名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
人気アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の最新作「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」の最終第7章「新星篇」が3月1日に上映される。「2202」は映像の美しさも魅力で、ヤマトの艦内、宇宙空間の表現など背景の美しさにも目を奪われる。スタジオ美峰に所属する美術監督の谷岡善王さんに、「愛を込めて」描いているという背景について聞いた。
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「宇宙戦艦ヤマト2202」は、2012~14年に劇場上映、テレビ放送された「宇宙戦艦ヤマト2199」の続編で、1978年に公開された「さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち」がモチーフ。小説「亡国のイージス」「機動戦士ガンダムUC」の福井晴敏さんがシリーズ構成と脚本を手がけている。全7章。
谷岡さんは「2202」でビル、山、宇宙、船内の通路や機関室などなど、さまざまな背景を担当している。谷岡さんを含めたスタッフが描いた背景は300~400枚程度で、「1枚描くのに3~4時間くらい。ポスターなどは1日かかることもあります。考えている時間が長い」という。谷岡さんは、副監督の小林誠さんのイメージを基に背景を描く。シナリオ、絵コンテを見て、何を見せたいのか、何を語っているのかを読み解きながらイメージを膨らませることになる。
「2202」はストーリーだけでなく、デザインや背景もこれまでの「ヤマト」とは違う。
「過去のデザインを検証していますが、設定から根本的に変わっているところもあるので、現代のものとして組み直しています。新しい設定に沿った作り方をしています。旧作のイメージもあるので、そこから離れないようにもしています。例えば、ズォーダーの間は『さらば』の時は悪のイメージが強かったですが、今回のズォーダーは善や悪ではなく、思想が違う存在として描かれています。全く違う文化圏の場所なので、美術的にも文化の違いを出そうとしています」
一方で変えてはいけないこともある。ヤマトらしさを失ってしまってはファンの心が離れてしまう。
「波動エンジンはオレンジ色というのは変えてはいけない。ヤマトらしく見えなくなるので。インパクトが強いところは変えてはいけない。色はグレーが多いのですが、バリエーションがかなりあります。アンドロメダとヤマトのグレーも違いますし、床や壁のパネルごとに色を変えたりしています」
SF作品ということもあり、現実には存在しない架空の兵器、場所がたくさん出てくる。存在しないが、うそに見えないようにしなくてはいけない。
「架空のものだけど、うそに見えないようにしたり、それらしく見せないといけません。生活ができる場所に見えるようにしないといけません。見ている方が、作品の世界に入り込めるように上手にうそをつく必要があるんです。ただ、最終的には理屈じゃなくて感覚なんです。愛があるかどうかですかね。ファンの基準もそうだと思うんです」
全7章の制作を終え「プロジェクトの重さを感じ、最初は参加することに怖いんですけど?となりましたが、腹をくくった。愛を持ってやる覚悟ができた。ファンに対して誠実でないといけません。大変だったなあ……。試写会の度に、ファンになって見ていますが(笑い)」と話す谷岡さん。「2202」は背景も愛が込められている。細部まで見てみると新たな発見があるかもしれない。
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