ゴゴスマ石井亮次アナ:フリー転身で夢は大きく「あの国民的番組の司会」 勤続20年も新型コロナで送別会は自粛

取材に応じた石井亮次アナウンサー
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取材に応じた石井亮次アナウンサー

 平日午後に生放送されている情報番組「ゴゴスマ~GOGO!Smile!~」(CBCテレビ・TBSほか、月~金曜午後1時55分)で司会を務めるCBCテレビの石井亮次アナウンサー(43)が3月31日付で、同局を退社する。フリー転身を前に「不安ばかりで、眠れない夜も多いです。でも、また一からなので楽しみという気持ちや、どうなるんだろうというワクワクもあります」と語る石井アナに、退社の理由や今後の展望を聞いた。

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 ◇変わるのは入館証の色だけ? 「人生一度きり」と新たな一歩

 フリー転身後もゴゴスマの司会を務める石井アナ。これまでと同じく名古屋に住み、3度開催したトークライブも続けるという。「午前8時に会社に来て午後4時までゴゴスマをやって、その後1時間、反省会と翌日に向けての会議。この生活や行動パターンはなにも変わらないですね。あえて言えば(CBCテレビの)入館証の色が変わるとか、会社のパソコンから自分のパソコンに変わるとか、アナウンス部の机がなくなってゴゴスマ班に机を作ってもらうとか。(ゴゴスマでの司会の)スタイルも今までと一緒です」と明かす。

 フリーとなるきっかけは2018年に、この4月から所属することになる芸能事務所に話を持ちかけられたこと。「そのときは『全然、考えていません』と(答えました)。でも、そんな人生もあるのかなと、いろいろ考えて妻に相談したら『やりたいなら、やったらいいじゃない』と言ってくれたので、言われるまま乗ってみようかと気持ちになりました」と振り返り、「中長期的な計画はないんです。人生一度きりという気持ち」と新たな一歩を踏み出す。

 ◇フリーアナウンサーではなく「ゴゴスマ石井亮次」で

 今年8年目を迎えたゴゴスマの司会を続けることは自ら希望し、現場も石井アナの続投を受け入れてくれたという。局アナが退職してフリーになる場合、「フリーアナウンサー」という肩書が一般的だが、石井アナは「フリーアナウンサーというのも……。肩書は『ゴゴスマ』。新しい名刺にも『ゴゴスマ石井亮次』と書きました」と番組への強い思いをにじませる。

 ゴゴスマは、2013年4月1日に東海エリアの番組として放送をスタート。2015年からTBS(関東エリア)でも放送を開始したものの、視聴率は低迷。打ち切りもささやかれる状態から試行錯誤して、昼の番組として定着した。現在は1都1道27県、19局で放送されている。

 石井アナは「スタッフと地を這(は)うようなところからやってきて、まだ夢半ば。自分が50歳になっても60歳になってもやりたい番組」と力を込める。これまでもさまざまな番組に“ゴゴスマの石井”としてゲスト出演してきたが、会社員としては時間的な限界もあった。

 「ゴゴスマを1日でも長く、一人でも多くの人に見ていただくために、今以上に全力投球したい。名古屋の番組が東京で放送される、このチャンスを生かしたい。(自分が)フリーになって、ほかの仕事はすべてゴゴスマを知っていただく、見ていただくきっかけになれば」という思いが、退社を決断する大きな理由の一つになったという。

 退社の発表後には、社内をはじめ、ゴゴスマの出演者や、これまでに共演したアナウンサー、タレントからも励ましの言葉がたくさん届いたといい「ありがたいです。そういう方のためにもゴゴスマを躍進させていきたい」と感謝。ゴゴスマで目指すは「全国制覇。同時間帯(の番組平均視聴率で)1位。一つでも放送エリアを多くしていきたい」と番組のさらなる飛躍を誓った。

 ◇夢は「紅白司会」「関西でラジオの帯番組」 70代の母にも雄姿を

 ゴゴスマ以外の仕事の方向性については「20年間のアナウンサー生活で培ったことが生かせるリポートだったり、司会だったり……。決してタレントではなく、今までやってきたことの延長をいろんな場所でできればありがたい」と語った石井アナ。

 夢を聞くと、小声になって「紅白歌合戦の司会がしたい」と打ち明け、「古舘(伊知郎)さんにそれを伝えたら、『そういう夢は、言い続ければできるから。言い続けなさい』と言われたので、恥ずかしげもなく今、言わせていただきました」と照れくさそうな表情。「どうやったら紅白の司会ができるんでしょうね。具体的な策はないですけど、(NHKの音楽番組)うたコンは毎週見ています」と“勉強”を始めている。

 またゴゴスマは自身の出身地・関西で放送されていないことから「昭和24年生まれのお母ちゃんが生きているうちに、関西のテレビにも映りたい」「もっともっと経験を積んで関西で帯のラジオをやれたら」と“原点回帰”への思いも明かした。

 さらに自身が思い描いていないイベント出演の依頼や、写真集の出版などの話があったらと水を向けると「なんでも声がかかればやってみたい」と前向き。これまではTBSのドラマに出演することもあり「俳優は大根中の大根なので……」と自信はないが、「声がかかれば、やらせていただきたい」という。また「ゴゴスマを放送していただいている各局にもお邪魔してみたい」と“全国行脚”にも胸を膨らませる。

 CBCテレビには20年勤めたが、新型コロナウイルスの感染拡大で「送別会は全部なし。ゼロです」とすべて自粛した。「先輩の大石邦彦アナ、アナウンス部、同期……4~5件あったんですけど……。さみしいですが致し方ありません」と本音もちらり。一方で「フリーになったら新幹線にたくさん乗れるのかな」とおとぼけをカマしつつ、「まずはゴゴスマをしっかりやること。それに尽きるんです」と気を引き締めた。

 地方局のアナウンサーから、国民的番組の司会者を目指す石井アナの飛躍に注目だ。

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