名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
人気ライトノベルの劇場版「青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない」(増井壮一監督)が6月15日公開される。謎多き牧之原翔子を中心としたストーリー。主人公・梓川咲太役の石川界人さん、ヒロイン・桜島麻衣役の瀬戸麻沙美さん、牧之原翔子役の水瀬いのりさんの3人に、見どころやアフレコの様子を聞いた。アニメのテーマは“思春期症候群”なので、3人の思春期についても語ってもらった。
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原作は、鴨志田一さん作、溝口ケージさんイラストのライトノベル「青春ブタ野郎」シリーズ(電撃文庫)。テレビアニメ「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」にもなった。学校では浮いた存在の高校生・梓川咲太と高校の上級生で女優・桜島麻衣の恋を描く。思春期に起こるという思春期症候群がキーワードになっている。テレビアニメが2018年10~12月に放送された。
劇場版は、咲太の初恋の相手、牧之原翔子の出現で日常が一変する。翔子は中学生と大人の二人が存在。翔子と一緒に住むことになった咲太は“大人翔子”に翻弄(ほんろう)され、麻衣との関係がぎくしゃくしてしまう。そんな中、“中学生翔子”が重い病気を患っていることが判明する。
翔子の謎が明らかになる。翔子演じる水瀬さんは「劇場版は正直、プレッシャーもありました。台本をもらって、すごくせりふが多く、頑張ろう!という気持ちが大きかったです。原作のファンの方の期待も感じていましたし、劇中で翔子が活躍すればするほど、どうしよう!?という気持ちもありました」と明かす。
中学生の翔子や大人の翔子などが登場し、全てを演じる水瀬さんは、台本に寄り添いながら演じ分けた。
「中学生と大人では、咲太君の呼び方も違います。ただ、翔子さんの年齢によって口調が変わるので、台本を読みながら、それぞれの年齢感を考えてお芝居できました。掛け合いが多く、共演者の方と一緒にアフレコできたことも大きかったですね」
瀬戸さんが演じる麻衣は気が強く真面目な性格の女子高生。人気女優でもある。劇場版ではテレビアニメでは無かった表情を見せるシーンもある。
「咲太とのやり取りはテレビアニメ版のアフレコでも作ってきたものがあるので、悩むところはありませんでした。ただ、今回は必死になったり、感情をあらわにするシーンもあります。普段は冷静なので、どれくらい必死になればいいのか? と考えてアフレコに臨みました。これまで見たことないくらい必死な麻衣さんを見られると思います」
石川さんが演じる咲太は、学校では孤立していて、どこかクールな雰囲気のキャラクターだ。一方、熱さも秘めている。
「テレビアニメの収録の前、ほかの作品で熱血なキャラ、声を張るキャラを演じることが多かった時期だったんです。その熱がたまっていたこともあって、テレビアニメの収録では『抑えてほしい』というディレクションもありました。ただ、劇場版は重い話で、咲太の感情が激しく動きます。『今までのディレクションは忘れていいんじゃないか?』という話もあり、テレビアニメの時よりも感情を出していくことを意識しました。今まではヒロイン自身が問題を解決していましたが、今回は咲太も解決しないといけないんです」
「青春ブタ野郎」シリーズは、多感ゆえに、不安定な思春期だけに起こる思春期症候群がテーマだ。「自分の姿が周りから見えなくなる」「同じ一日が繰り返される」など、不可思議な出来事が次々と起こる。声優陣はどんな思春期を過ごしたのだろうか? 瀬戸さんは「自分は特別」と思うこともあったという。
「高校生だけど、大人ぶっているところもあって、自分だけの特別な世界があったような気がします。自転車で登下校中に、ドラマの中にいるみたい……と妄想したり、爆走していました。学校の中では、みんなの居ない所が好きでした。移動教室で遠回りしたり、私は特別と思ったり……。今も、誰も居ない所へ行きたいと思うことがあります」
水瀬さんは14歳で声優デビューした。思春期には既に声優として活動していて、周囲は大人ばかりだった。
「子供扱いされるのがイヤで、一人でできることを周囲にアピールしようとしていました。頑張る気持ちは大人にも負けていないのに……と対等に扱ってほしい気持ちが強かったんだと思います。今思うと恥ずかしいんですけど。今は、そのエネルギーが失くなってしまいました(笑い)。一歩一歩着実に! と考えるようになりましたね」
石川さんは「友人があまりいなかった」と明かす。大人に反抗したこともあった。
「思春期は、友人があまりいなかったので話すことが無かったかも(笑い)。友人は一人だけで、昼休みに図書館は友人とゲームの話をしたり……。周囲の目線が耐えられなくて、人の居ない所へ行きたかったんです。ネットの掲示板をずっと見たり、部活に行かない時は、家でアニメを見たりしていました。でも、粋がりたい願望があって、制服のワイシャツの下に、学校で禁止されてる赤いタンクトップを着ていました。最近は赤いタンクトップ、着ていませんね(笑い)」
劇場版は、石川さんが「一アニメファンとして思うのは、伏線回収が美しい。いろいろな仕掛けがあって、構成が面白いんです。テレビアニメを見てから劇場版を見ると、驚き、感動が倍増すると思います」と話すように、驚きに満ちた作品に仕上がっている。
瀬戸さんは「なんて言えばいいんだろ? 心が少し寂しくなる瞬間もあります。喪失感とは違い、温かいものが残る。絶対に見てほしいです!」と力を込め、水瀬さんも「人と出会うことの意味、気持ちをぶつけることの意味が描かれています。得ることで失うことを知る。優しくなればなるほど、悲しくなったりすることを、美化せずに描いています」と語る。
劇場版は、感動など簡単な言葉では表現できないような作品になっているようだ。
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