奈緒:「半分、青い。」“菜生ちゃん”の素顔 恩師・野島伸司にもらった自信を胸に…

NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」に菜生役で出演している奈緒さん (C)NHK
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NHKの連続テレビ小説「半分、青い。」に菜生役で出演している奈緒さん (C)NHK

 永野芽郁さん主演のNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「半分、青い。」に、ヒロイン・鈴愛(すずめ)の親友・菜生役で出演している奈緒さん。ドラマには第3週から本格的に登場し、ポニーテールとリボンがトレードマークの心優しい“菜生ちゃん”として、好評を博してきた。連続ドラマ「高校教師」(TBS系、1993年)などで知られる脚本家の野島伸司さんが総合監修を務める俳優養成スクールで「特待生」だったという奈緒さんだが、その“素顔”とは? 女優業への思いや、実は「マンガ家になりたかった」という子供の頃のこと、趣味の絵や今後について語ってもらった。

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 ◇「一から育ててもらいたい」と一念発起し、野島伸司のスクールへ

 奈緒さんは1995年2月10日生まれ、福岡県出身の23歳。「早く働きたかったから」と高校1年生のときに芸能界入り。演技のワークショップへの参加をきっかけに、演じることの楽しさを知り、女優の道へ。「ターニングポイント」となったのは野島さんとの出会いで、ある日、目にした野島さんといしだ壱成さんとの対談記事に共感すると、20歳を超え、女優としてすでにデビューしていたにもかかわらず、「こういうところで一から育ててもらいたい」と一念発起。スクールを受験した。

 スクールでは「特待生」として1年間、演技を学んだ奈緒さん。「恩師」と語る野島さんにもらったもの、それは「自信」だ。「それまでは朝ドラのヒロインオーディションを受けること自体『私なんかが』と、どこか後ろ向きな気持ち、遠慮があったんです。でも、純粋に芝居を楽しめばいいし、その役をやりたいのなら、自信を持ってオーディションを受ければいいって、そういう言葉をかけてもらって、やっていく中で、野島さんに『“華”が出てきた』って言ってもらえて。ものすごく自信をもらいましたし、やりたいと思えることの幅が広がっていったんです」としみじみと思い返す。

 ◇演じる上で大切にしていること 「衣装さんや照明さんが頑張ってくれている中…」

 そんな奈緒さんが、役を演じる上で大切にしてるのは「ウソをつかない」ということ。「ウソをつかないため、しっかりと準備するということは、どの現場に行くときも思っていて。もちろん自分とかけ離れた役をするときもあるので、全部が全部、本当の自分ではいられないんですけど、できるだけ役としてウソをつかず、できる準備はして、現場ではライブ感を楽しむというのを毎回、大事にしたいと思いながらやっています」と誠実さをのぞかせる。

 また奈緒さんにとって、演じることの楽しさは「もの作りの楽しさに似ている」といい、「ヘアメークさんと『こういう役だから、髪形をどうしようか』という類いの話をしている時間、衣装さんや照明さんが頑張ってくれている中で、相手の役者さんと本当にリアルなやりとりができたとき、本当にみんなで作っているって感じがします。昔の図画工作で、みんなで大きな作品を完成させ、『やった! 楽しかった!』という達成感と変わらないですね」と楽しそう話していた。

 ◇小学生で「銀魂」原作者を「尊敬」? 矢本悠馬の似顔絵描きに「ハマっています」

 劇中では、永野さん演じるヒロインの鈴愛が、「マンガ」で意外な才能を発揮していくが、実は奈緒さんも、子供のころにマンガ家を夢見たことがあったという。「この間、実家で小学生のときの文集とかを整理していたんですけど、出てきたのが、自分の将来についてリポートした画用紙で、そこに『マンガ家』って書いてあったんです」と告白。「こと細かくマンガ家の仕事について調べてあったんですが、画用紙の下の方に『私の尊敬する“空知”について』って書いてあって。私『銀魂』が好きで、でも子供だったので(原作者の)空知(英秋)先生のことを呼び捨てにしていましたね」と苦笑いを浮かべる。

 現在も奈緒さんは、絵を描くことを趣味にしており、全国を巡回中の展覧会「第23回 NHKハート展」では「父の思い出」という詩と組み合わせた作品の作画を担当し、その腕前を披露したばかり。「ダリの絵がものすごく好きで、休みの日に図書館に行ってダリの画集を眺めてたりすることもあるんです。時計をモチーフにしていたり、食べ物をモチーフにした絵が好きなんです」といい、「時間があって家にいられるときは、絵をずっと描いているという感じで。単純に好きなだけで、映画も好きなので、その映画を思い出しながら描いている時間がすごく楽しいんです」とほほ笑む。

 「半分、青い。」の現場では、“ブッチャー”こと共演の矢本悠馬さんの似顔絵を描くことに「ハマっている」という奈緒さん。「あんまり描きすぎると気持ち悪いかなって(笑い)、私の中では結構、我慢をしているところがあるんですけど……。でも矢本さんの顔を描くのは楽しいです。本当にハマっています!」と力を込める。

 ◇普段から「ポニーテール多い」 倉科カナに「似ている」の声に… 

 「半分、青い。」に登場してから約4週間が経過し、すっかり朝ドラファンには“ポニーテールの菜生ちゃん”として認知されている奈緒さん。「普段もポニーテールやお団子ヘアが多くて。小さいときの写真を見返してみたらほとんどポニーテールだったので、そのくらい私の中では身近な、当たり前の髪形。今回は、横の髪を垂らす感じとか、最初にヘアメークさんとも話し合って、時代のこととか考えて作ったので、くすぐったい感じもするんですけど、注目されるのはやっぱりうれしいです」と笑う。

 2009年9月から放送された朝ドラ「ウェルかめ」の倉科カナさんをはじめ、池脇千鶴さん、貫地谷しほりさんといった過去の朝ドラヒロインや「高校教師」のころの持田真樹さんに「似ている」と感じる人も多いようだが、奈緒さんは「最初はそれでいいのかなって悩むこともあったんですが、今は誰かに『似ている』と見てくださる方たちが、私の名前を覚えてくれるのはうれしいことなので、自然と『奈緒』『奈緒ちゃん』って認識していってもらえたら」とあくまで前向きだ。

 ◇今後の菜生ちゃんの見どころ ポニーテールじゃなくなる? 恋愛も!

 ドラマは、9日放送の第33回でヒロインの鈴愛の旅立ちが描かれ、主な舞台は東京へ。「もう菜生ちゃんは出てこないの?」と心配するファンも少なくないようだが、今後の菜生ちゃんの見どころについて聞くと、「髪形が結構、変わるんですよ」と明かし、「『ポニーテールじゃなくなっちゃうんだ』って思う方もいらっしゃるかもしれないんですけど(笑い)、時代によって変わっていく、菜生の髪形や格好、あとは恋愛だったりに注目してほしいです」とアピールしていた。

 「半分、青い。」は、大ヒットドラマ「ロングバケーション」(フジテレビ系、1996年)などで知られ、“恋愛ドラマの神様”の異名も持つ北川悦吏子さんのオリジナル作品。1971年に岐阜県で生まれ、病気で左耳を失聴したヒロイン・鈴愛が、高度成長期の終わりから現代までを七転び八起きで駆け抜け、一大発明を成し遂げるまでの物語。

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