後、スタジオポノックは2年に1作をめどに長編、その合間に短編の公開を目指すという。東宝の市川南常務は「8月の公開になったのは西村さんの要望で、ファミリーのお客様に見てもらう作品にしたいということ。東宝配給で短編の公開は初めてでは。料金は検討中だが通常よりは安くなることは間違いない」と話した。

 スタジオポノックはスタジオジブリの制作部解体により退社した西村プロデューサーが同じく元スタジオジブリの「借りぐらしのアリエッティ」などで知られる米林監督らと15年に設立したアニメ制作会社。17年に公開した「メアリと魔女の花」は、米林監督が同社で初めて手掛けた長編劇場版。英国の女流作家メアリー・スチュアートさんが1971年に出版した児童文学「The Little Broomstick」が原作で、背が低く、クセ毛に赤毛にそばかすの平凡な11歳の少女メアリが、ひょんなことから奇想天外な大冒険に巻き込まれ、勇気を持って前に進む姿が描かれた。杉咲花さんが主人公・メアリの声を担当し、神木隆之介さん、天海祐希さん、小日向文世さん、満島ひかりさんらが声優として出演。最終的な興行収入は32億8000万円。

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