名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回はテレビアニメ「Fate/Grand Order -絶対魔獣戦線バビロニア-」です。アニプレックスの黒﨑静佳プロデューサーに、作品の魅力などを語ってもらいました。原作はスマートフォン用RPG「Fate/Grand Order(FGO)」。
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主人公の藤丸立香とヒロインのマシュ・キリエライトが“失われた未来”を取り戻すため、「特異点」と呼ばれる、異常の発生している過去へ飛び、人類史に名高い英雄と共に、その異常を修復していく……ものすごくざっくり説明すると、そのような物語です。
全部で七つある特異点のうち、今回テレビアニメ化しているのはその七つ目。紀元前2655年の古代メソポタミアが舞台です。本来ならばギルガメッシュ王が君臨していた神話の時代。けれど、藤丸とマシュがたどり着いたメソポタミアでは、女神たちが魔獣と共に人類を滅ぼそうとしている異常が起きていました。その異常を、ギルガメッシュ王の力を借りながら、藤丸とマシュが原因究明、解決していく……というのが作品の概要です。
一言で言うなら「紀元前を舞台にした壮大な冒険活劇!」。神様が当たり前のように人間と共存していた時代に、その神々に立ち向かう人間の姿を描いた、濃密で、熱く、胸躍る物語です。
まずファンの皆さまに楽しんでいただくためには、ゲーム「FGO」をプレーした時の感情と同じ感じを作ることを意識しています。「第七特異点 絶対魔獣戦線 バビロニア」の物語は、賢王ギルガメッシュをはじめとするサーヴァントたちと共に人類存亡の危機に立ち向かう冒険活劇。ゲームをプレーした時に皆さんが感じた、胸躍るドキドキワクワクの高揚感や感動を、テレビアニメでも再現することを大事にしています。そのために、テレビシリーズの長いスパンを掛け、いろいろな所を旅して、いろいろな人と出会う原作「FGO」のロードムービー的な面も、できるだけ忠実に描くことをコンセプトとして考えています。
テレビアニメから初めて「FGO」に触れる方にも、何も前提となる知識が無くても冒険活劇もの、ファンタジーものとして、キャラクターの魅力や戦闘の華やかさなどで興味を持っていただける作りになっていると思います。壮大な古代の土地での神々の規格外の戦いや、それにあらがう人々のドラマに注目して見ていただければ!
--作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?
純粋に自分もゲーム「FGO」の一ファンですので、「第七特異点」をプレーした時の高揚感や感動を、映像で余すことなく再現してもらえているという点は大いにうれしく、心躍る作業に立ち会わせてもらえているなと痛感しています。自分がゲームで歩んできた旅路が視覚化した時のワクワクは、皆さんにも感じていただけているのではないでしょうか。
(アニメを制作する)CloverWorksのスタッフさんが各キャラクターのゲームの戦闘モーションや各サーヴァントの逸話、設定を入念に研究してくださり、その上でアニメならではの解釈でアクションに落とし込んでくださっているので、どのサーヴァントにも新鮮な驚きと発見をもって再会できることを、非常にうれしく感じています。赤井(俊文)監督のバランス感覚が素晴らしく、「FGO」好きに刺さる細かな描写と、知らない人でも楽しめるキャラクターの魅力やエンタメ性が絶妙に共存した作品になっています。
大変だったことは……ウルクの風俗描写でしょうか。制作当初は、紀元前2655年のウルクと言っても、人々はどんな家に住んで、どんな服を着て、どんな仕事をして、露店では何を売っていて、何を食べているのか……。資料が無く、さっぱり分かりませんでした。ただ、この物語はそんな「メソポタミアの人間の営み」が後のストーリーの重要なポイントになってくるので、おろそかな描写は絶対にできない。そこで、自分たちで海外の文献を買ったり、博物館に行ったりしつつ、当時のメソポタミア事情に詳しい考証の方に参加してもらい、当時の風俗が分かる資料をいただいたり、絵コンテや作画のアドバイスをいただいています。フィクションではありますが、風俗描写は結構忠実に描かれているかなと思います。
全話です! とお伝えしたいくらい、全エピソードのアクションやキャラクターの格好良さやら可愛らしさやら壮大なメソポタミアの姿やら、とにかく見どころ満載です!
その中であえて取り上げるなら、ついに旧知の友同士が邂逅(かいこう)を迎えたエピソード5、そして前半のターニングポイントとなるエピソード8でしょうか。エピソード5は、アニメならではの「市井の人々と触れ合うギルガメッシュ王」が描かれているのに注目していただきたいです。今まで玉座にいた姿とは違う表情を見せていて、なかなか新鮮に感じられたのではないでしょうか。相対する人物が違えど、“賢王”たる風格が変わらないのはさすがですね……!
転じて後半のエルキドゥとの戦闘では、エピソード3とはまた違ったギルガメッシュ王の戦いっぷりが描かれました。エルキドゥが見せた違和感は何なのか?この二人の関係は……? アクションだけではなく、この邂逅が後々、物語の重要なポイントになってきますので、ぜひ今後も見返していただければうれしいです。
エピソード8は前半のターニングポイントとなる、ある壮大な戦いが繰り広げられます。特にレオニダス一世と牛若丸が格好いい!! 優劣がつけられないくらいアニメ現場でもキャラクターの人気は分かれているのですが、この二人はアニメ化の企画の中で、特にスタッフの人気が上がったキャラクターです。彼らの英雄たるゆえんを、説得力のあるアクションでご覧になっていただけると思いますので、ぜひご注目ください。
「Fate」シリーズというだけではなく、実力ある素晴らしいスタッフが結集したおかげで、アニメーションとして非常に見応えのある作品になっていると思います。ぜひそういった部分でも注目して見ていただきたいですし、まだご覧になったことがない方は、エピソードの導入となる「Episode 0 Initium Iter」が各サイトで配信中ですので、そこから見ていただけると物語に入りやすいかと思います。
「Fate」シリーズのすてきなところは、一度出会ったり別れたりしたキャラクターとまたどこかの物語で再会できるところ。今回初めてシリーズに触れた方には、ぜひこの「バビロニア」の物語の中でお気に入りのキャラクターを見付けて、興味があればゲーム「FGO」をダウンロードして、キャラクターたちとあなただけの新しい旅を始めてもらえたらうれしいです。
アニプレックス 黒﨑静佳プロデューサー
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2024年12月22日 23:00時点
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