衛藤美彩:乃木坂46卒業後も充実した日々「今を大事に生きている」 初主演映画「静かな雨」公開

映画「静かな雨」について語った衛藤美彩さん
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映画「静かな雨」について語った衛藤美彩さん

 アイドルグループ「乃木坂46」の元メンバーで女優の衛藤美彩さんが映画初出演・初主演を果たした映画「静かな雨」(中川龍太郎監督)が2月7日に公開された。俳優の仲野太賀さんとのダブル主演で、衛藤さん演じる事故によって短期間しか新しい記憶を留めておくことができなくなった・こよみと、仲野さんが演じる、こよみと向き合う心優しい青年・行助のラブストーリー。昨年3月31日に同グループを卒業し、「何もかもが変わりました」と話す衛藤さんに卒業後の変化や女優業などについて聞いた。

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 ◇「自分の時間を大切に生きていきたい」と卒業 女優として「なんでもやります!」

 グループからの卒業を決めたきっかけの一つとして「自分の時間を噛みしめて、大切に生きていきたいと思ったんです」と話した衛藤さん。「昨日のご飯に何を食べたのか覚えていなかったり、世界で何が起きているかも分からない日々でした」と多忙だった日々を振り返った。同作で演じた、たい焼き店を営むこよみを例に出し「派手な暮らしではないけどささやかに、丁寧に、今を大事に生きているところは、今の自分に重なる部分です」と充実した日々を過ごしている様子をうかがわせる。

 これまでの女優としての活動を「演技が好きなのか苦手なのかも分からないまま携わってきました」と吐露。今回の撮影では中川監督から「衛藤さんらしさを出してほしい」と言われたことが印象に残っていると話し、「具体的に言われるよりも、(演技を)任せてもらうのはうれしいです」とにっこり。新しい自分を引き出してもらうことを楽しんだ様子で「なんでもやります!」と今後、女優としてさまざまな役に挑戦する意欲を見せた。

 また「撮り終わった時よりも(同作への)愛おしさが深まっていて、映画っていいなって思いました。まだ映画界に片足しか入っていないけど、またやりたいなとやっと実感してきました」と公開を控えた心境を語った。

 ◇緊張のクランクインは「太賀君に甘えさせてもらった」 たい焼きの“修業”も

 映画は、映画化もされた小説「羊と鋼の森」で知られる宮下奈都さんのデビュー作が原作。一日一日を大切に生きる、こよみと行助の心情を美しい映像で描いた。

 撮影初日は緊張したようで「いっぱいいっぱいだったので、太賀君に甘えさせてもらいました」と振り返った衛藤さん。仲野さんについて「役へのアプローチだけじゃなく作品全体を見ていて、現場では太賀君が引っ張ってくれました。撮影以外でもスタッフを交えてご飯に誘ってくれたりしました。(乃木坂46の元)メンバーの若月(佑美)さんとドラマで共演していたり、同い年なので話しやすくて、緊張も解けた気がします」と話し、感謝した。

 こよみがたい焼き店を営んでいることから、この日はたい焼き店「鯛福茶庵 八代目澤屋」(名古屋市中区)でインタビューを実施。たい焼きの鋳型は鉄製で1個3キロ近くあるが、衛藤さんは映画の撮影に入る前に「たい焼きを作りながら会話もできるように準備をしました」と話し、この日も笑顔で鋳型を持ち上げていた。

(取材・文・撮影/水野由美子)

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