27日公開の日米合作映画「殺る女」(宮野ケイジ監督)に主演した女優の知英さん。笑顔を封印し、幼い頃に家族の命を奪われた殺し屋・愛子を演じた。日米合作ということで、幅広い国籍の出演者がそろう特殊な現場での撮影、寡黙な役柄の苦労や映画の魅力について聞いた。
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愛子は、両親を殺した男の腕にあったサソリのタトゥーを手がかりに男を捜していた。孤児院育ちの看護師・加賀由乃(武田梨奈さん)は勤務先の医師に思いを寄せているが、心には深い闇を抱えていた。由乃の兄で元暴力団員の俊介(駿河太郎さん)は闇社会から足を洗い、堅実に生きていたが、かつての仲間にはめられ追い詰められる。やがて、バラバラだった3人の人生が重なっていく……というストーリー。
――日米合作の映画へ出演依頼された時のお気持ちをお聞かせください。
せりふに英語が入っているのもこの映画が初めてですが、共演者も、日本の方だけじゃなくて、フィリピンの方だったり、いろんな国の方が参加すると聞きました。初めてだったので、どんな作品になるんだろう、と気になりました。
――脚本を読んだ時の印象は?
愛子は小さい頃、親がああなって(殺されて)、(心に)痛みがあって、試練のある大変な人生を送っている子供が大きくなって、その子を私が演じる。殺し屋ということで、あんまりせりふがない役だったので、それ(愛子の過去)をちゃんと表現できるか、不安がありました。
――役作りで苦労したことは?
殺し屋の役は、実は前にも演じたことがあるんですが、今回はしゃべらない役だったので、どう表現すればいいのかなと思いました。私が演技するのももちろんですが、宮野監督の演出が全てだったと思います。愛子がどんな人だということは、宮野監督からしっかりと説明があって、その愛子を演じました。
――宮野監督から、特徴的な演出はありましたか?
共演者と一緒になることがなくて、ほとんど一人での芝居が多かったんですが、愛子が鳥を飼っていたという設定があって、「それには何かの意味があるのかな」と思いました。愛子はあんまりしゃべらないですが、鳥を飼うことで、少し頼っていた(心の支えにしていた)んじゃないかな、と私は思うんです。
――今回の現場でのエピソードをお聞かせください。
うーん、そうですね。私、あんまり現場では(共演者と)しゃべっていなくて。でも、話すときは、通訳は必ず必要だった。英語でしゃべって、それを日本語で返して、とか、そのやりとりが面白かったですね。(役柄上話せなかった?)それもあったかもしれないですけれど、そうですね。それがやっぱり大きかったですね。
――今作で一番好きなシーンは?
愛子が大きな銃をずっと構えていて、相手を狙う、失敗がない仕事のシーン。これまでの作品でも銃を持ったことがあるんですが、今回は、スナイパーなので、立ち回りではなくて、(銃でターゲットを)一発で失敗なく仕留めるのがすごく好きでした。
――愛子はミスをしないスナイパーですが、知英さんがミスしない得意なことは?
ミスしないようでいっぱいしているので(笑い)。何だろう? 得意なことは、車の運転が好きです。日本ではしないですが、韓国に帰るとドライブします。
――ファンへメッセージをお願いします。
今回の映画で、初めてこういう「強い女」を演じます。せりふもあんまりないですけれど、愛子がどのように成長していくか、愛子の悲しみをこの映画で見てもらえたらいいかなと思います。アクションシーンを楽しみにしてください。
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