玉森裕太:「グランメゾン東京」平古祥平はハマり役? 努力の料理人との“共通点”

Kis-My-Ft2の玉森裕太さんが出演する連続ドラマ「グランメゾン東京」第8話のワンシーン(C)TBS
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Kis-My-Ft2の玉森裕太さんが出演する連続ドラマ「グランメゾン東京」第8話のワンシーン(C)TBS

 木村拓哉さん主演の連続ドラマ「グランメゾン東京」(TBS系、日曜午後9時)に、平古祥平役で出演している「Kis-My-Ft2(キスマイフットツー)」の玉森裕太さん。祥平は天才フレンチシェフの尾花夏樹(木村さん)の下で修業し、努力を積み重ねた末に二つ星レストラン「gaku」のスーシェフまで上り詰めた人物だが、役を演じる玉森さんに対しても、「人の心をわしづかみする演技!」「玉森くんの演技の成長をすごく感じる!」といった視聴者の声が聞かれる。キスマイのメンバーとして歌やバラエティーで活躍する一方、2009年にドラマと映画に初出演し、今年で俳優活動10年になる玉森さんと、“努力の料理人”祥平との共通点は……。

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 ◇俳優キャリア10年で着実に演技力を高めてきた

 玉森さんは、キスマイとしてCDデビューする前の2009年、仲間由紀恵さん主演の「ごくせん」シリーズ(日本テレビ系)で生徒らのリーダー格・高杉怜太を演じ、ドラマと映画に初出演した。同シリーズは若手俳優の登竜門として知られ、「嵐」の松本潤さん、「KAT-TUN」の亀梨和也さんら、メインとなるリーダー格の生徒を演じブレークを果たしたことでも有名だ。

 2011年には韓国の大ヒットドラマをリメークした「美男(イケメン)ですね」(TBS系)に主演。2013年には連続ドラマ「信長のシェフ」(テレビ朝日系)で単独初主演を務めた。同作は当初、午後11時台の「金曜ナイトドラマ枠」での放送だったが、翌年の第2シーズンではゴールデン帯に進出するほどの人気作となった。主演作ではないが、2017年放送の連続ドラマ「リバース」(TBS系)では、主人公の大学時代の友人で、教師の浅見康介を好演。これまでのイメージを一変させ、クールながらも優しく、時に厳しく教え子たちに接する“大人の魅力”や、シリアスなシーンで見せた演技などが話題となった。

 今年5月に公開された映画「パラレルワールド・ラブストーリー」でも主演を務めた玉森さん。メガホンをとったのは映画「宇宙兄弟」「聖の青春」などの森義隆監督で、玉森さんに「意識的に引き込む力を使え」と言い続けたという。そして、「撮影終盤は、僕が彼の新たな側面を引き出していると思っていたら、いつの間にか僕が彼に引き込まれていて……っていうくらい、この作品に彼が注いでくれたものには高く評価しています」と絶賛するほどで、玉森さんは見事に期待に応えた。俳優として積み上げた10年のキャリアの中で、“座長”としての存在感を示しつつ、森監督の言う「引き込む力」を醸成させるなど、演技力を高めてきた玉森さんは、まさに努力の人と言えよう。

 ◇努力の料理人を演じるため必死に「料理と向き合った」

 「グランメゾン東京」における祥平は、尾花の下で「エスコフィユ」で修業。しかし、アレルギー物質混入事件のあと帰国し、京野陸太郎(沢村一樹さん)の紹介で一流ホテルのブッフェレストランのシェフを最年少で務めるまでに実力をつけた。その後、婚約者・蛯名美優(朝倉あきさん)の父・西堂(岩下尚史さん)との約束を破り、ホテルを辞めることになった末、「gaku」のスーシェフに就任した。

 玉森さんは、制作発表会見で、祥平を演じるにあたり「普段、あまり料理をしないので、手慣れている感じや仕草が出るよう、撮影に入る前に料理と向き合いました。努力しました」と打ち明けながら、自信をみなぎらせていた。劇中でも、祥平の料理シーンは動作のスピード感など、実際の料理人と比べても見劣りしない。そして、料理シーンは手を動かしながらせりふを言うなど難易度の高い演技を求められるが、玉森さんは難なくこなしているように見える。SNSでも「動作が細かい」「視線や表情の演技が繊細」といった声も上がっていた。

 また、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で配信されている、オリジナルストーリー「グラグラメゾン・東京 ~平古祥平の揺れる思い~」では、祥平が美優と松井萌絵(吉谷彩子さん)に翻弄(ほんろう)されるストーリーが展開しているが、祥平が酔っ払って、美優の愚痴を言ったり、松井にキスされたりと、本編とは雰囲気が違う玉森さんのチャーミングな演技が楽しめる。視聴者からも「同じ作品なのに祥平が違う人物に見える!」「グラグラメゾンの祥平、可愛い」といった感想がSNSに書き込まれているほどで、同じキャラクターを演じていても作品のテイストに合わせて、表現を使い分けていることがうかがえる。

 ◇尾花に憧れる祥平さながら、玉森も木村を“カリスマ”と尊敬

 そんな玉森さんは今回、事務所の先輩の木村さんとドラマ初共演が実現した。祥平は尾花に憧れてフランスに渡ったという経緯があるが、玉森さんもインタビューで木村さんについて「小さい頃から観ていたので”カリスマ”というイメージがあった」といい、その上で「いろいろとアドバイスをいただきたい」と、尾花に憧れる祥平同様、木村さんへの尊敬も口にしていた。尾花と祥平による料理シーンは木村さんと玉森さんの関係性が垣間見える印象的なシーンになっていて、見る者をワクワクさせる、高揚感あふれる時間となっている。

 傲慢だった尾花の下で実力を磨き、その後も努力したからこそ、京野や相沢瓶人(及川光博さん)、丹後学(尾上菊之助さん)から一目置かれる存在となった祥平。玉森さん自身も、10年の俳優キャリアで積み上げた経験と醸成させた「引き込む力」を祥平というキャラクターに昇華させたからこそ、木村さんをはじめ、沢村さんや及川さん、菊之助さんといった“先輩たち”の中でも埋没せずに存在感を発揮できているのではないか。

 ドラマは12月8日放送の第8話から最終章に突入。尾花の料理の師匠である料理人・潮卓(木場勝己さん)が登場し、尾花は「グランメゾン東京」で潮に料理を提供するが、潮はほとんど手を付けずに怒って帰ってしまう……という展開で、予告編では、祥平が涙を流すシーンなどが収められている。「エスコフィユ」で起きたアレルギー物質混入事件の“犯人”とされる祥平だが、視聴者からは「首謀者がいるのでは…」という声も上がっている。玉森さん演じる祥平が、今後のストーリーにどう影響を与えていくのか、目が離せない。

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