レベルファイブ日野晃博:ヒットメーカーの極意は…自信の新作アニメ「見た人が元気になるように」

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レベルファイブの社長・日野晃博さん

 「妖怪ウォッチ」や「イナズマイレブン」「スナックワールド」など、アニメとゲームを展開して次々とヒット作を生み出すレベルファイブ(福岡市中央区)の社長・日野晃博さん。日野さんが原案・シリーズ構成を担当したテレビアニメ「レイトンミステリー探偵社~カトリーのナゾトキファイル」(フジテレビ系、毎週日曜午前8時半)が、8日から放送される。「癒やされるアニメ。手応えも感じている」と自信を見せる日野さんに、アニメの見どころ、コンテンツ作りに対する思いを聞いた。

 ◇アニメの特性に合わせてヒロインの性格“修正”

 「レイトン」シリーズは、世界の累計出荷本数が1700万本以上の人気アドベンチャーゲーム。シルクハットの英国紳士・レイトン教授が数々の難事件に挑む。今作は、ゲームのシリーズ最新作「レイトン ミステリージャーニー カトリーエイルと大富豪の陰謀」が原作。教授の娘カトリーが、しゃべる犬・シャーロ、助手のノアと共に、姿を消した父を捜す目的でレイトン探偵社の仕事を始める……というストーリーだ。

 アニメについて日野さんは「ファミリーでも見ることができる作品です。見ていて癒やされる作品ですし、手応えも感じている。本当に良いものになったと思っています。見た人が元気になるような作品です」と自信を見せる。

 アニメの特徴は、原作ゲームにとらわれなかったことだ。日野さんは「ゲームのシナリオをそのままアニメにするのは『ない』と思いました。面白くするためのアレンジをかけ、視聴者への情報の与え方を考え抜き、アニメに合わせた引きの強い脚本を作っています」と明かした。

 カトリーのキャラクターも工夫した。日野さんは「カトリーが“不思議ちゃん”なのは変わらずですが、ゲームよりアクティブで、周囲をぐいぐい引っ張っていく」と説明する。変更の狙いについて「原作ゲームは(大人の)女性に人気があるのですが、アニメの放送する曜日と時間帯を考えると、子供たち、女の子に共感してもらう必要があると考えたからです」と力を込める。

 原作ゲームでは、カトリーは女優の有村架純さんが演じていたが、アニメでは花澤香菜さんに変わった。狙いについて日野さんは「テレビアニメは毎週30分の作品を作るわけで、スケジュールなどを考え、かつアニメの世界として作り上げてバランスを取ることを考えた。(ゲームと)違和感のないようにしています」と話す。

 ◇子供の支持得る極意は…

 日野さんは、アニメやゲームをクロスメディア展開し、次々とヒット作を生み出す、日本トップクラスの腕利きのクリエーター。それだけに多忙だ。休む暇もないのではと尋ねると「時間はいっぱいいっぱいなのは事実。午前4時まで(シナリオを)書いて、午前8時から会議があったりします」と笑う。それでも「僕を支えてくれるスタッフがいて、いろいろなパートで補ってくれるから、クリエーティブを貫けていると思います」と話す。

 クリエーティブな職業には、作品を生み出すアウトプットだけでなく、知識を取り込むインプットは不可欠だ。インプットの方法について日野さんは「あえて言えば、寝付けないときに(インターネット動画配信の)HuluやNetflixを見ています。努力しているのでなく、自分が見たいからなんですが。それで最新のクリエーティブ動向は感じ取れるんじゃないかな」と話す。

 「妖怪ウォッチ」など、子供から支持を得る極意を聞くと、「その質問は本当に良く聞かれるんです。自分の心の中に小学5年生がいるんだ、と言っています」と苦笑いし、「一つ言えるのは、自分が楽しめるものにしていること。『子供が好きそう』という理由で、自分が理解できない世界を作ってはいません」と明かす。アイデアもためるのではなく、毎回必死にしぼり出すようにしているという。

 大事にしていることは「モチベーションです。スタッフのモチベーションも大事ですが、何より自分のやる気が起きないといけない。めいっぱい作って好きなことをやることですね」と話している。

 ◇映画監督は「全力で止められた」

 アニメやゲームでヒットを連発した日野さんに、映画やドラマに進出する考えはないのだろうか。日野さんは「実写映画の脚本を手掛けたとき、『監督をやったら?』と言われたことがあるんですが、(会社の)スタッフから全力で止められました。確かに、監督は僕でなくてもできますが、クロスメディアをまとめて、企画を通すことは僕にしかできないし、監督をやるよりも収益を上げられるのも確か。実は、脚本を書いて満足感を得られているのもあります」と打ち明ける。それでも「映画も興味はありますよね。ただレベルファイブの層が今まで以上に厚くなれば……」と話した。日野さんの監督デビューは、しばらく後の話になりそうだ。

 ドラマについては「アニメもドラマと同じ感覚で見ています、どちらもお話を提示する手段の一つで、アニメだと何でもできますよね。ファンタジーが描きやすく、さらに言えば、やる以上は、夢のあることをやるべきとも思っています」と語り、「だから実写のドラマは興味が湧かないこともあります。ただし『世にも奇妙な物語』は、やってみたいかも」といたずらっぽく笑っていた。

 最後に「コンテンツ作りとは何か?」と聞くと、日野さんは「ライフワークですね。趣味と実益を兼ねてないと、午前4時まで(仕事は)できないですよね。何か人の心を動かすことに関わっているのが幸せなんでしょうね」と語った。さらに「僕は、自分が(アイデアを出して)考えることはすごいと思っていない。あるとするなら、僕の言ったことを実現してくれる仲間がいることでしょうか」と周囲への感謝を示していた。

 ◇

 ひの・あきひろ コンピューターの専門学校を卒業し、地元福岡のゲーム会社でのメインプログラマー、ディレクターを経て、1998年にレベルファイブを設立。人気ゲーム「ドラゴンクエスト8」の開発を手掛けて、知られるようになった。代表作は「レイトン教授」シリーズ、「イナズマイレブン」シリーズ、「妖怪ウォッチ」シリーズなど。

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