ちいかわ
第345話 試験の夢
5月22日(金)放送分
ディズニー/ピクサーのアニメーション最新作「トイ・ストーリー4」(ジョシュ・クーリー監督)が、7月12日から全国で公開される。日本語吹き替え版で、カウボーイ人形・ウッディの声を担当する俳優の唐沢寿明さんと、今回、ウッディたちおもちゃに新しく加わる仲間、フォーキーの声を担当する俳優の竜星涼さんに、作品の見どころや役作りについて聞いた。
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「トイ・ストーリー4」は、2010年に公開された前作の“その後”を描く。ウッディたちの新しい持ち主の少女ボニーが、幼稚園で、先割れスプーンを利用しておもちゃを作る。ボニーはそれをフォーキーと名付け、以来、フォーキーはボニーのお気に入りのおもちゃに。ところが、自分をゴミだと思っているフォーキーは、ゴミ箱を求めて逃げ出してしまう。ボニーのためにフォーキーを連れ戻す旅に出たウッディは、旅先で、かつての仲間ボー・ピープと再会することになる……というストーリー。
唐沢さんは、1995年公開の1作目に始まり、スピンオフ作品やテレビの短編でもウッディの声を担当してきた。勝手知ったるウッディの声と思いきや、久しぶりの吹き替えは「最初はなかなかテンションが上がらずうまくいかなかったんです。自分では上げていたつもりだったんだけど、何度か聞き直したら実際あまり上がっていなくて」と打ち明ける。
そうはいっても、唐沢さんのウッディは健在だ。「トイ・ストーリー」シリーズは、吹き替え版でなければ見た気がしないという声も聞く。それについて唐沢さんは、「それは、これだけのシリーズになったからなわけで、もしかしたら『1』で終わっていたかもしれない。僕も最初はオーディションで選ばれているので偶然といえば偶然の話だし、『4』までできて、アトラクションもできたりして、会う人会う人から『トイ・ストーリー』好きですといわれることが増えて、そういう意味では、ありがたいと思います」と感謝する。
一方、竜星さんは、オーディションでフォーキー役に決まったときの心境を、「素直にうれしかったですね」と振り返る。竜星さんは1993年生まれ。1995年に1作目が作られた「トイ・ストーリー」は子供のころから見ていて、「いつの間にか自分も一緒に育ってきました。ありがたいことにこういう仕事をさせてもらえて、しかもそんな作品の続編に参加することができて、こういうこともあるんだなあ」と感慨もひとしおのよう。
半面、初めてのアニメーションの吹き替えについては、「聞き取りやすい話し方で表現していく難しさというか、奥深さというか、そういうところは新しい発見であり、すごい挑戦をさせてもらえたと思います」と襟を正す。
そんな竜星さんに好きなせりふをたずねると、「台本を開いてまず感動したのは、『ウッディ』というせりふを言えることでした。シリーズをずっと見てきた人間からすると、その世界観に入って、『ウッディ』と呼べている自分がいる。『トイ・ストーリー』だからこそ言えるせりふじゃないですか。それはうれしい限りでしたね」と顔をほころばせる。
それを隣で聞いていた唐沢さんは「竜星の立場からすると、こういうヒットしたアニメーションの世界に入れることで、すごく盛り上がってくるところはきっとあると思う。どう考えたって、やっぱり残る作品だからね」としながら、シリーズが長く続けば、観客の期待に応えられない作品が出てくる可能性があることに触れ、「その(作品の)ときに竜星が入ってこなくてよかったなと思っています(笑い)」と、同じ事務所の後輩である竜星さんを思いやる。
1作目で少年だった、ウッディたちの持ち主アンディは、前作の「3」で大学に進学することになり、ウッディたちを少女ボニーに託した。唐沢さんはそういったシリーズの歴史を踏まえ、「これは、ちゃんと、『1』から見ている子供たちを成長させる話になっているんです。おもちゃで遊んでいた男の子が、大学生になったらおもちゃは持たないだろうと。みんな、ちゃんと大人になろうねという話なんです」と指摘する。
その上で、今回の「4」の“二つのポイント”を挙げる。一つは「自分で自分のことを選ぶという、ちょっと大人っぽい話」になっていること。もう一つは、フォーキーというキャラクターを出すことで、「おもちゃは、いつも買い与えられるばかりではなく、時には自分で想像力を働かせて、近くにあるもので作ったりするものなんだよと教えている」こと。そういったたことを表現しているところに、「ディズニーのすごさ」を感じるという。
フォーキーは、ボニーがプラスチック製の先割れスプーンを“再利用”して作ったおもちゃだ。そこにエコロジーを意識したテーマを感じるが、竜星さんは「こういうおもちゃじゃないものから(おもちゃを)作って、それをおもちゃというふうに取り上げるという発想がすごいですよね。たぶん、小さい時に作ったものって、自分もそうだったろうけど、(人にはゴミのように思えても)自分からしたらおもちゃだったろうし」と自身の体験を踏まえて話す。
その言葉に唐沢さんがうなずきながら、「消しゴムを机の上で転がすのだって、鉛筆を回すのだって(子供には)遊びだったからね。子供って、持っているもので何かするんだよね。いつも与えられているだけでもだめだし」と続け、今作が、「自分で自分のことを選ぶ」、すなわち「自立」についても描いていることから、「この作品は、大人が見ても思うところがきっとあるんじゃないかな。自立できない大人って、今、いっぱいいるからね。だからこれは、(そういう大人に向けて)自立しろよ、ちゃんと、という映画でもあるんです」とメッセージを送った。
(取材・文・撮影/りんたいこ)
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