ダンダダン
第12話「呪いの家へレッツゴー」
12月19日(木)放送分
話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は「さよなら絶望先生」「かってに改蔵」などで知られる久米田康治さんのマンガが原作のテレビアニメ「かくしごと」です。村野佑太監督に作品の魅力などを語ってもらいました。
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愛娘に自分の職業を隠そうと奮闘する下ネタマンガ家・後藤可久士と、その娘である10才の天然少女・後藤姫の日常を、マンガ家のあるあるネタを交えつつ描くハートフルコメディ-です。
親子の楽しい日々を映した「姫10才編」と共に、父親を喪失した未来を描いた「姫18才編」も同時に進行し、ドラマものとしてのミステリー要素もはらんでいます。
二つの時間軸が交わる最終回に向けて進行していくエピソードは、おかしくもどこか目の離せない緊張感を帯びていると思います。
原作の風味を最大限活かすために、雑味を加えない作業を心がけました。誰が見ても久米田康治先生の描かれた作品だなと感じてもらえるよう、キャラクターの表情や背景の色彩に至るまで原作に忠実に再現しています。「悩んだ時、答えは全部原作マンガの中にある」とスタッフには常々話をしていました。
映像のテンポ感も、切れ味は保ちつつちゃんと腰を落ち着けて見れるように、とがった演出をし過ぎないようコントロールされています。「楽しく・見やすく」を目指した作品です。
「太陽の戦士ポカポカ」を小学生の頃に読んで以来、久米田先生の作品の大ファンなんですね。子供の頃から読んでいたマンガ家さんの新作のアニメ化に、監督として関わることを想像してみてください。メチャクチャうれしい! ……以上に、とても大変なんですね。
作品を円滑にまとめる監督としての目線と、ファンとしての面倒くさい目線の両方がせめぎ合うことがしょっちゅうありました。「久米田キャラはこんな口の形はしない!」とか言って、口の線を数ミリ直したり……(笑い)。
姫を思うがあまりに妄想が暴走してしまう可久士周辺のトラブルは、回を追うごとにパワーアップしていきます。同時に「姫18才編」の謎も明かされていき……。そして原作マンガとアニメの双方が、ほぼ同じタイミングで最終回を迎えます。これは原作者である久米田康治先生のアイデアです。
マンガで掲載されたばかりの話がすぐアニメで見られるというのは近年珍しい試みだと思うので、ぜひ楽しみにしていてください。
久米田康治先生特有のシニカルなネタが好きな人はもちろん、そういうノリはちょっと苦手……という人にとっても楽しめる、間口の広いアニメになっていると思います。可久士と姫のおかしくも尊い日常を、あたたかく見守っていただけると嬉しいです。
亜細亜堂所属 アニメーション監督 村野佑太
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