内田有紀:女優デビューから27年 演じることは「幸せなこと」 30代後半からの変化明かす

連続ドラマ「わたし、定時で帰ります。」に出演する内田有紀さん(C)TBS
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連続ドラマ「わたし、定時で帰ります。」に出演する内田有紀さん(C)TBS

 「演じることは幸せなこと」と話すのは、女優の内田有紀さん(43)。1992年、テレビドラマ「その時、ハートは盗まれた」で女優デビューしてから27年。数々の役を演じてきた内田さんは、「30代の後半くらい」から仕事への向き合い方の変化を感じているという。放送中のドラマ「わたし、定時で帰ります。」(TBS系、火曜午後10時)では、仕事に生きるスーパーワーキングマザーを演じている内田さんに、役との向き合い方や、仕事論について聞いた。

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 ◇職場復帰後、張り切り過ぎる賤ケ岳役 「同じように息切れ」

 「わたし、定時で帰ります。」は、朱野帰子(あけの・かえるこ)さんの同名シリーズ小説(新潮社)が原作。「残業ゼロ」「定時で帰る」がモットーのワーキングガール・東山結衣(吉高さん)が、くせ者のモンスター社員の抱えるさまざまなトラブルを解決していく物語。内田さんが演じるのは、結衣の職場の先輩で、新人時代の教育係だった賤ケ岳八重(しずがたけ・やえ)。産休を取り、双子を出産するが、早々に職場復帰する……という役どころだ。賤ケ岳に代わり、育休を取って双子の育児に奮闘する優しい夫役をお笑いトリオ「我が家」の坪倉由幸さんが務める。

 賤ケ岳の印象について、「底抜けに明るい人だなという印象。裏表がなくて非常にわかりやすい」と話した内田さん。第2話では、職場復帰し、張り切り過ぎている賤ケ岳が、子育てと仕事を両立させようと葛藤する様子が描かれるが、「(賤ケ岳は)一生懸命になり過ぎて疲れてしまうから、演じている自分も賤ケ岳さんと同じように息切れしている感じがあった。賤ケ岳さんの気持ちはすごくわかる」と話す。

 私生活でも、賤ケ岳に影響を受けている部分があるようで、「もしかしたら引っ張られている気はします。明るい方向に(笑い)」と話す。役に影響を受けることは、「若い頃からすごくあった」といい、「どっぷりと役になっちゃってる、みたいなことは全くないですけど、『(今)演じている役があるから、私、今こうなのかな』という思考回路はあったりします」と告白。「それもいとおしく思うし、そんな自分が真面目だな」と笑った内田さんは、「若い頃は、オンオフ(の切り替え)が大事なような気もしていたんですけど、今は人生一回ですから、そんなことも楽しもう!というか……」と心境の変化も明かす。

 ◇30代後半から「より丁寧に」

 賤ケ岳にちなみ、仕事で無理をし過ぎてしまった経験を聞くと、内田さんは「若い頃は……(笑い)」と明かしながら、「空回りしてがんばって疲れて、わけわかんなくて。その後だんだんわかってきて、今度は丁寧になり過ぎて、物事を細かく捉えたり……。そこからまたきっと何か変わってくるんじゃないかなと思いますけどね、働くって」と持論を展開。

 「若い頃は失敗もあるので、なんでこんな失敗したんだろうって思う。でも、それがあるから、丁寧になる」と話した内田さんは、30代後半くらいから「より物事を真剣に受け止めるというか、丁寧に」と変化を明かす。

 「だんだん丁寧にということが、細かくなってきて、自分に対してもこれでいいんだろうかとか、人に対しても深く求めるようになってくる。でも、人に対して求めるのは違うのかな。それぞれ歩み方が違うから、バランスをだんだん見るようになりました」と語り、40代の現在については「自分の中で、こうしないといけないというのを少しほどいている状態」と表現する。

 ◇“内田流”困難の乗り越え方とは

 第1話では、シシド・カフカさん演じる仕事命の“皆勤賞女”三谷佳菜子が、無断欠勤をしてしまう展開があり、吉高さん演じる結衣から、おいしいものを差し入れしてもらうことで、三谷が元気になる様子が描かれた。内田さんに、仕事などで困難にぶつかったときの乗り越え方を聞いてみると、「まずはよく食べる! おいしいものを食べて、よく寝る! 1話の三谷さんがしたようなこと」といい、「あとはいい景色を見たり、いい空気を吸いにいったりとか、心を許せる仲間と話すみたいなことですかね」と話す。

 「困難にぶつかったときは、相手のいることだったら、無理に抜けようとしても変わらないので、ゆっくりと自分の体力をつけながら、あきらめないということ。慌てないようにして、気持ちをゆったり持つようにします」と話した内田さん。

 そんな内田さんの仕事のモットーは、「とにかく役に真摯に向き合う」こと。「私の体を通してその役をいただけるということはありがたい。いつも幸せに思うし、光栄に思いながら、次はどういうふうにその役を見てくださる方に届けられるだろうということをもう必死に。覚悟を持って向かうということだけ」と力を込めていた。

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