フジ宮司愛海アナ:「自分が自分らしく…」 スポーツニュース「S-PARK」の顔が“努力”する理由

フジテレビの宮司愛海アナウンサー
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フジテレビの宮司愛海アナウンサー

 フジテレビのスポーツニュース「S-PARK」(土曜深夜0時35分、日曜午後11時15分)でメインキャスターを務める宮司愛海(みやじ・まなみ)アナウンサー。いまや同局のスポーツ番組の顔ともいえる宮司アナだが、意外にも「小さい頃からスポーツにあまり縁がない生活を送ってきて、体を動かすのは大好きなのですが、スポーツは苦手意識が強くて……」と明かす。そんな宮司アナに、印象に残ったスポーツ取材やスポーツニュースで伝えたいこと、アナウンサーとしての夢などについて聞いた。

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 ◇アナウンサーになろうと思ったきっかけは小学生の頃の母の一言

 宮司アナは、福岡県出身。早稲田大学卒業後、2015年に同局に入社し、現在は「S-PARK」やスポーツ中継のほか、バラエティー番組「潜在能力テスト」(火曜午後8時)の進行を担当している。

 高校まで福岡で育った宮司アナ。幼い頃は「外で遊ぶのが好きな、活発でおてんばな少女でした。一方で、本を読むのが好きで、図書室にある本をどれだけ読めるか友達と競っていました」と話す。

 そんな宮司アナがアナウンサーになろうと思ったきっかけは、「小学4年生の頃に、母の言った『アナウンサーって機転が利くし、すてきよね』という一言でした。そこから、アナウンサーには、“テレビに出ているキラキラしていてすてきな女性”といった憧れがあり、就職活動のときに試しに受けてみようと思ったとのがきっかけです」と明かす。

 今年1月に出版した初フォトブック「S-PARK 特別編集 宮司愛海フォトブック まっすぐ」(講談社)では、「面接で牛丼の話をしたら合格した」というエピソードが紹介されていたが、「意気込みすぎず、肩の力が抜けていて本来の自分を見てもらったというところが一番大きかったのではないかと思います」と合格した理由を自己分析する。

 ◇興味を持つきっかけは“ギャップ” 裏側や素顔を伝えたい

 学生時代は、スポーツにあまり縁がない生活を送り、スポーツ関連番組は積極的に見てきたタイプではなかったという宮司アナ。それが、2018年の番組スタート時から「S-PARK」のメインキャスターとなり、「自分自身が詳しいタイプではなかったので、『S-PARK』の番組コンセプトのスポーツ好きが満足できるスポーツ情報を伝えるということとは別に、スポーツのあまり詳しくない女性の方に分かりやすく伝えたり、『なるほど、ちょっと見てみようかな』と思うような豆知識や情報を伝えられるようにということは、常に考えています」と語る。

 そのためには「興味を持つきっかけって、この人にはこんな意外な面があるなど、ギャップに目が向くと思うんですね。パッと見た感じは華やかに見えるけれども、ものすごく苦労してきたバックグラウンドがあるなど、選手の方々の裏側や素顔を伝えることで、ルールが分からなくても、その選手自身の人物像に目を向けてもらうようなことは、自分ができる役割の一つなのかなと思っています」と普段から心がけていることを明かす。

 アナウンサーをやっていてうれしいのは「歴史的な瞬間に、現場で立ち会えること」。自身初の五輪取材となった2018年冬季の平昌五輪では、「スピードスケートの小平奈緒選手が、韓国の李相花(イ・サンファ)選手と最後まで競り合って金メダルを取ったのですが、レースが終わった後に李選手の肩を抱いて友情を示し合った、あの瞬間は現場で見ていてもグッとくるものがありました。スポーツっていろいろなものを乗り越えて人の心を動かすのだな、と。この瞬間を生で見られて良かったなと思いました」としみじみと振り返る。

 ◇「声は人なり」 人間性が声に反映されるように

 そんな宮司アナは、周囲から“努力家”と評されるというが、自身にとって“努力”とは? 「自信につながるものです。自分には根本的に自信がないから努力するという部分が大きいです。たとえば実況アナウンサーだと、120%準備して、発揮できるのは本当に数パーセントだとよくいわれるのですが、120%準備しないと満足な結果は得られないと思いますし、そういった努力=準備は必要不可欠であり、自分が自分らしく仕事するために一番大事なことだと思います」ときっぱり語る。

 自分の声については「高くて、芯のある強い声でないので、正直なところそんなに自分では好きではないのですが……」という宮司アナ。ただ、「アナウンサー研修で教わった言葉の一つに『声は人なり』というものがあり、人間性が磨かれれば磨かれるほど、人間としての深みが増せば増すほど、それが声にも表れるという意味なのですが、そのことは常に心に置いて、声に自分の人間性が反映されていくように頑張りたいなと思っています」と常に向上心のかたまりで臨んでいる。

 今後は「長尺のナレーションもやってみたい」といい、「スポーツ番組では、長くても4、5分くらいのVTRのナレーションで、いままで担当した中で一番長いのが10分ほどなので。じっくりと30分や1時間の番組のナレーションに挑戦してみたいなという気持ちはあります。アナウンサーとしての話し方以外に表現の幅を広げていけたらいいなと思います」と意欲的だ。

 そして「S-PARK」の視聴者に向けて、「今はなかなか現場に行くことができませんが、番組が大切にしている現場感、丁寧な取材、他番組とは異なる演出でリモート取材も行っています。『S-PARK』ならではの切り口の情報の伝え方に注目してほしいですし、スポーツには人生のすべてが詰まっていると私は思っているので、ぜひ女性にも興味を持って見ていただきたいなと思います」とメッセージを送った。

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