ドラゴンボールDAIMA
第10話 ウナバラ
12月16日(月)放送分
中国で人気の劇場版アニメ「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ)」の日本語吹き替え版「羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来」が公開中だ。日本語吹き替え版で、人間であり“最強の執行人”であるムゲンを演じたのが、人気声優の宮野真守さんだ。宮野さんとの共演が多い櫻井孝宏さんがムゲンと対立する妖精のフーシーを演じており、「ありがたいことにいつも戦っているなと(笑い)。変な言い方ですが、安心して戦えました」と振り返る。吹き替えならではの発見もあったという宮野さんに演技のこだわりを聞いた。
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「羅小黒戦記」は、中国のアニメーターでアニメ監督のMTJJさん、寒木春華(HMCH)スタジオが制作。2011年3月に動画サイトで公開されて人気を集め、劇場版も公開。劇場版の中国国内での興行収入は約3億1500万人民元(約49億円)を記録するなどヒットした。日本でも字幕版が2019年10月に公開された。自然破壊によって森を追われた黒猫の妖精・シャオヘイが、妖精のフーシー、人間で最強の執行人のムゲンと出会い、人間と妖精の関係を揺るがす大事件に巻き込まれていく。
宮野さんは、同作の日本語字幕版を見て「感動した」と話す。
「アクションシーンがすごかったです。手描きのアニメーションでこの迫力を見せるのはすごいことなので、作り手の方々の気合を感じました。物語も自然と人間の共存という普遍的なものが芯にあって、現実に照らし合わせてみても、無視できないテーマを描いている。それをこの特殊な世界観で描くことによって、人々の心により残る」
宮野さんが演じたムゲンは、不穏な動きをする妖精たちを法に基づいて捕らえる任務に就いており、その実力は最強の執行人として恐れられている。クールで口数が少ないキャラクターではあるが、宮野さんは「自分の存在意義、自分の使命を全うしている男」と感じたという。
「人間と自然、この作品では人間と妖精の共存が難しい中で、なぜ彼はその立場で自分のなすべきことを真っすぐ追究できるのかというところに彼の人間性が表れていると思います。人間と妖精の共存という平穏を求めているからこそ、任務を全うできる彼の精神力の強さを作品からも感じてもらえるんじゃないかと思います」
宮野さんは、吹き替えのアフレコで、原作の中国語の音声に「寄り添いたいという思いが強かった」と話す。
「原作のお芝居が素晴らしくて、アクションシーンのムゲンの叫び声などが、自分の声に似ているなとも思ったので、ムゲンが持っているものを僕も原音と一緒に表現できたらいいなと思いました」
アフレコの前に字幕版を見たという宮野さんは、それを基にこれまでとは違うアプローチをしたという。
「やはり日本語のせりふになった時に、表現の仕方、話し言葉が字幕と多少差異があったりするんです。僕たちの吹き替え版の台本には書かれていない、『もっとこのことを言いたいんだ』というのが字幕の中では現れている瞬間もある。僕はそれを加味できればいいなと思いました。吹き替え版の台本のト書きにも『原作の中ではこういう言い方をしていますが、日本語にした時には分かりにくいからこうしたほうがいいかもしれない』という試行錯誤も見られた。それなら、僕が演じる中でその要素も声色に乗れば、伝わり方が変わるのかなと」
言語が違うことで伝わりづらい原作の要素を、演じる際に込める「感情」で表現しようとしたという。
「言語の違いからくる解釈の違いだったり、原作の入れたいニュアンスがどうしても日本語のせりふの尺で入れられなかったりするところは、声優が表現することで伝えられるんだということは、新たな挑戦というか発見ではありましたね。原作で伝えていることをくみ取って、音声にすることができるんだなと」
「羅小黒戦記」は、ムゲンやフーシーら超人的な力を持つキャラクターたちのアクションシーンも魅力だ。なかでも、圧倒的な強さを持つムゲンと妖精の世界を取り戻そうとするフーシーの迫力あるバトルは、見どころの一つとなっている。フーシー役の櫻井さんと宮野さんは、別の作品でもライバル関係や敵対する関係を演じることが多い。
「ありがたいことにいつも戦っているな、いつも櫻井さんが立ちはだかるなと(笑い)。櫻井さんの声の存在感がすごすぎて、毎回立ち向かう時に余計なことを考えずに済むんです。むしろ本気でちゃんとぶつからないと、たとえ台本が勝つ流れになっていたとしても負けると思うぐらい存在感がすごい。だから、変な言い方ですけど、安心して戦えました」
スピード感あふれるアクションシーンでは、「キャラクターの動きを目で追うのが大変でした。『今ムゲンどこ行った?』みたいな」と笑顔で振り返った。
宮野さんは「羅小黒戦記」を「アニメーションの可能性の広がりに感動できる」とアピールする。
「この作品から日本のアニメーションが世界に影響を与えて、いろいろな表現、アウトプットの仕方が生まれているのではないかと感じました。手描きの2Dの世界観が海外の演出でこれだけ面白く描かれているのを見て、日本の何かしらが影響しているんだろうなと思うと誇らしくもありました。そういう意味でも、この作品からアニメの可能性を存分に感じていただけるんじゃないかなと思います」
日本語吹き替え版では、素晴らしいアニメーションに宮野さんら声優陣の演技が乗り、新たに表現される。最強の男・ムゲンの活躍を劇場で堪能したい。
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