注目映画紹介:「くるみ割り人形と秘密の王国」名作童話を実写化 ファンタジックな世界観にうっとり

映画「くるみ割り人形と秘密の王国」の場面写真 (C) 2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.
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映画「くるみ割り人形と秘密の王国」の場面写真 (C) 2018 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.

 バレエの演目で有名な「くるみ割り人形」をディズニーが実写化した「くるみ割り人形と秘密の王国」(ラッセ・ハルストレム監督、ジョー・ジョンストン監督)が30日からTOHOシネマズ日比谷(東京都千代田区)ほかで公開される。亡き母からの贈り物をきっかけに「秘密の王国」へ迷い込んだヒロインが、その旅を通じて成長していく姿を描くファンタジー作だ。

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 クリスマスイブ。クララ(マッケンジー・フォイさん)は亡母が用意していた贈り物を受け取った。鍵のかかった卵型の入れ物だった。母は「あなたに必要なものは全てこの中にある」との言葉を残していた。

 その夜、クララは自分の名付け親・ドロッセルマイヤー(モーガン・フリーマンさん)の屋敷でのクリスマスパーティーへ家族と共に向かう。そこで、ドロッセルマイヤーからの贈り物を探していたクララは、あの入れ物の鍵を発見。同時に、不思議な世界へ入り込んでしまう……というストーリー。

 くるみ割り人形そっくりの兵士フィリップ(ジェイデン・フォーラ・ナイトさん)が出てきたり、バレエダンサー(ミスティ・コープランドさん、セルゲイ・ポルーニンさん)が華麗な踊りを披露したりと、ホフマンの原作童話「くるみ割り人形とねずみの王様」同様に、幻想と現実の境界を曖昧にしながら進んでいく。

 光の反射で雪と氷がきらめく「雪の国」、色とりどりの花が咲き乱れる「花の国」、キャンディーやマシュマロで装飾された「お菓子の国」など、ファンタジックな世界にうっとりさせられた。

 クララの探し求めていた鍵が文字通り「鍵」となるクライマックスでは、大掛かりな仕掛けに目を見張った。クララが身に着ける衣装は、彼女の内面の変化を表現しているのも見どころだ。中でも、ビクトリア朝時代の女性の軍服をヒントに作られたというジャケットとスカートは、キュートな中にも勇ましさがあり、クララの冒険を後押ししたくなった。

 「秘密の王国」の支配をもくろむ「第4の国」の統治者マザー・ジンジャーをヘレン・ミレンさんが貫禄たっぷりに演じている。一方、キーラ・ナイトレイさんが「お菓子の国」を統治する妖精シュガー・プラムを、普段より高い声でテンション高めに演じていたのは新鮮だった。

 日本語吹き替え版では、クララを女優の小芝風花さん、シュガー・プラムを声優の坂本真綾さん、フィリップを小野賢章さんが担当している。(りんたいこ/フリーライター)

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