ディーン・フジオカ:「シャーロック」「モンテ・クリスト伯」“古典作品”が似合う理由 ドラマPが語る無国籍感とユーモア

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連続ドラマ「シャーロック」で主演を務めているディーン・フジオカさん(C)フジテレビ

 12月16日に最終回を迎える、フジテレビ系の“月9”ドラマ「シャーロック」(月曜午後9時)で主演を務めている俳優でミュージシャンのディーン・フジオカさん。古典小説をドラマ化した、連続ドラマ「モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐(ふくしゅう)-」、スペシャルドラマ「レ・ミゼラブル 終わりなき旅路」でも主人公を演じたディーン・フジオカさんだが、アーサー・コナン・ドイルが生んだ世界一有名なミステリー小説シリーズを原作とした今作では、シャーロック・ホームズをモデルとした誉獅子雄を好演している。3作のプロデューサーを務めた太田大さんに、ディーン・フジオカさんの魅力を聞いた。

 ◇海外ドラマを見ているような錯覚… 海外を渡り歩いた無国籍感も

 ディーン・フジオカさんは高校卒業後、米国に留学。大学卒業後、香港に渡ってモデルとして活躍し、俳優デビュー。その後、台湾に拠点を移し、数々のドラマや映画に出演。2014年にドラマ「荒野のピンカートン探偵社」で全米デビュー。日本でのドラマデビュー作は、2015年放送の「探偵の探偵」(同系)で、調査員の桐嶋颯太を演じ“逆輸入俳優”として脚光を浴びた。その後、出演したNHKの連続テレビ小説「朝がきた」で五代友厚、連続ドラマ「ダメな私に恋してください」(TBS系)では黒沢歩を演じ、さらなる話題を集めた。アジアの縦軸を中心に、語学力と多方面の才能を活かし、俳優だけでなく、ミュージシャンとしてもボーダレスに活動している。

 ディーン・フジオカさんは、2018年放送の「モンテ・クリスト伯 -華麗なる復讐-」で、普通の漁師だったが、多大なお金と知識を得て自身を陥れた人物たちに復讐する主人公の柴門暖(=モンテ・クリスト真海)を演じた。太田さんは、海外を渡り歩き、歌、作詞作曲もできるミュージシャンとして活躍するディーン・フジオカさんの多才なイメージが「悠然とした真海のイメージに合うと思いました」と振り返る。

 そして、過去に罪を犯して別人に成り代わって生き抜いた馬場純(ディーン・フジオカさん)と事件の被害者遺族で彼を追い続けた刑事の斎藤涼介(井浦新さん)との姿を描いた、今年1月放送のスペシャルドラマ「レ・ミゼラブル」。太田さんは「馬場純のモデルとなったジャン・バルジャンは至誠な人。モンテ・クリストとは違い、正義感はあるが正義のヒーローではない市井に生きる単なる1人の男。ディーンさんのイメージとは少し離れたところにあるかなと思い、だからこそチャレンジしていただきたいと思った」と説明。SNSでも、その演技に「光るものがあった」「新たなジャンが見られた」などと、絶賛の声が上がっていた。

 「シャーロック・ホームズ」シリーズを原作とした映像作品は、海外作品やアニメなどこれまでにも数々の名作が世に送り出されてきた。今回の「シャーロック」の獅子雄は、「自分の動物的な勘を信じて突っ走り、男性的な色気があるキャラクター」を打ち出した。日本語、英語、中国語などを話すことができるディーン・フジオカさんの知性の高さは「事件を推理するシャーロック・ホームズの頭脳明晰(めいせき)なところにイメージが合います」と話し、「ボクシングに精通していたり、男性的な一面もたけていらっしゃるので、そういう部分を引き出したかった」と説明する。

 ディーン・フジオカさん本人も、自由気ままな性格の獅子雄について「興味の対象が分かりやすく、衝動的な行動をする部分がうらやましい」と語り、「科学的、論理的に謎を解くだけでない、そういった獅子雄のイメージを愛しています」と、楽しみながら役を演じているのをうかがわせていた。

 「シャーロック」でのディーン・フジオカさんの演技には、どこか海外ドラマを見ているような錯覚すら覚えてしまう。いわゆる“古典”の名作が原作のドラマに、ディーン・フジオカさんを起用し続けた理由について太田さんは「作品に入り込む力など、ディーンさん自身が持つ俳優としての魅力がある。誰もその位置にいない無国籍感、浮世離れしたミステリアスな雰囲気がある」と力説する。

 ◇プロデューサーの人となりも知ろうとする知的好奇心 「ディーンタピオカ」のユーモア

 太田さんは、ディーン・フジオカさんとの作品作りは「とても楽しく、触発されることがたくさんある」と声を弾ませる。「撮影などのアイデアを提案し、自分たちのプロジェクトについて真剣に話し合ったりする」一方で、「『ドラマとは関係のない話』で盛り上がる」という。

  「ドラマと関係のない話」の一つとして、太田さんは、ある時自身がこれまでにやってきた仕事の話になって、ディーン・フジオカさんからドラマ制作の前に在籍していた編成部の仕事内容を詳しく聞かれたエピソードを挙げる。「知的好奇心が強いのだと思います。おそらく、その人がどういう道筋を歩んできたかを知ることで、そこに何か生まれるものがないかを自然と考えるのかなと。他のスタッフと会話している風景を見ていても、この人とこういう話をしたら高め合える、もしくは楽しめる、ということを考えながら会話をされているなと、すごく感じます。ポジティブだし周囲を自然とリスペクトされる方だなと、いつも感心しています」

 また、ディーン・フジオカさんが、撮影現場に「ディーンタピオカ」を差し入れし、話題にもなった。さらに、撮影に入る前に行われたリハーサルに、ディーン・フジオカさんが「SHERLOCK HOLMES」とプリントされたTシャツを着ていたことがあったといい、太田さんは「ユーモアがあり、人を楽しませようとする、まさにエンターテイナー」と断言していた。

 他の俳優にはない“無国籍感”や浮世離れした雰囲気、優れた洞察力と知的好奇心、さらに共演者やスタッフを楽しませるユーモアがあるディーン・フジオカさんだからこそ、動物的な勘で突っ走ったり、おちゃめな言動で視聴者をクスッとさせるような“獅子雄像”を造形できたのではないだろうか。太田さんも「かっこいい獅子雄像を創りあげていただき、とても満足しています」と“ディーン獅子雄”に太鼓判を押す。

 モンテ・クリスト、ジャン・バルジャン、シャーロック・ホームズ……。古典原作のドラマに挑戦し続けてきたディーン・フジオカさん。SNSでは次回作に「オペラ座の怪人」「ジキルとハイド」などを期待する声も上がっている。多くのドラマが世に送り出される令和の時代に、「この人にあれをやってほしい」と次回作を期待する声が上がること自体がディーン・フジオカさんの魅力のたまものだといえるだろう。無国籍感とユーモアの“マリアージュ”で不世出のエンターテイナーのディーン・フジオカさんは、これからもさまざまな意欲作で我々を楽しませてくれるはずだ。

 「シャーロック」の最終回は、かつて獅子雄の推理により拘置所に送られた元警視庁捜査2課の市川利枝子(伊藤歩さん)らが脱走。その中に守谷もいて……というストーリー。12月16日午後9時から放送。

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