名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
6月19日に発売されたプレイステーション 4向けサバイバルアクションゲーム「The Last of Us Part II」(SIE)で、7年ぶりに主人公のエリー役を演じている声優の潘めぐみさん。人気アニメ「HUNTER×HUNTER」の主人公・ゴン役でのデビューから10年。「ハピネスチャージプリキュア!」「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」など数々のヒットアニメに出演。吹き替えでもクロエ・グレース・モレッツさんの吹き替えをはじめ、数々の作品を担当し、幅広く活躍している。数々の代表作があり、人気声優の潘恵子さんの娘としても知られている潘さんだが、「もっと有名になって売れたい(笑い)」と話す。そこにはキャリア10年を迎えた彼女なりの想いがあった。
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潘さんは、「HUNTER×HUNTER」の主人公・ゴン=フリークス役で2011年に声優デビュー。2013年に「ジュエルペット ハッピネス」の月影ちあり役、「ちはやふる2」の花野菫役、2014年には「ハピネスチャージプリキュア!」で白雪ひめ/キュアプリンセスを演じたほか、2015年に「俺物語!!」の大和凛子役、「機動戦士ガンダム THE ORIGIN」のセイラ・マス役、2018年に「DEVILMAN crybaby」の牧村美樹役、2019年に「ULTRAMAN」で北斗星司役とさまざまな役どころを演じてきた。吹き替えでもクロエ・グレース・モレッツさんの声をはじめ、さまざまな作品を担当。中でもクロエさんがキャリー役で主演した映画「キャリー」(2013年)の吹き替えでは、1977年に公開されたリメーク元の同名作品でキャリー役の吹き替えを務めた実母の潘恵子さんとの共演を果たし、話題となった。
そんな潘さんが「The Last of Us」で演じているのが、エリーだ。物語の舞台は、謎の寄生菌の爆発的な感染によって人口は激減し、都市も荒廃したアメリカ。いたるところで寄生菌に侵された“インフェクテッド(感染者)”たちが蠢(うごめ)く世界で、闇市場での取引を生業(なりわい)とするジョエル(山寺宏一さん)は、武器を巡るトラブルから14歳の少女、エリー(潘さん)をある場所へ連れて行く仕事を引き受けることになる。ジョエルとエリーは、“インフェクテッド”だけでなく、他の生存者とも戦いながら生き延びていく過酷な旅路の末に、確かな絆を築いていく。
そして、今回の「Part II」は、前作の5年後が舞台。ワイオミング州ジャクソンで、平穏な暮らしを送っていたエリーとジョエルだったが、悲惨な出来事によって、平和な生活はあえなく崩壊。エリーの無慈悲な旅が再び始まる……というストーリーだ。
第1作で潘さんがエリーを演じたのは2012年。特殊な環境で育ってきたエリーの背景を理解しながら、「等身大の部分を大事にしようと思っていた」と語る。「自分の思い通りにならないことばかりの状況で育ってきたので、周りの大人からは扱いづらいと思われたと思いますが、それは本来の彼女ではないと思って演じました」と振り返る潘さん。ジョエルと出会い、旅をしていくことで、だんだん心がほぐれていって、本来の自分を取り戻していくという過程を重視したという。一方で、ゲームの吹き替えは当時初めてということもあって、「キャリアも浅かったし、技術的にも追いつかなかったところがありましたね。原音について行けなかった時は、エリーとしてどうしたいのか、エリーとして生きなさいというディレクターさんの言葉でエリーにしてもらっていました」と振り返る。
今回の「Part II」で、事前トレーラーでも話題になった「あいつらを見つけて、殺してやるんだ。必ず、最後の一人まで」というエリーのせりふが印象に残ったという。エリーを襲う過酷な運命について、アフレコ前に説明を受けたという潘さん。前作では山寺さん演じるジョエルが担ってくれていた過酷な運命に、今回は直接対峙(たいじ)することを知った。一方「エリーの中で、ジャクソンという町で、人のぬくもりや愛情に触れてきたという前提があっての憎しみや復讐(ふくしゅう)なんです。必ずしも復讐だけがテーマというわけではなく、誰かを思う気持ちが原動力になっているんです」と語る。
「そうですね、疲弊してました……」とアフレコを振り返る潘さん。「前作も心に“来る”ものがあったけど、今回はそことは違うさらなる深みがあるんです。プレーしていってもより没入感があると思いますし、ユーザーの皆さんも心に来るものがあるんじゃないかな」と語る。
5年間のエリーの成長と共に、潘さんも声優としてキャリアを重ねた。「何かを殺(あや)めてしまう時の気持ち、その覚悟であったり……。山寺さんのジョエルにしてもらったことって、こういうことなんだっていうのを、エリーとして追体験したような気がしました」と明かし、「対峙するのが“インフェクテッド”ではなく、“人”なんです。ほとんどすべての人に名前があって、殺された人にも名前があって……。人となるだけでこうも違うのかと思いました」とエリーの心情に思いをはせるまなざしは、実力が伴った役作りがあってのものだ。
2011年に「HUNTER×HUNTER」の主人公・ゴン役としてデビュー会見に臨んだその日に、潘さんをインタビューさせてもらったことがある。デビュー作での大役抜てきへの不安を、何とか懸命に気合で乗り切ろうとする姿に、「新人だから」だけでは説明のつかないひたむきさに、「折れたりせず、息の長い声優さんになってくれるといいなあ」と応援したい気持ちにさせられたものだ。
それから10年。潘さんは「10年って長いようで、振り返ってみるとあっという間。たくさんの作品と役に出会わせていただいて、それが今の自分を支えてくれていると思います」と自身のキャリアを振り返る。「もちろん技術は身についたと思います。ただ、エリーもゴンもそうですが、あの頃の自分じゃないとできなかったし、出会えなかったし、決まらなかったと思うんです」。
大声優の母・潘恵子さんとの仲良しエピソードも多く、「HUNTER×HUNTER」のオーディションの前に「ゴンになってらっしゃい!」と背中を押された逸話は、当時話題を集めたが、現在は独立して一人暮らし。「直接アドバイスもらう機会も少なくなってきましたが、母と一緒に暮らしてきた中で、母が大切にしてきたものを自分も大切にしていきたいと思っています」と話す。
「思いやり」と「気遣い」を胸にキャリアを重ねるも「調子に乗れたことはありません……」と苦笑する潘さんに、向こう10年の目標を聞いてみると、「もっと有名になって売れたい(笑い)」と話す。「今の自分よりも売れていたら、もっと作品に還元できたんじゃないかと思うんです。配信なども増えて作品を見返していただける機会も増えていますし、『潘さんが出ているから見たい』と言っていただけるようになったら、それが作品への、お世話になった方々への、一番の恩返しになるのかな」。
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