フリーアナウンサー生島ヒロシさんの次男で俳優兼ダンサーの生島翔さん(32)がハリウッドデビューを果たした。5月1日からNetflix(ネットフリックス)で世界190カ国に配信する米映画「DARC(ダーク)」(ニック・パウエル監督)で準主役の日本人の若い暴力団員役を熱演。翔さんは「撮影から3年たちお蔵入りも懸念されたが、配信されて世界中の多くの人に見てもらえてうれしい。一番大切な作品です」と先日東京都内で開かれた会見で話した。会見には父ヒロシさんも出席。次男にエールを送った。
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「DARC」はアクション俳優トニー・シエナさん主演のクライムアクション。米サンフランシスコを舞台に。日本の暴力団に母親を殺されたインターポール(国際刑事警察機構)捜査官ダークによる復讐(ふくしゅう)のドラマだ。全編アクションシーンが満載で、翔さんはダークをスカウトし、組織への潜入を許す暴力団の三代目カゲヤマ役。米国留学で身につけた流暢(りゅうちょう)な英語や演技力、鍛えあげた肉体で役を演じ切った。日本からはほかに翔さんの父親役で椎名桔平さん、祖父役で渡辺哲さんが出演している。
翔さんは、高校から米国、ドイツに留学。コンテンポラリーダンスや演技を学び、海外の舞台にも立ち、25歳で帰国した。その後は舞台や映画などで活躍中。今作はキャスティングディレクターで演出家の奈良橋陽子さんから声をかけられ、「以前から海外の作品にも関心が高かった」という翔さんが、オーディションを受けてつかみ取った役。2015年に日本やカナダのバンクーバーなどで撮影が行われた。
甘いマスクとは裏腹に、翔さんは作品の中では「女性や子供まで痛めつける極悪非道、卑劣な男の役です」と苦笑い。「『ゴッドファーザー』シリーズやマーティン・スコセッシ監督作品などを片っ端から見て裏社会に生きる男の役作りの参考にし、撮影前には体重を10キロ近く落とした」としてシャープなヤクザ像を作り上げた。撮影中も「アクションシーンなど一つ一つの動作にこだわって丁寧に演じた」と振り返った。
翔さんは、ガス・ヴァン・サント監督の「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」を見て映画俳優に憧れた。現在、目標とする俳優は「真田広之さん」ときっぱり。「知識や経験はもちろん、日本の文化を広げることにも貢献している。米国でもとてもリスペクトされている」と話し、今後努力を重ねて将来の共演を切望している。
翔さんは今後、日本を拠点にしながらも「アジアを含め海外のオーディションにも積極的にチャレンジしていきたい」と抱負を述べた。すでに、中国語の勉強も始めており、国際的な俳優としての地歩を固めつつある。【鈴木隆/毎日新聞】
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