岡田健史:「変化は当然、現状維持は退化」 野球経験が今も武器に

7月19日に放送されるFBS福岡放送のスぺシャルドラマ「博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?」で主演を務める岡田健史さん
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7月19日に放送されるFBS福岡放送のスぺシャルドラマ「博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?」で主演を務める岡田健史さん

 2018年10~12月に放送された連続ドラマ「中学聖日記」(TBS系)で、主人公に恋する中学生を演じて話題となった俳優の岡田健史さんが初主演を務めるスぺシャルドラマ「博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?」(FBS福岡放送)が7月19日に放送される。俳優デビューする前は高校球児として活躍していた岡田さんは、俳優となった今も「自分が太刀打ちできる、生きていく上で使っていくべきものは野球で培ったこと。それしかない」と語る。「中学聖日記」や今回の初主演となるスペシャルドラマを経て「変化していくことが当然」「現状維持は退化」とストイックな姿勢を見せる岡田さんにスペシャルドラマの見どころや撮影現場の様子について聞いた。

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 ◇ふるさと福岡のドラマ主演に喜び 現場では「気持ちが和んだ」

 ドラマは、新島秋一さんが秋田書店のマンガサイト「マンガクロス」で連載中の同名マンガが原作。東京で暮らす主人公の男子高校生・東京(あずま・みやこ、岡田さん)と、福岡・博多から転校してきた幼なじみの博多乃どん子(福田愛依さん)が織りなすラブコメディーが描かれる。連続ドラマ「今日から俺は!!」(日本テレビ系)などを手がけた高明希さんが企画プロデューサーを務め、映画「ニセコイ」などの小山正太さんが脚本を担当する。岡田さん、福田さんのほか、今田美桜さん、野間口徹さん、森口博子さん、原沙知絵さん、光石研さんなど福岡出身のキャストが集結する。

 ドラマは、同局の開局50周年記念で制作され、福岡の名物など多くの地元ネタが登場する。ただ、「本当に申し訳ないんですけど、野球しかやってきていないので……」という岡田さんは、福岡のおすすめスポットなどを聞くと、少し困った顔を見せた。福岡の祭り「博多どんたく」も「存在は知っているんですけど、参加したことないんです」と話す。

 「上京してからもいろいろな方から『福岡いいよね』『食べ物もおいしいし、住みやすいしいいよね』という声を聞いて、自分のふるさとをそういうふうに言っていただけるのはうれしく思います。ただ、今回のドラマのクラスメート役の方に福岡について聞かれても答えられないことも多くて。遅いのかもしれないんですけど、このドラマが自分の地元のお祭りとか行事ごとについて知りたいと思ったいいきっかけになったのでよかったと思っています」

 撮影現場は、福岡出身者が多いこともあり、博多弁が飛び交っているという。岡田さんは、高校の先生である内藤先生役で出演する光石さんとの共演シーンを挙げて、「本当に父と対面しているかのように感じた部分があった」と振り返る。

 内藤先生が博多弁を使うシーンがあり、スタッフからは「今、光石さん、(せりふを)かんじゃったんですか?」という指摘があったが、実際はかんだわけではなかったという。岡田さんは「かんでないんです。そういう方言だったんです。自分はそれが分かって、伝わったんです。それで『あ、お父さん……』という感じになりました。光石さんが使った方言は、自分の父の世代が使う方言でした。そういうふうに現場で自分の故郷について話せるのはすごく楽しいし、気持ちが和みました」と笑顔で語った。

 ◇野球経験の「全部が今の基盤」 今も生きる恩師の言葉

 俳優としての道を選ぶまでは野球一筋だったという岡田さんは、野球を通して学んだことを「武器として使わざるを得ない。それしかない」と語る。野球経験は、どのように今の仕事に生かされているのだろうか。

 5月に20歳の誕生日を迎えた岡田さんは「自分は11年間、野球をやってきて、単純計算でも人生の半分以上は野球をやってきた。だからこそ、その時に学んだことや、楽しかった思い出、苦しかったこと、うれしかったこと、つらかったことも全部、今の自分の基盤となっていると信じているんです。野球以外の世界に入ってみて、当時学んだことが生きてると分かることがすごくうれしい」と力を込める。岡田さんは、高校時代の野球部の監督が言っていた「気付きの多さが勝敗を分ける」という言葉を大事にしているという。

 「野球では、『あのピッチャーのくせはどこだろう』『相手の監督はどういうくせがあって、この場合はどんな作戦が来るだろう』と考える。試合の時に考えて判断ができるように、日ごろからゴミが落ちていたら拾うとか、視野を広くしていないと気付くことすらできないんです。今の現場でも、相手役の方が演技を変えてきた時に自分が反応できるか、できないかは、そういうところなんじゃないかなと思います」と説明した。

 ◇課題が見つかるのが楽しみ 「変化は当然」

 そんな岡田さんは今、「芝居がすごく楽しい」と笑顔を見せる。今回の初主演を「めちゃくちゃありがたいこと」とした上で「周りを引っ張っている意識もないですし、正直主演と思っていないです。前作に比べて、自分が足りなかったところを今回の作品でやってみるとか、挑戦して自分のものにしてみたいとか、前作とは全然違う今回のラブコメディーで自分がどんな役割を果たすことができるか。作品が出来上がった時にどういった課題点が見つかるのか、すごく楽しみなんです」と声を弾ませる。

 さらに、俳優デビューをして周囲の環境が大きく変化する中で、自分自身の体質なども変化しているといい、「変化していくことが当然だと思いますし、変化しないほうが怖い。年齢はどんどん老いていくのに、自分が現状維持だったらそれは退化だと思う。自分が変わること、周りの環境や反応が変わることは恐れずに、どんどん積極的に取り組んでいきたい」と語った。

 デビュー作となった「中学聖日記」と比べ、コミカルなシーンも多く、同世代同士の甘酸っぱい恋が描かれる「博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?」。がらりと変化した岡田さんの新たな魅力が発見できそうだ。

 ドラマは、7月19日午後7時にFBS福岡放送で放送。放送終了後に動画配信サービス「Hulu」で配信。

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