女優の吉田羊さん、俳優の太賀さんが母子役で共演する映画「母さんがどんなに僕を嫌いでも」(御法川修監督)が、16日から新宿ピカデリー(東京都新宿区)ほかで公開される。幼い頃、母に愛されなかった主人公が、大人になり母と対峙(たいじ)し、母の愛を勝ち得るまでを描いていく。
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幼い頃から、大好きな母・光子(吉田さん)からの心ない言葉や暴力に耐え、必死に生きてきたタイジ(太賀さん)。しかし、17歳のとき、母からこれまでにないほどの仕打ちを受け、ついに家を飛び出し、一人で生き始める。やがて大人になったタイジの元に母から連絡が入り……というストーリー。原作は、マンガ家、小説家として活動する人気ブロガーの歌川たいじさんが、自身の体験をつづった同名コミックエッセー。主題歌はボーカルグループ「ゴスペラーズ」の「Seven Seas Journey」。
幼い頃からタイジを気にかけ、励まし続けた婆ちゃん(木野花さん)とタイジのやりとりに涙が流れた。タイジを、ただ優しく扱うだけでなく、過去に負った心の傷をさらけ出させた毒舌家のキミツ(森崎ウィンさん)、タイジの会社の同僚カナ(秋月三佳さん)、カナの恋人・大将(白石隼也さん)の友情に胸が熱くなった。何より、ひどい仕打ちを受け、何度も心が折れそうになりながら、母に立ち向かっていったタイジの強さに心が震えた。
放送中のドラマ「今日から俺は!!」で、妙にぶ厚い胸板とリーゼントヘアで硬派な不良高校生を演じている太賀さんが、打って変わって母の愛をつかみ取ろうとする、繊細で強い若者を好演。吉田さんも、内面にどす黒い感情が渦巻き、そのイライラを息子にぶつける“鬼母”役で、さすがの演技を見せる。
木野さんをはじめとする共演者も皆、味わい深く、中でも、タイジの幼少期を演じた小山春朋くんのいじらしさと、森崎さんの愛嬌(あいきょう)たっぷりの演技は印象に残った。
気分が沈み込むだろうと身構えて鑑賞した。実際、母と息子の激しい愛憎劇に何度も胸が締め付けられた。しかし、ちりばめられたユーモアと、何より、原作者、スタッフ、キャストの人間力のお陰で、登場人物全員がいとおしく思える作品に仕上がっていた。(りんたいこ/フリーライター)
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