15日に東京都渋谷区の自宅で死去した女優の樹木希林さん(本名・内田啓子)さん(享年75)の告別式が30日、光林寺(東京都港区)で営まれた。車椅子で喪主を務めた夫でロック歌手の内田裕也さん、女優でエッセイストの長女・内田也哉子さんと娘婿で俳優の本木雅弘さんら家族のほか、生前に深い親交があった女優の岸本加世子さん、浅田美代子さん、映画やテレビ番組、CMなどで共演した中居正広さん、宮沢りえさん、永瀬正敏さん、リリー・フランキーさんらが参列した。
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祭壇は、樹木さんが好きだったという菊の花を中心に、コチョウラン、かすみ草を約1200本使って波の形を模したという。遺影は、出演映画のPRで雑誌の取材を受けた際の写真が使用された。戒名は「希鏡啓心大姉(ききょうけいしんだいし)」で、「希」は樹木さんの名前と、不世出の個性派女優として「まれ」な存在であったことから。「鏡」は、樹木さんが生前、「役者は人の心を映す鏡」と口癖のように話していたことから、「啓」は本名からそれぞれ取ったという。本木さんと也哉子さん夫妻が相談して決めた。
弔辞は、映画「万引き家族」「海街diary」などの是枝裕和監督の手紙を樹木さんとは文学座付属演劇研究所の同期だった俳優の橋爪功さん、オノ・ヨーコさんのメッセージを女優の安藤サクラさんが代読した。また、喪主の裕也さんに代わり、娘の也哉子さんが弔辞を読んだ。告別式の終盤では、樹木さんが自宅でよく聴いていたという「モルダウ」や「ボレロ」、裕也さんの楽曲「朝日のあたる家」が流れた。告別式には、関係者約500人、報道陣約100人、一般参列者約1000人が参列した。
樹木さんは東京都出身。1964年、悠木千帆の芸名でドラマに出演。73年に裕也さんと結婚。77年に樹木希林に改名した。ドラマ「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」「ムー」「ムー一族」などに出演。郷ひろみさんとデュエットした劇中歌「お化けのロック」「林檎(りんご)殺人事件」もヒットした。映画は「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」(07年)、「歩いても 歩いても」(08年)、「わが母の記」(12年)など出演作は多数。今年、カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを受賞した是枝裕和監督の「万引き家族」に祖母役で出演していた。