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向井理:「芝居に生きざまが見える人に」 10年後の理想像を語る

テレビ
WOWOWの「連続ドラマW パンドラIV AI戦争」で主演を務める向井理さん

 俳優の向井理さんが主演を務めるWOWOWの連続ドラマW「パンドラ」オリジナルシリーズの最新作「連続ドラマW パンドラIV AI戦争」が11日にスタートする。今回演じた医療用AIの開発者・鈴木哲郎や、視聴者から「怪演」という声も上がったドラマ「きみが心に棲(す)みついた」の星名、放送中の「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」のエリート弁護士・海崎など、さまざまな作品で存在感を見せる向井さん。「芝居に生きざまが見える人になりたい」と理想を語る向井さんに、ドラマの見どころや役作り、10年後について聞いた。

 ◇医療用AIは現在進行形の話 「より丁寧にデリケートにやらなければ」

 「パンドラ」オリジナルシリーズは、革命的な発明により“パンドラの箱”を開いた人々の運命を描く社会派ドラマ。2008年に放送された1作目「パンドラ」ではがんの特効薬をテーマにし、三上博史さんが主演を務めた。その後、佐藤浩市さん主演の「パンドラII 飢餓列島」(10年放送)では遺伝子組み換え食品、江口洋介さん主演の「パンドラIII 革命前夜」(11年放送)では自殺防止治療法、堺雅人さん主演の「ドラマWスペシャル『パンドラ~永遠の命~』」(14年放送)ではクローン人間と、挑戦的なテーマを描いてきた。

 シリーズ10周年を迎えた今作のテーマは「AI」。向井さん演じる鈴木が開発した医療用AIを使って、実際に患者の診断が行われている世界が舞台となる。向井さんは「パンドラという影響力のあるシリーズに参加させていただけることはすごくありがたい」と話し、今作について「これまでと同じように、科学技術の未来に対して人間がどう向き合うかという問題を提起している作品ではありますが、AI医療は実際、すでに行われていること。現在進行形の話でもあるので、より丁寧にデリケートにやっていかなければいけない」と語る。

 ◇冷静さの裏に熱い情熱を秘める鈴木「共感できる」

 主人公の鈴木は、AIの正確な診断能力を使い、医療ミスをなくしたいという理想を持っているが、仕事に没頭するあまり周囲には無愛想で「鈴木先生自身がAIみたい」とも言われるキャラクターだ。向井さんはそんな鈴木を「冷静な青い色が似合うような、でも心の中ではすごく熱いものを持っている人」と表現する。

 「パンドラ」オリジナルシリーズは、ドラマ「白い巨塔」「昼顔~平日午後3時の恋人たち」などの井上由美子さんが脚本を担当している。向井さんは、井上さんについて「当て書きする方なので、前に一度お仕事をして食事をご一緒したりして、そういうやりとりから鈴木というキャラクターを作られたのだと思う」と分析する。

 「僕も普段は熱く語るタイプではないというか、情熱的に表現するタイプではないので、そこは(鈴木と)似ているなと思います。ただ、冷静だから冷めているわけではもちろんないと思いますし、鈴木のようにあまり感情は表に出さなくても、ものすごく努力していたり、ものすごく情熱を持って医療従事者として仕事をしている姿勢はすごく共感できます」と語る。

 ◇「ハッピーエンドでは終わらない」 現実を突きつけるドラマ

 「パンドラIV AI戦争」はタイトルの通り、AI医療がメインテーマだが、向井さんは「引いた目で見ると、新しい未知の技術が人間にもたらす影響や、それが果たして『人間にとって有益なものかどうか』を問いかけるドラマだと思う。『便利なこと=幸せ』ではないというのが大きいテーマ」と語る。

 「AI医療の神秘が人間にどれだけの幸せをもたらしてくれるのか、それと同時にどれだけの人を不幸にするのかもはらんでいる問題。だからこそ、ハッピーエンドでは絶対に終わらない、現実を突きつけるドラマになっている。僕もハッピーエンドは望んでいないですし、どういう結果になろうとも受け入れます。見終わった後に『考えなきゃいけない』と思えるようなドラマになればいいなと思います」と語る。

 ◇理想は「芝居に生きざまが見える俳優」

 作品について語る向井さんは、落ちついた口調ではあるが、そこに作品や自身が演じる役に対する真摯(しんし)でストイックな姿勢がかいま見える。現在36歳の向井さんに「10年後の自分」を想像してもらうと、「芝居に生きざまが見える人になりたい」という言葉が返ってきた。

 ドラマで共演している俳優の渡部篤郎さんの名前を挙げ、「渡部さんを見ていると、お芝居に生きざまがやっぱり出るんだなと思うんです。それは、うまいとか下手ではなくて、男としての色気というか、人間臭さみたいなもの。それを演じるキャラクターによって出したり、出さないようにできることが理想」と思いを明かす。

 向井さんは、渡部さんをはじめ、これまで共演してきた先輩たちについて「それぞれ違う生き方ですが、人間臭い部分がどこかにある」といい、「今の時代にはなかなかできない経験もされてきたと思うんです。テレビや映画の環境も今とは全然違う。コンプライアンスみたいなものが厳しくなかった時代に、表現として今よりも自由だったと思う」と語る。続けて、「渡部さんにも『君たちは本当に不自由だな』とよく言われますけど、それぐらい時代も変わってきている。ただ、その中で僕らにしか経験できないこともあると思うので、それを時代の中で常に感じ取って生きていきたい」と力を込める。

 最後に「10年後は楽しみか」と聞くと、「楽しみでもあり、今からの10年間でやらなければいけないことや、やりたいことはいっぱいあるんだろうなと思うので、それをちゃんとクリアしていけるかどうかは、プレッシャーでもあります」と語る向井さん。芝居の中で見せる生きざまに注目したい。

 ドラマは11月11日からWOWOWプライムで毎週日曜午後10時に放送。全6話で、第1話は無料放送。

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