逢田梨香子:ソロデビューで見つけた個性 人気声優の素顔

ソロアーティストとしてデビューした逢田梨香子さん
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ソロアーティストとしてデビューした逢田梨香子さん

 声優の逢田梨香子さんがソロアーティストとしてデビューし、初のEP(ミニアルバム)「Principal」が発売された。逢田さんは人気アニメ「ラブライブ!サンシャイン!!」の桜内梨子役で知られ、同作のキャストによるユニット「Aqours(アクア)」のメンバーとして大活躍中だ。ソロデビューにあたり「逢田梨香子としての個性にどうアプローチするのか?」と悩んだこともあったという。逢田さんに、ソロデビューへの思いを聞き、その素顔に迫る。

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 ◇一人で大丈夫なのかな?と不安も

 逢田さんは、「ラブライブ!サンシャイン!!」の桜内梨子や、「映画くまのがっこう パティシエ・ジャッキーとおひさまのスイーツ」の主人公・クマのジャッキー役などで知られる声優。2018年に初の写真集「R.A.」(集英社)が発売された。DMM.comとA-Sketchの設立したDMM music/Astro Voiceレーベルの第1弾アーティストとしデビューする。ソロデビューの決まった際のことを「驚きが大きかった」と振り返る。

 「A-Sketchさんはバンドが多いイメージを持っていたので、自分とはかけ離れているし……。しかも、新しいレーベルの第1弾アーティスト。自分がソロでアーティストデビューするとは思っていなかったので、うれしいのですが、私でいいのかな?という気持ちもありました。最初は不安しかありませんでした。これまでの活動の中で、ステージで歌う大変さは分かっているので、一人で大丈夫なのかな? やっていけるのかな?と不安だったんです」

 ソロアーティストとしての活動は初めてのことばかり。徐々に「楽しい!」と気持ちが変化していった。

 「撮影をしたり、デビューに向けて準備を進めていくうちに、一つ一つが新鮮で、全部楽しまなきゃ損!と考えるようになりました。私のプレッシャーが皆さんに伝わってもいけないですし、気持ちを解放して、楽しまないと!と切り替えて楽しんでいます」

 ◇マイナス思考な素顔 大舞台に緊張も

 逢田さんがアーティスト、声優として活動に向き合う姿勢はストイックにも見える。一方で、表現者としての姿と素顔は少し違うといい「表現している自分と普段の自分は真逆なところもあります」と明かす。

 「普段はマイナス思考で自分に自信が無い。ただ、表現をする時は変わるんです。最初からそうだったわけではありません。ステージに立つ時は自信を持とう!となったり、徐々に変わっていったんです」

 Aqoursのメンバーとして東京ドーム(東京都文京区)公演を成功させ、第69回NHK紅白歌合戦に出場するなど数々の大きなステージに立ってきたが「緊張しない状態ではステージに立てない」とも話す。

 「緊張していない時は失敗するんです。集中力が欠けてしまうのかもしれません。リハーサルをたくさんしてきた中で失敗できないし、今まで以上のステージにしたい!という思いもあり、手や足が震えます。緊張した状態でもしっかりできるように、復習、予習をしっかりして、準備するしかないんです。どんな状態でもパフォーマンスできるように体に覚えさせていきます。1曲目は緊張していますが、すぐに楽しめるようになるんです。そういう経験もソロに生きると思います」

 ◇知らなかった自分にたくさん気付く 無色が個性?

 ソロとしてのレコーディングは一筋縄ではいかず、悩むこともあった。

 「最初は逢田梨香子としての個性にどうアプローチするのか?と悩みました。これまではキャラクターに助けられていたんだな……と改めて感じました。最初は手探りで、迷いがたくさんあったのですが、曲の世界観に寄り添う意識で歌いました。歌詞をできるだけ読み込んで、その世界に自分を落とし込むようにしました」

 EP「Principal」は、テレビアニメ「川柳少女」のエンディングテーマとしても話題の「ORDINARY LOVE」のほか、畑亜貴さんが作詞、光増ハジメさんが作曲、EFFYさんが編曲した「FUTURE LINE」、ピアノロックバンド「WEAVER」の杉本雄治さんが書き下ろした「アズライトブルー」などを収録。豪華クリエーターが参加した。

 「一曲一曲丁寧に録(と)っていただきましたし、すごく時間がかかりました。これまではキャラクターとして歌ってきたので、キャラとしてせりふを乗せるように、演じるように歌っていたんです。今回は、歌うとはどういうことなんだろう?と今までとは違うアプローチを意識しました。誰のまねもできないし、まねをしたくない。一から作り上げるのは楽しくも苦しくもありました。意外に自分が知らなかった自分にたくさん気付いたんです。それぞれの楽曲に個性があり、自分らしさもあります。明るいだけでなく、切なかったり、迷いもあって、そこが自分らしいのかな? みんなに見つけてもらった個性なのかもしれません。新しい引き出しを開けていただきました」

 ソロデビューをきっかけに自分の個性をこれまで以上に考えることになった。その中で見えてきたものとは……。

 「個性はこれ!というものがなかなか見つからなかったんです。良くも悪くも何にでも染められるし、無色が個性なのかな? これからもいろいろな挑戦を続ける中で、新たな個性を見つけられたらうれしいです。ソロなので、逢田梨香子としての人間性、個性をより前面に出していきたいです」

 ◇いつか単独ライブを アニサマへの思い

 ソロとして8月30日~9月1日の3日間、さいたまスーパーアリーナ(さいたま市中央区)で開催されるアニメソングの大型ライブイベント「Animelo Summer Live(アニサマ) 2019 -STORY-」に出演することも発表されている。Aqoursとしてアニサマのステージに立ったことはあるが、ソロでは初めてだ。

 「アニサマは9人でも緊張するんです。一人であんな舞台に立ったことはありません。知らない人にも名前を覚えていただけるように、心に残るパフォーマンスをできれば。自然体であまり気負い過ぎずにしたいです」

 今後の活動について「単独ライブもいつかやってみたいし、1作目でこれだけいい曲を作っていただいたので、次があったら、どうなるんだろう……と気が早いですが想像が膨らみます。これからもやりたいことを見つけていきたいです! ソロの活動は今後のユニットや声優としての活動にもつながるところももちろんあると思います。いろいろなことに頑張っていきたいです」と話す逢田さん。今後も“無色”の逢田さんがさまざまな色を見せてくれそうだ。

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