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島本理生さん:デビュー18年目で直木賞受賞 「正直ほっとした」 受賞の一報受けて“ガッツポーズ”も…

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「ファーストラヴ」(文藝春秋)が第159回直木三十五賞を受賞した島本理生さん

 第159回直木三十五賞(以下、直木賞)が18日発表され、島本理生(りお)さんの「ファーストラヴ」(文藝春秋)が受賞した。同日、東京都内で行われた記者会見で、デビュー18年目となる島本さんは「折に触れて待った18年だったので、ほっとしたというのが正直なところ」と感慨深げだった。会見の主な一問一答は次の通り。

 ――今の気持ちは?

 正直ほっとしました。デビュー18年目で、芥川賞候補4回の直木賞候補2回。18年間、折に触れて待った18年だったので、ほっとしたというのが正直なところです。

 ――受賞が決まって、友人や家族からはどんな声をかけられましたか。

 夫(作家の佐藤友哉さん)や、昔からの学生時代の友人から「おめでとう」と。バタバタしてまだ返事はしてないけど、みんな喜んでくれたのがうれしいです。

 ――小学生のお子さんもいらっしゃるが、忙しい子育ての合間をぬって、どんなときに執筆活動をしていますか。

 執筆を精力的に続けられるのは夫のお陰。夫がご飯を作ってくれたり、留守の間、息子の面倒をみてくれたり。育児に協力してくれているお陰だと思います。(夫が作る料理で一番好きなものは?)カレーですかね。

 ――執筆活動の中で、子供の存在は。

 子供が生まれてから、視野が広くなったと思います。それまではどこか自分一人のために書いているところがあったけど、より家族を支える、といったら大きすぎるけど、そういうことも意識するようになりました。

 ――18年やってきて自信は。

 書き続けている中で、こういった題材で書けるかもしれない、と少しずつ手応えを感じるようになってきた。あとは、今回は担当の方が取材から最終的な内容の詰めまで、丁寧に見てくださって。ときには議論を重ねたり、地方の裁判所に連日、朝から一緒に通ったり……。この小説と向き合ってくださったので、その中で自分が成長できたと思います。

 ――直木賞を射止め、今後の作家活動や書くものについてどう考えていますか。

 受賞が決まったばかりなので見えてない部分もありますが、書いてきたテーマをよりさらに突き詰めて深みを増していけたらいいなと思います。

 ――直木賞と芥川賞の違いは考えずに書いていく?

 私の小説が好きで手に取ってくださる読者の方々と向き合いながら、自分が書きたいものを書く、というふうに向かっていこうかなと思います。

 ――デビューのころの自分に、なんと声をかけてあげたいですか。

 最初に直木賞候補になったころのことを思い出していました。「アンダスタンド・メイビー」という小説が初めて直木賞候補になって、受賞に至らず……今だから言えるんですけど、3年ぐらい夢に見ましたね。なので、思春期の少女に対する性暴力や虐待というテーマで、もう一度広く読んでもらえるチャンスを得たいという気持ちが強かったので、そういう点でも、今回この小説で受賞できてよかったなと思います。

 ――18年を振り返っていかがですか。

 作家としての課題も、これから書きたいテーマも膨らんでいるので、まだまだこれからだな、と思います。

 ――初期には「ナラタージュ」があり、昔からの読者にはそのイメージ強いと思います。でも今回は、登場する男女関係が恋愛かというと、そうでもない。
 
 自分が書きたいものと恋愛を組み合わせると、どうも危ういものになりがちだな、というのが長く書いた実感であったので、今回は恋愛は切り離そうと。むしろ恋愛だと思っていたらまったく違った危ういものだった、というものがこの世にはたくさんある。なので今回は恋愛ではないものと決めていました。

 ――受賞は、夫(佐藤さん)には伝えていますか。

 すぐに電話で連絡しました。(佐藤さんの言葉は)「おめでとう」と言ったあと、子供に「ママ一等賞になったよ」と(笑い)。(そのあとは)「飲み歩いてきてもいいからね」と言われました(笑い)。

 ――今回直木賞で受賞したことへの思い、芥川賞ではなかったことへの思いは?

 それより、自分が納得できる小説で受賞できたのが大きいかなと思います。結果的にこういう執筆の形が合っていたのかなと。この小説でよかったな、というのが一番ですね。
 
――最後にメッセージがあれば。

 受賞のお電話をいただいたときに、(芥川賞を受賞した高橋弘希さんとは違って)私はガッツポーズをしました(笑い)。

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