人気ゲーム「ファイナルファンタジー(FF) VII」のPS4向けフルリメーク版「FFVII REMAKE」(スクウェア・エニックス)が、4月10日に発売されました。テレビCMで、窪田正孝さんから「結局FFVIIって何がすごかったんですか?」と聞かれた玉山鉄二さんが、「あのFFVIIで、テレビゲームの世界が変わったんだ。これは大げさな話じゃない、本当の話なんだよ」と熱を込めて語るシーンがあります。記者もその通りだと思いますし、同意する人も大勢いるのではないでしょうか。FFVIIが発売された1997年、当時小学5年生だった、現在34歳の記者が当時の衝撃を振り返ります。
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FFVIIがプレイステーション(プレステ)で発売されることは、1996年にマンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)で報じられ、その後放送されたCMには、これまでにないリアルなグラフィックの架空都市「ミッドガル」の全景や、ポリゴンで描かれた主人公・クラウドといったキャラクターの映像が映し出されていました。大げさではなく、間違いなくゲームが変わった瞬間です。
というのも、1994年に発売されたプレステとセガサターンの次世代ゲーム機戦争がエスカレートしていく中で、3Dグラフィックのゲームが徐々に増えてきたものの、まだまだアクションゲームが多く、多くのユーザーに支持されていたRPGというジャンルでいえばドット絵が主流でした。
そんな中で、お披露目されたFFVIIの映像のインパクトは、スクウェア(現・スクウェア・エニックス)のプレステ参入によって運命づけられた「次世代機で開発されたFFの新作」というファンによる高いハードルを軽々と飛び越えるものでした。FFというビッグタイトルまでが、3Dという新たな表現方法で構築されていることに、未来のゲームは3Dが中心になることを強く印象づけられました。ジャンプやゲーム雑誌を片手に、友達と「すげぇ」と盛り上がったことは、今でも記憶に焼き付いています。
そして、スクウェアから発売された3D格闘ゲーム「トバルNo.1」に、FFVIIの体験版が付属されていました。記者はFFⅦの体験版をプレーしたいがために、トバルNo.1を購入。最初のボスである、ガードスコーピオン戦まで収録されており、プレー時間はおよそ30分ほどの内容ですが、トバルNo.1は後回しにして、体験版を繰り返し遊んだことを覚えています。
余談ですが、FFVIIRの体験版が3月に配信された際、ツイッターではトバルNo.1がトレンド入りしました。「『FFVII』の体験版といえば、『トバルNo.1』を想起する人が大勢いるんだなぁ」と、思わずにやついてしまいました。
さて、FFVIIのゲームソフトですが、記者はコンビニで購入しました。スクウェアが設立した「デジキューブ」で、当時では画期的だった、コンビニでゲームを購入できるようになったからです。田舎暮らしだった記者は、実家の近くにゲーム屋がなく、学校から帰ってきたらすぐにFFVIIで遊びたかったがために、コンビニで予約したわけです。また、デジキューブでFFVIIを購入すると、おまけで冊子が付いてきたことも、理由の一つです。
星がきらめく宇宙から、道ばたにたたずむヒロインの一人・エアリスのアップ、徐々にカメラが引いていきミッドガルの全景が映し出されるというオープニング映像から度肝を抜かれました。まるでSF映画を見ているかのような演出に、ワクワクされられたわけです。
また、大人向けなストーリーが、小学生だった記者にはとても刺激的でした。RPGといえば「ドラゴンクエスト」「テイルズ オブ」といった中世ヨーロッパのようないわゆる“ファンタジー”の世界観が当たり前でしたが、FFVIIではスチームパンク的な世界観が広がっています(FFVIでもその兆候はありましたが)。さらに政治をも牛耳る超巨大企業「新羅カンパニー」の存在、エネルギーや環境問題といった社会情勢が色濃く描かれている、エアリスの死をリアルに描いた点などが、当時のRPGとは一線を画していました。
「『水中呼吸マテリア』を手にすればエアリスを復活させる方法がある」「(ラスボスの)セフィロスを仲間にすることができる」などという出所不明の臆測も駆け巡り、友達と情報交換しながら、試行錯誤したものです。今でこそSNSでさまざまなデマが毎日流れていますが、インターネットもそこまで普及していない時代に、片田舎の小学生にまで、こうしたデマが届いていたことも、FFVIIが社会現象を巻き起こしたことの表れの一つではないでしょうか。
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