NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「半分、青い。」、連続ドラマ「義母と娘のブルース(ぎぼむす)」(TBS系)をほぼ同時期に“掛け持ち”し、対照的な役柄を演じ分けたことで演技力が高く評価された佐藤健さん。朝ドラ終了で“律ロス”も発生。朝ドラの役どころのままに撮影した写真集は重版の連続で大きな話題となった。さらに、今年は出演映画3本が公開され、22日に封切られた特撮映画「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」(山口恭平監督)にサプライズ出演するなど最後の最後まで話題に事欠かなかった佐藤さんの2018年を振り返る。
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◇演じ分け評価の声にも「棚からぼた餅」
「半分、青い。」では、永野芽郁さん演じるヒロイン鈴愛(すずめ)の幼なじみで、容姿端麗、成績優秀の萩尾律、綾瀬はるかさん主演の「ぎぼむす」では、なかなか目標が定まらず転職を繰り返す“ダメ男”の麦田章、という対照的な役どころを演じ分けた佐藤さん。すでに映画やドラマの出演も多かったが、改めて演技力の高さを示した形で、称賛の声が多く上がった。
そんな声に対して、9月に東京都内で行われた主演映画「億男(おくおとこ)」(大友啓史監督)の完成披露試写会に登場した佐藤さんは自ら言及。「朝ドラ(半分、青い。)とTBSのドラマ(ぎぼむす)を同じ時期にやっていたんですけど、役柄が違うというだけで謎の評価をされる。僕からすると当たり前のことですけど、棚からぼた餅。たまたま同じ時期にやっているだけなんですけどね」とさらりと語っていた。
◇「半分、青い。」でたびたび話題に 永野芽郁とのキス、“律ロス”の声も
「半分、青い。」で演じた律のシーンもたびたび話題に。8月24日放送の第125回では、律と母・和子(原田知世さん)がしゃべるぬいぐるみ「岐阜犬」を通じて会話するシーンで、2人の涙に“もらい泣き”する視聴者が続出。死期が迫った母に嗚咽(おえつ)まじりで「お母さん」と呼びかける姿に、SNS上は「号泣」「めっちゃ泣いた」「まさに神回」といった言葉があふれた。
佐藤さんは9月に放送された同局の音楽番組「うたコン」内でこの場面に言及。「僕もその芝居でできる限り笑っていたくて。自分が笑えば笑うほど、あのシーンは悲しかったですね」「ちょっと僕、台本も読めなかったですね、悲しすぎて」と当時の心境を明かした。
また、9月19日の第147回では、永野さん演じる主人公・鈴愛と律のキスシーンが描かれ、ネット上では、「胸キュン」「ニヤニヤ止まらなかった」「衝撃すぎて朝から……」などの声が上がった。
同29日には最終回(第156回)が放送され、半年間にわたって繰り広げられた鈴愛と律の物語がついに“完結”。最終回でも律の存在が際立っており、亡き母・和子や鈴愛の友人・ユーコ(清野菜名さん)への思いを語り、視聴者の涙を誘う一幕も。さらに、「リツのそばにいられますように」と七夕の短冊に願いを書いた鈴愛を優しく抱きしめ「スズメを幸せにできますように」とささやくシーンも描かれ、SNSでは「律ロスに陥りそう」「しばらく律ロスです」「完全に律ロス」といった言葉が並んだ。
9月5日には律を演じた佐藤さんに完全密着したフォトブック「『佐藤健 in 半分、 青い。』PHOTO BOOK」(東京ニュース通信社)が発売。撮り下ろしポートレートやドラマセットを舞台にしたグラビア、ロングインタビューなどを通して、律として過ごした約10カ月に迫る内容で、律の人生を写真と共に振り返る企画、共演者たちからのスペシャルメッセージ、 上京後の律にとって初めての友達となる“マアくん”こと朝井正人を演じた中村倫也さんとのツーショット対談も収録された。
写真集は重版となり、「半分、青い」の最終回となる9月29日の直前には2度目の重版。10月11日には3度目の重版となるなど、人気に。同社は「今月(10月)8日に放送された約3時間にわたる『半分、 青い。 』の総集編への反響が大きかったため、 放送と連動したタイミングでフォトブックの売れ行きが伸びたのではないか」と説明していたが、放送終了による“律ロス”も大きく背中を押した形だ。
また、9月8日からは同フォトブックの発売を記念した写真展「佐藤健写真展2019」も東京、名古屋、仙台、大阪、福岡の全国5大都市で開催。今年29歳となった佐藤さんの20代最後を切り取った「2019年カレンダー」に収まりきらなかったカットなどを展示したほか、超特大パネルやフォトスポットも設置。「半分、青い。」の写真展も併催し、佐藤さんが演じる萩尾律にフォーカスしたカットが公開された。さらに、同展は11月には米ロサンゼルスのアナハイムコンベンションセンターでも開催された。
また、今年は映画にもコンスタントに出演。1月には昨年12月に公開された土屋太鳳さんとのダブル主演映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」(瀬々敬久監督)で「第41回日本アカデミー賞」の優秀主演男優賞に選出され、4月にはお笑いコンビ「とんねるず」の木梨憲武さん主演で、奥浩哉さんのマンガを実写化した映画「いぬやしき」(佐藤信介監督)、自身の主演映画「億男」、山田孝之さん主演の映画「ハード・コア」(山下敦弘監督)の3本が公開された。
さらに、今月22日には「仮面ライダー」シリーズの劇場版最新作「平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER」に出演していることが分かった。佐藤さんは2007~08年に放送された特撮ドラマ「仮面ライダー電王」で主人公・野上良太郎を演じており、同役での出演。仮面ライダー作品への出演は、08年10月公開の「劇場版 さらば仮面ライダー電王 ファイナル・カウントダウン」以来、約10年ぶり。映画の公開まで一切情報が明かされておらず、大きなサプライズとして話題になっている。
佐藤さんは「『仮面ライダー電王』は僕にとってほぼゼロから全てを教えていただいた僕の原点です。当時から支えていただき、そして今でも好きだと言ってくださる方へ感謝の気持ちをお伝えしたいし、現実世界において虚構である仮面ライダーという存在が、僕らの心の中では真実であり永遠なのだという思いを、限られた出演時間ではありましたが込めたつもりです」「この映画を我々が創ることで、皆様がそれをご覧になることで、そんな思いを少しでも共有できれば幸いです」と思いを明かしている。
話題に事欠かなかった佐藤さんの18年。大みそかには「半分、青い。」で共演した永野さんとともに「第69回NHK紅白歌合戦」に審査員として出演する予定で、最後の最後まで話題を提供してくれそうだ。
さらに年明けの1月にはさまざまな東京の“ミラクル現象”を取り上げ、ドラマ形式で歴史を掘り起こしていくNHKの「シリーズ東京ミラクル」の第1回「美食の街は“築地”から生まれた (仮)」(同月13日午後9時)に出演。2月には主演映画「サムライマラソン」(バーナード・ローズ監督)の公開も控えており、19年もたくさんの活躍が見られそうだ。
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