科学漫画サバイバル:子供に大人気の学習マンガ 魅力はスピード感 劇場版アニメ「人体のサバイバル!」も話題 鷲尾天Pに聞く

劇場版アニメ「人体のサバイバル!」の一場面(C)Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media /朝日新聞出版・東映アニメーション
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劇場版アニメ「人体のサバイバル!」の一場面(C)Gomdori co., Han Hyun-Dong/Mirae N/Jeong Jun-Gyu/Ludens Media /朝日新聞出版・東映アニメーション

 韓国発の人気学習マンガ「科学漫画サバイバル」シリーズが原作の劇場版アニメ「人体のサバイバル!」。全世界の累計発行部数が約3000万部を誇る人気作で、ファンにとって待望のアニメ化となった。アニメを手がける東映アニメーションの鷲尾天プロデューサーに同作の魅力、アニメだからできた表現などについて聞いた。

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 ◇大人も引き込まれるハラハラドキドキ

 原作「科学漫画サバイバル」シリーズは、累計発行部数が日本で約970万部、世界で約3000万部を誇る人気作。主人公ジオや仲間たちがピンチに立ち向かう姿を描きつつ、科学の解説をする。2019年3月にアニメ化が発表され、YouTubeで公開された東映アニメーション制作のパイロットムービーも話題になった。劇場版では、ジオたちがナノサイズの人体探査機ヒポクラテス号に乗り込み、少女ピピの人体の中で冒険を繰り広げる。

 原作は世界中の子供の心をつかんでいる。「プリキュア」シリーズなど数々の子供向けアニメを手がけてきた鷲尾プロデューサーも原作を読んで「すごい!」と感じたという。

 「数年前から当社の若手営業担当がずっと注目をしていました。(版元の)朝日新聞出版様に問い合わせたら『商品化やイベントだけでなくアニメ化も検討してほしい』とのことで私も手に取ってみたのですが、これがすごい! 内容は最新の科学知識がぎっしり詰まっているのに、ストーリーは正しく冒険ものになっており、小学生を中心に大人気というのもよく分かりました。それから本格的にアニメ化を検討し始めて、関係各社に交渉を重ね、ようやく今年劇場版として公開することができました」

 具体的に何が「すごい!」と感じたのだろうか?
 
 「何よりもスピード感ですね。ノンストップアクションムービーを見ているようなテンポで次々と事件が起こり、主人公たちが巻き込まれていく。そしてそれを子供ながらも
知恵と決死の覚悟の勇気で乗り越えていく。本当にハラハラドキドキして、大人も引き込まれます。そしてストーリーの裏付けが最新の科学知識というのが探究心を満たしてくれますね」

 ◇感動的なストーリーこそが本作の命

 アニメでも原作の「スピード感」を表現しようとした。

 「原作の持つスピード感とスリル感をアニメーションならではのアップテンポなアクションで見せたいと思いました。そういう意味では『人体のサバイバル!』は『科学漫画サバイバル』シリーズの初の映像化として皆さんに見てもらうのにふさわしい作品だと思います。何しろ見る人にとって一番身近な“自分の体”が冒険の舞台ですから、きっと興味深いと思います」

 アニメならではの表現も魅力だ。大画面で見ると迫力もある。

 「体の中、特に血管を縦横無尽に駆け回るところのスピード感はアニメーションの醍醐味(だいごみ)だと思います。また、体の中のいろいろな臓器の色彩も注目してほしいです。アニメーションならではの冒険の舞台として、大画面にふさわしい雰囲気を作り出しています。そして今回はMX4Dでも公開していますので、ライド感を存分に味わってもらいたいと思います」

 「素晴らしい原作と、素晴らしいスタッフによってとても魅力的な作品に仕上がりました。知識の必要性、科学の素晴らしさがいつの間にか身についてしまう、そんな作品です。アクションや冒険はもちろんですが、感動的なストーリーこそが本作の命です! ぜひご覧ください!」と自信を見せる鷲尾プロデューサー。「人体のサバイバル!」は、大人も感動できる。勉強できて、感動できて、ハラハラドキドキできるアニメに仕上がった。

 シリーズ化を期待する声も多く、鷲尾プロデューサーも「もちろんまだまだたくさんの魅力的な原作がありますので、ぜひ映像化していきたいですね。“冒険と科学”は人間の進歩の象徴ですから、それをぜひとも映像で体感してもらいたいです。今回の映画を見てくれる皆さんの力によって作品の将来が決まってくるので、ぜひ応援してください!」と話す。今後の展開も期待したい。

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