知英:特殊メークで100キロ超え女子に「また変わった役がきた」 コメディー演技に苦戦

主演映画「どすこい!すけひら」について語った知英さん
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主演映画「どすこい!すけひら」について語った知英さん

 女優で歌手の知英さんの主演映画「どすこい!すけひら」(宮脇亮監督)が11月1日に公開された。清智英さんが原案、たむら純子さんが画(え)を担当した同名マンガが原作で、元おデブ(どすこい)の鈍感女子を巡る三角関係ラブコメディー。主人公の綾音を演じた知英さんに、体重100キロ超えの特殊メークやコメディー演技、主演を務める心境などについて聞いた。

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 ◇自身の特殊メーク姿は「好き」

 今作へのオファーを聞いた際、「また変わった役がきたなって」と知英さんは笑い、「同じ人なのですが、ある意味一人二役やる感じなので、そういうのをどうやって演じようかとか、あれほど大きい体になったことがないので、どういう感じになるんだろうなと思い、楽しみな気持ちが大きかった」と当時の心境を振り返る。

 公開前から話題となっていた特殊メークについて、「丸くて可愛いけど、最初は自分で自分を見るのが嫌だったくらい(笑い)。やばいじゃんって思った」と戸惑いつつも、「結構楽しんでいました。踊ったりしても味が出るし、動き一つ一つ可愛くて好き」と笑顔も見せる。

 特殊メークは「事前に自分の顔の形を取って、現場では2~3時間くらいかけて作り込んでいた」と説明し、「暑いから余計に重く感じたし、“動くサウナ”みたいで汗がずっと出ていて大変でした」と苦労を語った。

 もし普段、体重100キロ超の体形だったら……と尋ねると、「思いきり食べたい!」と知英さん。「ラーメンを4杯くらい食べて、フライドチキンもめっちゃ食べて、ケーキもめっちゃ食べて、アイスもめっちゃ食べてみたいな。そういう生活をしてみたい」と楽しそうに話し、「あと、すごく抱き心地いいんだろうなって(笑い)。性格が良ければすごくモテモテな人になれるんじゃないかなと思いました」と話す。

 ◇コメディー演技のバランスに苦戦

 役作りで、知英さんは「痩せた自分をなかなか受け入れられず、どうすればいいんだろう……みたいな役だったので、自分は(痩せた後の状態は)普段の私なので慣れているけど、ヒールに慣れない雰囲気などを出そうと考えながら、体形変化の前後で差をつけたりした」といい、「細かいところですが、気づいてくれる方がいたらうれしいのは、太ったときの洋服をそのまま着ているところ。やせたときにぶかぶかで着ている可愛さをファッションで見せるのは、衣装合わせのときに相談しました」とこだわりを明かす。

 コメディー演技に関しては、「難しい」と切り出し、「やり過ぎるとわざとらしいし、何かやらないと足りない。その加減が難しかった」と説明。さらに「綾音としては笑わせるためにやっていない動きとか行動とかが、みんなから見たら面白いのだろうし、きょとんとしている感じが逆にみんなに面白く見えたりするところ」といい、「コメディーだと考え過ぎると結構プレッシャーがあったので、コメディーとは思わず綾音のそのままを見せようと思った」と撮影時の心境を明かす。

 ◇今後挑戦してみたい役は…

 今作では主演として“座長”の役目も担ったが、「主演というのに慣れなくて……。主演として引っ張っていかなきゃいけない部分もあると思いますが、役にいっぱいいっぱいでできなかったことがあったかもしれない」と反省を口にし、「みんなと楽しくやりたいという気持ちでした。楽しませたいとか引っ張っていかなきゃとかではなくて、みんなと楽しくやりたいと思っていた。それが伝わればいいのかなって」と自然体で臨んだという。

 ドラマ「オーファン・ブラック~七つの遺伝子~」(東海テレビ・フジテレビ系)では一人七役、映画「暗殺教室」では“セクシーな殺し屋” イリーナ・イェラビッチ、「レオン」では竹中直人さんと入れ替わる役など、知英さんは個性的な役を演じている印象が強い。

 今後、挑戦してみたい役を聞くと、「普通の女の子をやりたい」と回答。「WOWOWのドラマ(『そして、生きる』)で普通の女の子をやっていますが、また普通の女の子でいろんなジャンルの作品に出演したい」と思いをはせる。

 今作の見どころについては、「綾音はとにかく一生懸命生きている子なので、応援したくなる気持ちにきっとなると思う。でも、綾音に勇気をもらう自分もなんだかいて。いい意味で何も考えずに笑いながら、悩みも吹き飛ばしながら楽しんでほしい」とメッセージを送った。

 (インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)

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