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山中慎介:“ハイテク”ロマチェンコVS“スナイパー”ペドラサの一戦 勝敗予想は…

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王座統一戦を行うワシル・ロマチェンコ選手(上段左)とホセ・ペドラサ選手(下段右)(C)Getty Images

 WOWOWプライムで、9日に「生中継!エキサイトマッチスペシャル ボクシング史上最高傑作ロマチェンコ統一戦!」と題して、WBA世界ライト級王者のワシル・ロマチェンコ選手とWBO同級王者のホセ・ペドラサ選手の王座統一戦が生中継される。ロマチェンコ選手は、アマチュアで2008年北京五輪と12年ロンドン五輪で連覇、プロでは3階級制覇を成し遂げ“現代ボクシングの最高傑作”として「ハイテク(高性能)」という異名を持つ。一方のペドラサ選手はアマチュア時代に世界選手権準優勝、プロでは2階級で世界王座を獲得。左右どちらの構えでもパンチが打てることから「スナイパー(狙撃手)」ともいわれている。注目の一戦の見どころを元WBC世界バンタム級王者の山中慎介さんに聞いた。

 ◇苦戦するイメージが湧かないロマチェンコ


 --ロマチェンコに関してどんな印象を持っていますか。

 今までのボクサーには、あのような動きをする(ダンスのように細かいステップで、かつ相手がついていけないリズム。そして、どんどんギアを上げていく)選手がいませんでしたよね。加えてロマチェンコは足が速いだけでなく、もちろんパンチも速い。そして、ここというときには強いパンチも打てる、そんなイメージですね。相手を翻弄(ほんろう)して諦めさせることが多く、一発KOの印象は薄いのですが、ローマン・マルチネス戦のように豪快に倒すこともありますから。

 --あのボクシングはアマチュア(397戦396勝1敗)経験がベースになっていると考えることができますよね。


 その戦績はホントかな? と思いますよね(笑い)。オリンピックで連続金メダルでしょう。去年は同じオリンピック連覇のギジェルモ・リゴンドーにも勝っているし。どこまで高いレベルの選手なんだと。なかなか苦戦するイメージが湧かない選手ですよね。

 --数少ない苦戦の一つがホルヘ・リナレスとの試合でした。


 ホルヘとは一緒にトレーニング・キャンプにも行ったし、もちろんジムワークでも一緒だったりしたので、ほかの人とは違う感情であの試合を見ました。だから6ラウンドにホルヘがダウンを奪ったときはソファから立ち上がってしまいました。ロマチェンコが10回TKO勝ちを収めたわけですが、それまではポイントも競っていましたよね(三者三様)。世界チャンピオンの中でも頭一つ抜けた者同士の対戦だったので、本当に面白い試合でした。

 --あの試合でロマチェンコは右肩を痛め、試合後に手術しました。今回、その影響は考えられますか。


 12月に試合をすると決めたほどだから問題はないんじゃないでしょうか。しっかりトレーニングをしているだろうし、だから不安もないのでは。影響はないと思います。

 --対戦相手のペドラサについては、どんなイメージを持っていますか。


 スーパー・フェザー級時代に1敗はしていますが、ジャーボンテイ・デービス戦でも持ち味は出していたと思います。ペドラサに関しては、第一に「長い」という印象ですね。長いというのは距離のことなんですが、そうではない中間距離や接近戦でもアッパーやフックが打てる選手ですね。タイトルを奪ったレイムンド・ベルトラン戦でも狙い澄ました左アッパーでダウンを奪っていますから。あれは得意なパンチの一つですね。今回も狙ってくるのではないでしょうか。相手がロマチェンコとなるとそう簡単に当たるとは思えませんが、タイミングがいいので警戒させるだけでも意味があるでしょう。

 ◇5対1でロマチェンコ有利 ペドラサは接近戦に活路


 --ペドラサは身長173センチ/リーチ180センチ、ロマチェンコは170センチ/リーチ166センチと差があります。この体格差は影響しそうですか。

 ロマチェンコの身長は実際には170センチはないでしょうね。ホルヘと戦ったときも開始前には体格差を感じましたが、試合が始まってみると、そんなことを忘れさせるような戦い方をしました。だから影響はないのではないかと思います。

 --ペドラサは右構えでも左構えでも戦えるスイッチ・ヒッターですが、今回はどちらが有効だと思いますか。


 ロマチェンコが相手となると最初は距離をとりたいはず。そのためにも右構えでスタートするのではないかと思います。サウスポー同士で向き合うよりも右構えだと左ジャブで相手との距離がとれるので。そして状況を見ながら左構えにスイッチする可能性が高いのではないでしょうか。

 --どんな展開を予想しますか。


 あくまでも僕の展開予想ですが……。まずペドラサが距離をとって様子をみる。ロマチェンコは軽く触るようにパンチを当てながら距離を測って徐々にリズムを上げていく。ロマチェンコは相手の力が分かると自分から前に出て接近戦を試したりするので、そこからが勝負でしょう。ロマチェンコのパンチで一番威力があるのはホルヘを倒した左ボディーブローだと思うので、その巻き込むように入るボディーブローが決まれば勝利に大きく近づくと思います。

 --ペドラサにもチャンスはありますか。


 ペドラサに関して注目したいのは、まず左右どちらの構えでスタートするのかという点ですね。そしてロマチェンコの足さばき、動きに対してどうパンチを当てようとするのか。そのあたりがカギになると思います。サウスポーで戦う場合でも右ジャブは重要になるでしょう。ペドラサにとって厳しい戦いになることが予想されますが、ロマチェンコが接近してきたときには逆にチャンスも生まれると思います。「接近戦=ロマチェンコが足を止める瞬間」でもあるので。ペドラサもショートレンジでの戦い方がうまいので、番狂わせが起こるとしたら近距離での戦いになったときではないでしょうか。タフなベルトランからダウンを奪った左アッパーは大きな武器ですよね。

 --山中さんの勝敗予想は。


 オッズは5対1ぐらいでロマチェンコ。結果予想としては、デービスが(ペドラサに)7回TKO勝ちですよね。それを参考にすると……。ロマチェンコの12回判定勝ち。ペドラサが頑張ると思いますよ。

 *……ワシル・ロマチェンコ選手対ホセ・ペドラサ選手の試合は「生中継!エキサイトマッチスペシャル ボクシング史上最高傑作ロマチェンコ統一戦!」として、WOWOWプライムで9日正午に放送。

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