木村文乃:「大奥」魅力はパンドラの箱「開けるような楽しさ」 女性同士の争いには…

25日に放送される「フジテレビ開局60周年特別企画『大奥 最終章』」で主演を務める木村文乃さん(C)フジテレビ
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25日に放送される「フジテレビ開局60周年特別企画『大奥 最終章』」で主演を務める木村文乃さん(C)フジテレビ

 江戸時代の大奥を舞台にした女たちの壮絶な人間模様を描く「大奥」シリーズの完結作となるスペシャルドラマ「フジテレビ開局60周年特別企画『大奥 最終章』」が25日午後8時から放送される。大奥シリーズには「パンドラの箱を開けるような楽しさ」があると語る主演女優・木村文乃さんに、シリーズ初出演の感想や、主人公・徳川吉宗(大沢たかおさん)の側室、久免(くめ)を演じた感想などを聞いた。

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 ◇殿大沢たかおの登場に「色めきだった」 大奥を追体験

 「大奥 最終章」は、幕府の財政再建を目的とした「享保の改革」を実施。「暴れん坊将軍」としても有名な第八代将軍徳川吉宗の時代が舞台。吉宗が歴代徳川将軍の中でも屈指の名君となった背景には、内助の功を貫き通した久免の存在があった。

 ドラマでは、徳川家の基盤を立て直した吉宗を陰ながら支え続けた久免の半生を描く。行き場のない怒り、涙、憎悪、ねたみ、愛といった女性たちの抱く感情や心情の全てを盛り込んで描いてきた「大奥」シリーズの集大成として、シリーズ最高のクオリティーで描く。

 木村さん演じる久免は、紀州藩の下級武士の娘。吉宗は、公家出身の病弱な正室・理子と死別後、素朴で優しい人柄の久免を側室に迎え、深く愛した。吉宗には、お須磨、お古牟(こん)、お梅という亡くなった側室3人との間に、それぞれ3人の子供がいたが、久免は、義子3人を我が子のように愛した。

 久免の生活を一変させたのは、吉宗を第八代将軍に推挙するという江戸城からの命。慣れ親しんだ紀州藩邸での暮らしを捨てて、第六代将軍・徳川家宣の正室、天英院(鈴木保奈美さん)と第七代将軍徳川家継の生母・月光院(小池栄子さん)が覇権争いを繰り広げ、1000人もの美しく着飾った女たちが暮らす江戸城の大奥に移ることに。吉宗や3人の子供たちを守り抜こうとする久免の戦いとは……。

 「大奥」シリーズ初出演の木村さんは「役として中央にいるだけです(笑い)。久免が大奥に入るように、私も大奥の中に入れてもらうという感じ」と語る。撮影については「女子会というような雰囲気ではありません。皆さん、サバサバしています(笑い)。だけど、差し入れにキャッキャッしている姿を見たりするとほっこりします」と、女性キャストが多い「大奥」ならではの現場を楽しんでいるという。

 木村さんがクランクインして2週間後に、吉宗役の大沢さんが合流したといい「みんなで『殿が来た!』って色めきだっていました」と楽しそうに振り返り、「実際の大奥ってこんな感じだったのかなって思いました」と明かした。

 ◇1億円超の豪華衣装 日替わりで着用し「ファッションショーみたい」

 姫役が念願だったという木村さん。「時代劇の経験が浅く、高貴な身分の所作や言動は初めてなので、そこにワタワタしています」と演技に一生懸命。「いろいろ教えていただきつつ、いろいろなことを学ばせていただいています」と勉強熱心な一面も見せた。

 ドラマには総額1億円超の豪華な衣装の数々が登場。撮影では着物を「汚してはいけないとかいろいろ大変ですが、スタッフの方たちが身の回りのことをケアしてくれていて助けていただいています。私だけで23ポーズあって、毎日、髪形と衣装を替えてファッションショーみたい(笑い)」と話し、「(吉宗は)質素倹約を掲げた方ですが、『大奥』は豪華けんらんな衣装が見どころの一つでもあるので、割り切って楽しんでいただけるとうれしいです。『(撮影所の)東映の底力を見せていこうよ』っていう感じで、ノリノリで楽しんでいます」と笑んだ。

 ◇女性同士の戦いには「逃げます」

 天英院と月光院の骨肉の争いを中心とした女性同士の火花散るバトルもドラマの見どころだ。木村さんは、女性同士の争いについて「全く共感できません。私だったら逃げます(笑い)」ときっぱり。「久免も自分からバチバチに入っていくわけではなく、巻き込まれていってしまうんです。そこは似ているかも」と共通点を語る。

 天英院を演じる鈴木さんの印象を聞くと「憧れの方です。久免を演じるために、保奈美さんの包容力に助けていただいた局面はたくさんあります」と振り返った。月光院を演じる小池さんの印象は、05年に放送された連続ドラマ「大奥~華の乱~」で演じた「お伝の方がすごく好きでした。小池さんと共演させていただけることがうれしいです」と答え、劇中で久免と月光院が争うシーンでは「大奥の女性同士のバチバチ感を出すため、小池さんに相談させていただきました」と話した。

 完結作の見どころとして「火事のシーン」も挙げ、「自分が出演させていただくにあたり、楽しみにしていたシーン」と語る。「今回、撮影のためにセットを実際に燃やしました。本物の炎の力はすごかったです。(フジテレビの)60周年企画にふさわしい、力強い映像に仕上がっていると思います」と力を込める。「女性同士の世界観もありますが、家族の大切さも描かれていますので、楽しんでいただけるとうれしいです」と語っていた。

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