小林由美子:「クレヨンしんちゃん」声優交代から2年 変化も 「自分なりに自由に」

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劇場版アニメ「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」で声優を務める小林由美子さん

 国民的人気アニメ「クレヨンしんちゃん」の28作目となる劇場版最新作「映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者」(京極尚彦監督)が、9月11日に公開された。2018年7月に矢島晶子さんから主人公・野原しんのすけ役を引き継いだ小林由美子さんにとって劇場版としては2作目となる。小林さんは、しんのすけを演じる上で「矢島さんも自由で楽しい5歳児を追究して、今のしんのすけが出来上がったんだろうなと思うので、しっかり受け継いでいきたい」と語る。本作の見どころ、しんのすけ役への思いを聞いた。

 ◇前作は「守ってもらった」 「これがしんちゃんの第1作目」

 劇場版最新作は、地上のラクガキをエネルギーに浮かぶ王国ラクガキングダムが登場する。地上でのラクガキが減り、崩壊の危機に直面していた王国は、命運を懸けて無理やり人間にラクガキをさせる作戦「ウキウキカキカキ作戦」を決行。地上の春日部が大混乱の中、ミラクルクレヨンを授けられ勇者となったしんのすけが、世界の平和のためにラクガキたちと力を合わせて戦う姿を描く。アニメ「ラブライブ!」「宝石の国」などの京極さんが監督を務め、映画「婚前特急」「そこのみにて光輝く」などの高田亮さんが脚本を担当する。

 最新作は、しんのすけがクレヨンで春日部を救うという「クレヨンしんちゃん」のタイトルをほうふつさせる展開で、小林さんは「原点回帰のストーリー」と感じた。声優交代後初の劇場版となった前作「映画クレヨンしんちゃん 新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~」(橋本昌和監督、2019年)を経て、「これがある意味しんちゃんの第1作目という気持ち」と語る。

 「前回は、父ちゃんと母ちゃんの背中を見ながら、守ってもらいながらの第1作目でした。今回はそこから一人で旅だって冒険に出るという、ここがある意味しんちゃんの第1作目という気持ちがありました。台本を読み進めると本当に面白くて。くだらないこともいっぱいあるし(笑い)」

 今作は、しんのすけのラクガキから生まれたキャラクターが活躍する。“二日目のおパンツ”ブリーフ、憧れのななこお姉さんに似ても似つかないニセななこのほか、神谷浩史さん演じる“救いのヒーロー”ぶりぶりざえもんの登場も見どころだ。

 「神谷さんも出演をすごく楽しみにしてくださって、別作品でお会いした時も『映画よろしくね! 楽しみだよ』『ぶりぶりざえもん、やっと出るよ』とすごく熱い思いを語ってくださって、うれしかったです。収録もぶりぶりざえもんとの掛け合いは本当に面白くって。本番中なんだから絶対に笑っちゃいけないと思うんですけど、気を抜くと笑ってしまう。常に気をバリバリに張っておかないと、ふとしたところでぶりぶりさんに持って行かれちゃうんです」

 笑いをこらえるようなぶりぶりざえもんのシーンが多い中、「鳥肌が立つような」場面もあるという。

 「ぶりぶりざえもんにこんなに感動させられるとは……と思いました。いつものお決まりのゲスキャラではあるんですけど、ここぞという時はやはり頼りになる。ゲスキャラなりに感動させてくれて、『はー、ぶりぶりさん……(感動)』って思いました(笑い)」

 ◇愛されるしんちゃんを大事に 声にとらわれすぎた時期も

 小林さんがしんのすけ役を引き継いでから約2年がたった。大役ということもあり、最初はプレッシャーも大きかったが、今は「自分なりに自由に」できるようになるなど変化、成長した。

 「私は『まだ2年か。早く5、6年たたないかな』と思ってしまいます(笑い)。しんちゃんを演じる責任の重さは変わらず持っているんですけど、最初の頃よりは自分なりに自由に演じられるようになってきました。矢島さんが作り上げてきた、みんなが愛するしんちゃんは壊さないようにずっと大事に持って、そこにプラスしてアフレコの掛け合いの面白さがみんなに伝わったらいいなと思いながら、最近はやれるようになってきました」

 矢島さんが演じてきたしんのすけの声も徹底的に研究した。

 「『クレヨンしんちゃん』のDVDを一日中かけっぱなしにして、しんちゃんの声をずっと聞いていました。私は変な凝り性のところがあって、矢島さんのしんちゃんの声を録音して、その波形を見たり、自分で同じせりふを録音して矢島さんの声の波形と比べてみたり、変な研究心が収まらなくなってしまったこともあったんですけど、録音環境が違うのでぶっちゃけあまり意味がないということに気付いて(笑い)」

 さらに、しんのすけの声で自然な芝居ができるように「家の中の日常会話もしんのすけの声でしたりして子供たちにおびえられた」こともあった。声にとらわれすぎて、芝居が生き生きとしたものにならないと葛藤する中、監督の「5歳児を伸び伸び演じてください」という言葉に肩の荷が下りたという。

 「しんちゃんは、時々核心を突くような鋭いことも言うけど、基本はマイペースな5歳児なので『5歳児を伸び伸び演じてください』と監督は言ってくださいました。それを大事にすれば、おのずとしんのすけというキャラクターは出来上がってくると言われて、『なるほど、そうなんだ』と。矢島さんもきっと自由で楽しい5歳児を追究して、しんちゃんを作り上げてきたんだろうなと思うので、そこをしっかり受け継いでいこうと思うようになりました」

 ◇おしりを出しても愛されるしんちゃん “救いのヒーロー”は…

 小林さんは「デュエル・マスターズ!」の切札ジョー役など熱血キャラを演じることが多かったが、しんのすけは「マイペースでひょうひょうとしていて、決して誰かを救うために熱血にはならない」と感じているという。

 「しんちゃんが熱血になるのは自分の欲のためであることが多いけれど、芯にはしっかり自分の正義があって、ここぞという時はどんな大きな力にもぶれずに自分の気持ちをぶつけるところが魅力だと思います。ひょうひょうとしていて、生意気だけど、そこはかとない愛らしさもある、絶妙なしんちゃん節を表現するのが難しくて、それはこれからもずっと悩みながらやっていくんだろうなと思います」

 小林さんは「常におしりを出しても愛されるキャラクターなんていない。そのおしりすらもいとおしく思ってくださる皆さんのために、愛される自由な5歳児を演じられるように研究していきたい」と力を込める。

 最後にぶりぶりざえもんにちなみ、「自分にとっての救いのヒーローは?」と聞くと、「しんちゃんを見て『面白かった』『見ていて元気が出た』という一言が本当に励みになります。おなかを抱えて笑ってくださる方に私も救われます。応援してくださる方たちの声が、救いのヒーローなんだなと思っています」と語った。笑いあり、感動ありの劇場版で、小林さん演じるしんのすけの活躍を大いに楽しみたい。

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