川栄李奈:持ち味は“切り替え力”と“柔軟さ”? 大活躍の現状と芝居への思い語る

連続ドラマ「家政夫のミタゾノ」に家政婦の恩田萌役で出演する女優の川栄李奈さん
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連続ドラマ「家政夫のミタゾノ」に家政婦の恩田萌役で出演する女優の川栄李奈さん

 人気グループ「TOKIO」の松岡昌宏さん主演の連続ドラマ「家政夫のミタゾノ」(テレビ朝日系)に出演する女優の川栄李奈さん。ドラマは家政婦紹介所に所属する派遣家政夫の三田園を松岡さんが演じる人気シリーズの第3弾。川栄さんは三田園、アイドルグループ「Hey! Say! JUMP」の伊野尾慧さん演じる光とともに、3人体制で行動する若い家政婦の恩田萌を演じる。映画、ドラマとさまざまな作品に出演し大活躍中の川栄さんに、同シリーズに新加入した思いや松岡さん、伊野尾さんとの共演について、またお芝居への思いや現在の活躍ぶりについても聞いた。

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 ◇松岡、伊野尾との初共演の感想は…

 ドラマは、故・市原悦子さんや米倉涼子さんが主演した大ヒットドラマシリーズ「家政婦は見た!」を制作した同局の新たな家政婦ドラマ。派遣家政夫の三田園(松岡さん)が、派遣先の家庭で隠された秘密に気づき、依頼人の化けの皮をはがしていく……という内容で、第1シーズンが2016年10月期、第2シーズンが18年4月期に放送された。新シリーズは「むすび家政婦紹介所」の結頼子(余貴美子さん)からおいの光(伊野尾さん)を一人前にするというミッションを課せられた三田園が、光と萌(川栄さん)を連れて3人体制で行動する……というストーリー。

 人気シリーズに新たな家政婦役として参加。川栄さんは「『シリーズもの』って人気があるということだから、そこに出られるのはありがたいなと思いました」と喜ぶ。演じるのは、若いが家政婦としての知識もスキルもプライドも高い萌。川栄さんは家政婦役を演じることを楽しみにしていたといい、「監督に『料理とかしますか?』と聞かれたんです。私、結構料理するので『特に問題ないな』と思って、逆に楽しみにしていたんですが、そういうシーンは出てこなくて……」と笑顔で明かす。

 ただ、萌は依頼人の家庭の秘密を推理するキャラクターのため、せりふ量に苦労したという。「一個一個のせりふ量がめちゃくちゃあるわけではないんですが、4行あって、空いて、またすぐ4行……みたいな感じで。しかも早口で、撮影も連日続くので、せりふを入れる(覚える)のが前日の夜になってしまっていて、焦っていました」と語る。

 三田園を演じる松岡さんとは今回が初共演。「男気あふれる感じや、サバサバした感じがテレビのままで……すごくありがたかったです。お芝居についても『自由にやって』みたいな感じでした」と共演の感想を明かす。本番ではアドリブも多かったといい、「毎回ドキドキしています(笑い)」といい、川栄さんや伊野尾さんとのシーンでは「(松岡さんが)いろいろ悪だくみをしているんですよ。急にせりふと違うことを言ったり、メークさんから筆を借りて『本番だけ顔にこちょこちょしようかな』とか言っていたり。おちゃめで可愛らしいなと思いました」と楽しそうに振り返る。

 また、伊野尾さんとも初共演といい、「フランクな方で、お話しする回数も増えていきました」と川栄さん。現場での会話は、作品に関する話よりも世間話が多く、「自由にやらせてもらっています」と笑顔を見せる。

 ◇“切り替え力”が強み? 今はストレスためず「自由に生きている」

 テレビドラマでは、話題を集めた「3年A組-今から皆さんは、人質です-」や現在放送中の大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」などさまざまな作品に出演する川栄さん。映画でも昨年 「恋のしずく」(瀬木直貴監督)で初主演を務めるなど引っ張りだこで、現在もっとも活躍している女優の一人だ。川栄さんはこういった状況を「ずっと途切れずに映画やドラマをやらせてもらえているので、すごくありがたいなと思います」と喜びつつ、引く手あまたな理由については「縁」と控えめに語る。「お仕事をいただくのは、ご縁じゃないですか。たとえばスケジュールがハマらないこともあるし……それがたまたまハマる、という、ご縁をいただいている感じです」

 とはいえ、川栄さんならではの持ち味が現在の活躍につながっていることも確かだろう。川栄さん自身に、持ち味、強みについて聞いてみると、「私は作品を三つ重ねて(並行して)いても問題ない人なので、それでいろんな作品に出ているふうに見られる(笑い)」と冗談めかして語りつつ、「1クールに二つはできないとか、役が抜けないという方もいると思いますけど、私は『仕事が終わったら終わり』なので、引きずることはないんです」ときっぱり。この“切り替え力”の高さが一つの強みと言えるのかもしれない。

 また、いい意味でこだわりのない“柔軟さ”も川栄さんの特徴だという。「“自分の”役作りとかお芝居も大事だと思うんですけど、私の中では(作品は)みんなで作るものだし、監督の思いが一番だと思っているので、監督の意見を取り入れがちですね。もちろん『ん?』と思ったら言うこともありますけど、圧倒的に少ないんです。正解がないことだから、誰がどう思うかは、その人の感覚じゃないですか。だから『私がこう思っても監督がこう思っていたら、じゃあ監督に合わせよう』と……。自分の意見を貫くことはないです」としなやかだ。

 川栄さんは「今、自分がやりたいことをやりたい、というタイプなので、そこは自由に生きている感覚があります。今は好きなお芝居をやらせていただいているので、ストレスはたまらないですね」と芝居への思いを明かす。「お芝居が好き」という思いの源は、「AKB48にいたときに、歌とダンスに苦手意識があったんです。でも、毎回やらなきゃいけない。そうした『やらされている』という意識でいた中で、お芝居をやったとき、すごく楽しいと思ったんです。だからAKB48を辞めるときも、自分からお芝居がやりたいから、と辞めました」と川栄さんは転機を振り返る。自分で考えて決めたことに全力を注ぐ、というスタイルが向いていたということだろうか。そう聞くと、川栄さんは「そうですね」とうなずく。

 そんな川栄さんの姿は、AKB48の後輩たちにとって、一つの目標になっているはずだ。川栄さん自身には、後輩たちの“お手本”になろうという思いはあるのだろうか。すると、「ないですね、一切(笑い)」としつつ、「でも、辞めたくても辞められない子とか、何がやりたいか分からない子って、たくさんいるんですよ。私も、辞めたいなと思っていても言い出せなかったり、辞めて何をするんだろうと思ったり、『自分が女優って言ってもばかにされるんだろうな』と思っていたりしたこともあって……。そう思っている子もたくさんいる。だからこうやっていろんな作品に出させてもらっていることが、みんなの踏み出す一歩になれたらいいなとは思います」と明かした。

 最後に、今後の目標を聞くと、川栄さんは「そのときにできるものができたらいいな、と思っています。この間、学生役をやらせてもらったんですが、若いときにしかできない役なので、やらせてもらったのはありがたいです。そのときそのときで、自分に合った役ができたらいいな、と思います」と語った。
 
 「家政夫のミタゾノ」は、19日から毎週金曜午後11時15分放送(一部地域では放送時間が異なる)。

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