森七菜:朝ドラ“メガネっ娘”で大ブレークか? 期待できる三つの理由

NHK連続テレビ小説「エール」で関内梅を演じる森七菜さん (C)NHK
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NHK連続テレビ小説「エール」で関内梅を演じる森七菜さん (C)NHK

 俳優の窪田正孝さん主演で、3月30日にスタートした2020年度前期のNHK連続テレビ小説(朝ドラ)「エール」。約2週間の子役パートを経て、第3週から主人公・古山裕一役の窪田さん、第4週からヒロイン関内音役の二階堂ふみさんが本格登場と、ここから先の物語が気になるところ。そんな中、期待せずにはいられないのが、関内三姉妹の末っ子で、メガネ姿が特徴の関内梅を演じる森七菜さんだ。朝ドラの“メガネっ娘”と聞いて思い出すのが、2015年度後期の「あさが来た」で吉岡里帆さんが演じた田村宜(のぶ)、2017年度前期の「ひよっこ」で松本穂香さんが演じた青天目澄子(なばため・すみこ)。吉岡さんと松本さんは共に、同役を演じたことで知名度をアップさせたが、森さんも続くことができるのだろうか。

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 ◇やっぱり見た目の印象は大事?

 森さんは、昨年1月期に放送された連続ドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」(日本テレビ系)で注目され、新海誠監督の劇場版アニメ「天気の子」ではヒロイン・陽菜の声優を務めた伸び盛りの18歳。月刊情報誌「日経トレンディ」(日経BP社)の「2020年の顔」に選ばれるなど、吉岡さんと松本さんがそれぞれ朝ドラで“メガネっ娘”を演じていたころに比べると、知名度は森さんの方が上だ。

 今年1月公開の岩井俊二監督の新作映画「ラストレター」にも出演し、主題歌「カエルノウタ」で歌手デビューしたことも話題となった。とはいえ森さんも、デビューから3年しかたっておらず、まだまだこれからの若手女優の一人。だからこそ、見た目の印象は大事で、そういった意味でも、朝ドラの“メガネっ娘”梅役はうってつけだ。

 第2週ですでに子供時代の梅の姿(メガネあり)が登場。“チビ梅”役は大ヒットソング「パプリカ」の歌唱で知られる子供ユニット「Foorin(フーリン)」の新津ちせちゃんが務めていた。“チビ梅”は2人の姉の言い争いに冷静に突っ込んだり、「2人とも少し、こういうもんでも読んだら?」と芥川龍之介の「鼻」を薦めたりとおませな文学少女ぶりを披露し、視聴者の反応は上々だった。下地は十分に作られた形で、あとは森さんの登場を待つのみだといえる。

 ◇ヒロインの妹は出世枠 “経験者”清原果耶、杉咲花との共通点も

 森さん扮(ふん)する梅がヒロインの妹、かつ三姉妹の末っ子というのも見逃せない。「エール」の1年前、“100作目の朝ドラ”として注目を集めた「なつぞら」では、清原果耶さんがヒロインなつ(広瀬すずさん)の妹、千遥(ちはる)を演じ、大きなインパクトを残したのも記憶に新しいところ。

 余談だが、森さんと清原さんは同学年。かつ全国高校サッカー選手権大会の応援マネジャーを経験し、オロナミンCのCMにも出演という共通点もあり、今や「朝ドラヒロインに最も近い若手女優」などといわれる清原さんのように、「森さんも」とブレークを期待するファンも多いのではないだろうか。

 また、朝ドラにはたびたび三姉妹が登場するが、末っ子ポジションから大きく飛躍を遂げたのが、2016年度前期の「とと姉ちゃん」で美子を演じた杉咲花さんだ。同年に公開された映画「湯を沸かすほどの熱い愛」(中野量太監督)の演技が高く評価され、「第40回日本アカデミー賞」では最優秀助演女優賞と新人俳優賞をダブル受賞。初の大河ドラマ出演となった2019年の「いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~」のシマ役も好評を博し、2020年度後期の朝ドラ「おちょやん」ではヒロイン役を務めることが決まっている若手の実力派だ。

 そんな杉咲さんが「とと姉ちゃん」に出演したときの年齢が、今の森さんと同じ18歳というのも興味深い。偶然の一致といえばそれまでだが、果たして……。

 ◇森七菜の秘めたポテンシャル 魅力は女優純度の高さと探究心の強さ

 最後に挙げておきたいのが、森さん自身の秘めたるポテンシャルだ。「3年A組」で一般の視聴者に“発見”されてからこの1年、話題作への出演が続いてきた森さんだが、その魅力は女優純度の高さと探究心の強さにあるといっても過言ではないだろう。

 役作りでは「あまり決め込まないこと」を大事にしつつ、現場に入れば、演じる役が背負っているものの“重さ”や、その時間の“長さ”さえも「感じよう」と没頭してしまうという。以前のインタビューでも、「スイッチみたいなものは特になくて。大げさに聞こえるかもしれないんですけど、気づくとその世界に入っている気がする」「普段の日常を生きるように、映像の中でも、可愛い子ぶるでもなく、格好つけるでもなく、存在できたらいいなって毎回思うので、そこも大事にしている部分なのかもしれません」と語っていた。

 さらにオフのときも、ずっとお芝居のことを考えていて、「普段の生活の中でいろいろと込み上げてくる感情も、もしかしたら、どこかで使えるかもしれないって思ってしまうんです」と明かしていた森さん。撮影が長期にわたる朝ドラという新たなステージで、また見た目も可愛らしい“メガネっ娘”として、どんな演技を見せてくれるのか、今から楽しみだ。

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